屋久島で泊まったSANKARAホテルの食事の備忘録を作っておきたいと思いました。
SANKARAとは、サンスクリット語で「天からの恵」という意味だということを空港に迎えに来てくれたスタッフが車中で説明してくれました。ちょっとうれしそうというか自慢げな印象があって「なんと感じがいいこと」と、滞在することにワクワク感がわいてきました。
ロケーションもいいし自然を生かした一体感も素晴らしい。自然を大切にする姿勢も好感が持てます。それ以上にスタッフの皆さんのホスピタリティが徹底されていることに感動しました。
ロケーションもいいし自然を生かした一体感も素晴らしい。自然を大切にする姿勢も好感が持てます。それ以上にスタッフの皆さんのホスピタリティが徹底されていることに感動しました。
今日の目的は食の記録…
確かにどの食事も感動的でした。素材を生かして、おいしく、美しく、楽しく丁寧に調理されている…オープンキッチン形式で食事をする部分よりも調理をする部分の方が広いのではないかという設備と人員。そもそもこういうところにもホスピタリティを感じました。
食事の最後に、サーブしてくれる方が「パティシエがお待ちしておりますからデザートをお選びください」と笑いを含みながら言ってくれます。デザート台の向こうににこにこ笑顔のお若いパティシエ。「今日は七夕ですので、星をアレンジしてみました…お楽しみください」ですって。
到着日の夕食の時のこと。
「屋久島は首折れサバがおいしいんです。よかったらサラダを召し上がりませんか。とても新鮮でおいしいのですが、最後にちょっとバーナーで焼きますので、また風味がついて」と説明しながらバーナーを使うのが、とっても嬉しそう。この絶妙なやりとりって前頭葉を刺激する!と心の中で思いました。
「牛肉の白ワイン煮?赤じゃなくて」と尋ねたら「ブルゴーニュでは赤ワインですがボルドーでは白ワインをよく使うのです」知りませんでした!
知識が増えることも、私には嬉しいことです。
その時の食事です。サバサラダは左下、牛肉の白ワイン煮込みは左上。
2日目の朝食は「せっかくの連泊ですから、和食はいかがですか」と和食膳。屋久島はトビウオも獲れるそうで、それがさつま揚げに。またお茶漬けには「アゴ(トビウオ)出汁です」と地産地消。
続けて夕食。毎回、素材の説明も丁寧で「『なかやま黒牛』というのは中山さんの作った肉で品評会で優勝しました」
3日目の朝食は洋食にして、焼き立てパンを食べました。正確には食べ過ぎました。そのうえ「鶏飯」があったので懐かしくてつい注文。奄美大島で初めて食べた時のこと、強い陽射しと乾いた空気、またそのいわれをご一緒した保健師さんが話してくれたことなど、驚くほど鮮明に思い出されました。20年以上も前のことですよ。
夕食は「今日から新しい献立が用意されております」と桃を使った料理をさりげなく勧めてくれましたのですぐのりましたとも。
最後の朝食は、首折れサバのカレー。見た目はキーマカレーです。予想通りさかな感は全然感じられずに玉ねぎの甘みがあっておいしいカレーでした。
屋久島ですから、イモ焼酎を飲まなくては。ちゃんとフレンチにも合うようにセレクトされていて、水割りの分量も焼酎によって変えるのだそうです。それぞれ別の焼酎を注文しました。私はアルコールはいただけますが、普段は飲みませんからよくわかりません。味の違いはわかるのですが、ことばで表現することは難しいですね。
最後の日は、夫はまた別の焼酎、私はホテル特製のジンジャーエールでした。
少しずつ飲ませてもらったので、5種類も焼酎を飲んだことになります。そういう体験がちょっと嬉しい。お気に入りのお酒がないのですから仕方ないでしょう?
煎茶は屋久島産でとても美味しいお茶でした。
私たちは、本当に「生き方が違います」
あちこち行きたい私。ゆっくり楽しむのが好きな夫。
SANKARAの食事は、前菜を選んで、メイン料理を選んでコースを組み立てるやり方でした。雑に撮ったメニューで申し訳ありませんが、こういう感じです。
3日間で重なっているものもあり、少し変化があるものもありという献立ですが、前菜は8品から2品、メインは魚or肉or野菜にするかで9種類からの1品チョイス。
いろいろ食べてみたいと思う方が普通かと思うのですが。初日には夫婦でシェアしたので、私は前菜4種類。メイン2種類制覇。この調子なら、少なくとも前菜は全部食べられそう!と期待したのに。
なんと、夫のチョイスは前菜は毎回同じもの。
ちなみに「ソフトシェルのアヒージョ」「ホワイトアスパラ」で、どちらも本当に美味しい一品ではありました。
「どうして?違うのを食べてみないの?」とやや詰問調で尋ねたら「美味しいしこの味が気に入ったから。だいたいオレは一筋だってわかってるくせに」とニヤリ。それって夫婦関係のことが言いたいのでしょうか?一過性の料理の選択と夫婦関係を比べるなんて。ちょっとアホらしくて確認はしませんでしたけど(笑)
メインは、夫は同じ料理法の魚料理を2回(ただし、使用された魚が違ったので他ごとながら、喜びました)1回は豚肉をチョイス。
私は毎回料理を変えて、夫の分もちょっと味見をさせてもらったので、なんと5種類も味わえました。
こうして記録していくうちに、気づいたことを正直に書いておきましょう。
金婚式も過ぎたのに、今回の料理のチョイスのようなことは限りないほどあって、最初は訳がわからない。それから左脳ベースの捉え方と右脳ベースの捉え方が生む違いかなと気づき、当然「十人十色」と言われる前頭葉の差だから受け入れざるを得ないと思うようになりました。
それでも「なぜ?」は繰り返されているのですが。
今回の屋久島でのこの体験は、振り返ってみると全く何の問題もないことに改めて気づきました。
それぞれが気持ちよく満足できていればいいのですよね。不思議なことにそう思えると、夫の選択方法をとても自然に受け入れている自分に気づきました。
この気持ちがずっと続くことは、私だけででなく夫の幸せ感にも直結しそう。
屋久島の旅は良い記念旅行になりました。
SANKARAをプレゼントしてくれた息子に感謝です。ありがとう。
by 高槻絹子