脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

7月の右脳訓練ー屋久島の旅にプラス

2023年07月16日 | 私の右脳ライフ
今回の屋久島の旅は、JALのマイレージを特典航空券に替えて出かけました。
「どこかにマイル」という、行先は4か所の候補地からどこになるかわからないという「往復7,000マイルで、行き先はおまかせ!偶然が生み出す発見の旅へ」というシステムに乗ったことはお話ししましたが、東京⇔鹿児島と鹿児島⇔屋久島は、全然別の交換ですから乗り継ぎを考慮してくれてはいません。それどころか往復とも大幅な時間のロスがありました。

往便。鹿児島には11:50着ですが、屋久島への便は17:50発。ちょうど6時間!
復便。鹿児島には10:35着ですが、東京への便は19:05発。なんと9時間近くもあります!
旅のプランナーとしては、この時間をどう使うか知恵を絞らなければいけません。私の前頭葉が喜ぶ作業です。
ただ難問が立ちはだかるのです。昔一人で出張していたときには、早めに移動しておいてレンタカーを借りてあちらこちら回ったものですが、夫は何しろ時間に余裕がないと嫌がるタイプですから、実質的な時間が極端に減ってしまうのです。「出発時刻の1時間前には、空港に着いておかないと。時刻表通りという保証はないんだから。とにかく飛行機に乗れないということは大変なことだから」という声が聞こえます。「最近はネットで予約しておけば保安検査場が20分前、搭乗口が10分前」と何度教えてあげたかわかりません(笑)
海外出張が多かったせいというのは表向きの理由で、後、1時間とか30分とかという感覚がつかめないみたいです。左脳的に30分は10分の3倍とか、1時間の1/2とかは当然わかるのです。その時間がどのくらいの長さなのか、その時間があればどのくらいの距離を歩けるかとか、何ができるかということが実感としてはわからないということすが、普通はわかる人の方が多いのでなかなか理解に苦しみました。いずれにしても「早め。早め」の行動を強要されます。
その二人の時間感覚の差を埋めながら計画を立てることにしなくてはいけません。とうぜん私が折れるのですけどね。

まず、鹿児島空港にお昼について夕方5時までに戻る。霧島神宮にだって十分行けるのですが、この日は雨だったこともあるし、私は霧島には行ったことがありますから、もっと近いところで…と探しているうちに「妙見温泉」を見つけました。
「あ、ここは思いのある方がご自分の思いのままに、昔懐かしい風情の宿を作った温泉のような気がする。たしか鶏を放し飼いにしてあるはず」少し検索したらすぐヒット。

「妙見温泉忘れの宿 雅叙園」バス路線もあるのですが、いかにせん便数が少ない。こういう時はタクシーを使ってもいいでしょう。
昼食付日帰り温泉プランを申し込みました。タクシーの手配もしてくださって、到着口に名札を掲げた運転手さんが待っていてくださいました。
一路、忘れの里 雅叙園に。といっても15分くらい。信号は空港の角に一か所あるだけですから渋滞などは考える必要はない(空港に戻る時間を決めるときに、この情報は必要になります)。

早速、かやぶき屋根の田舎家を再現しているお座敷に通されてランチです。雨が降り続いていたために水量が多く迫力がある天降川が窓の外を流れています。

地元霧島茶とよもぎ芋あん入りのそば団子が運ばれます。

野菜料理中心のお膳でした。

食事の後、床の間を拝見に行ったら、なんと吉幾三書。やさし味のある魅力的な字でした。細字は「なみだにはいくつものおもいでがある こころにもいくつかのきずもある」
大きなホウズキに季節感が表現されていました。

お座敷のしつらえだけでなくお風呂までの建物も楽しみました。




忘れの里 雅叙園のシンボル、放飼いの鶏。

さあ!お目当ての温泉。お宿の当主が自作されたという巨石を穿ったお風呂。もちろんかけ流し。埴輪やお花にも心配りがありますね。クロコスミアは駆除しなくてはいけないといわれますが園内にそこここに控えめな存在感を醸し出していました。あまりにもしっくりとした風情…

お湯の後は、カフェでゆっくりさせていただきました。土壁って素敵ですね。

私一人だったら、空港に帰るまでの時間がゆっくりあるので、ここでいくつか探検するのにな~たとえば竜馬とお龍が新婚旅行に行った温泉もこの近くのはず…
でも道連れの意見を通してあげたら、空港に出発時刻の1時間半も前に到着しました。

復路。
珍しく「レンタカーで指宿に行くのもいいね」というつぶやきがあったので、その方向で検討を始めました。北から空港―鹿児島中央駅ー指宿という並びですから、ゆとりある時間を組み立てるのはなかなか大変でした。
レンタカーはやめて、JR九州の特急「指宿のたまて箱」に乗ることにしました。

水戸岡鋭治さんのデザイン。同じ水戸岡さんデザインの「ななつ星in九州」は私の感覚からすると高すぎるような気がしますがいつも完売とか。きっと客車の魅力も寄与しているはずです。小布施では水戸岡さん設計のお店に行ったこともありますし、富山市内の電車も水戸岡さんのデザインでした。
帰りは指宿から鹿児島空港直通の空港バスがあって、なんと東京行き出発時間の1時間半も到着ですから、これなら文句(というか心配)はないでしょう。
問題は、鹿児島空港から鹿児島中央駅への連絡バスが11:00発の便しかない。予定では乗り継ぎに25分あるので大丈夫だろうと高をくくっていたら、出発時刻が遅れてしまった…夫の大嫌いな「走りこむ」という事態に陥ってしまいましたがどうやら間に合って、鹿児島中央駅へ。だんだん駅が近くなります。ただしここも乗り換え時間が6分しかない!切符は予約済みですが発券しなくてはいけないのです。席がうしろの方だったので皆さんが降りるのに従っていたら時間が無くなるかもと、私だけ一番前の席に移動。「指宿のたまて箱に乗るので、時間があまりないので失礼します」とあいさつをしたら、お隣の方が親切で駅への生き方を教えてくださったので、事なきを得ましたが、結構難しかった。
「みどりの窓口で」といった夫はやや不機嫌な顔で遅れて到着。一般的にはこの程度では綱渡りとは言わないと思いますが、夫にとってはこんな綱渡りの旅は最も遺棄すべきものですから、詳しく説明はせずに、実は私の胸一つでうまくいきますようにと祈ってました。二人でホームに降りて「指宿のたまて箱」を待ちます。なんだか笑えるデザインで、浦島太郎伝説に従って、半分は黒、半分は白の顔をしているのですよ。
車内はレトロ感いっぱい。



約1時間の旅ですから、錦江湾もみなくては、車内限定販売のプリンも食べなくては、という状態で、あわただしかった鹿児島空港も鹿児島中央駅も忘れることができました。
指宿駅からはタクシーで5分でお目当ての指宿白水館です。ここも日帰り温泉とランチと薩摩伝承館見学が含まれたプランをチョイスしておきました。
白水館は海辺の松原を前にした立派な旅館でした。
本館の前に池に囲まれた新しい建物が出迎えてくれますが、それが薩摩伝承館。

池の中に回廊が出現します。

その先には、カフェとお土産コーナー

薩摩伝承館は指宿白水館によると「ミシュラングリーンガイド一つ星獲得。 指宿白水館の創業60周年を記念して創設者の下竹原弘志と下竹原和尚が、 親子二代、60年にわたって収集した約3000点のコレクションの中から厳選された作品300点程を公開する施設 」です。予想を超える見事な作品群に圧倒されました。写真もたくさん撮りましたがとても伝えきれません。





HPを張っておきましたから、どうぞコレクションから作品写真を見てください。薩摩焼の素晴らしい作品が堪能できますから。

薩摩伝承館内のイタリアンレストラン「フェニーチェ」でのランチです。お味はもちろんレストランのたたずまいも満点でした。

そして15時から温泉に入れます。指宿駅前からの空港バスは15:45発。15:00から15:30まで温泉を楽しんで、タクシーを呼んでもらっておいて飛び乗る。じゅうぶん温泉を楽しめると思ったのですが、夫はパス。バタバタするのは嫌いなんですって。
私は15:00に最初の客として入りましたから、一枚だけ写真を撮りました。30分あれば、温泉は楽しめるというのが私のポリシー。ゆったりした気分でないと温泉には入りたくないというのが夫のポリシー。
白水館名物の元禄風呂



フロントからの長い廊下の壁画。

「早く。早く」といわれた結果は指宿駅前で長々と待つことになってしまいました。もちろん私はめげず写真を撮って遊びましたけど。

ここでも指宿のたまて箱仕様のポスト発見しましたが何か違和感が。うーん!電車と、白黒が逆です。
「何か意味があるのかなあ?」という疑問から「あ、指宿のたまて箱の下り方向先頭車両の顔しか見なかった。上り方向の顔は白黒が逆だったかもしれない」という気付きまで、まったく脳は機嫌よく働いてくれるものです。

指宿は龍宮伝説発祥の地と言われています。

空港には夫の希望に沿って予定通り1時間半も前につきました。
でも事前チェックのおかげで、私は空港の足湯「おやっとさあ」でふたたびの温泉気分。すれ違った方が足湯前の西郷さんの銅像に「おや、せごどん」ですって。こんなことも旅の面白みですよね。
指宿のショートトリップは、多少の無理はありましたが変化にとんだ期待以上の体験でした。妙見温泉忘れの里 雅叙園訪問とともに、一見無駄に思える乗り換え時間があったからこそ、その時間を有効活用して楽しんだ二人旅でした。「こんな、偶然が生み出す発見の旅を楽しみました」とJALの企画担当の方に報告して、一緒に喜びたい気分です。
by 高槻絹子




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