雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

人間・心・集団3 森繁久弥さんの「人間は、芸+人」

2010年03月19日 04時30分42秒 | 人間・生命・宇宙
人間・心・集団3 森繁久弥さんの「人間は、芸+人」

 今年、森繁久弥さんが亡くなったあと、NHKラジオで深夜に、追悼放送があり、以前の森繁さんの録音が流れていました。

 その中で、森繁さんが「以前は、芸人というのは、芸のある人だと思っていたが、いまは、芸人というのは、芸+人だ、芸も、人もどっちもだいじだと思う」という意味のことを語っていたのが印象的でした。

 芸というのは、能力のことだと思います。
 それに対して「人」というのは、人間のなかで、ふつう「人格」とか「魂」とかいわれるもので、これが一人ひとりの人間の中心、司令塔なのだと思います。

 私のイメージでは、1人の人間の中心には「魂」「人格」とか呼ばれるものがあり、その周囲に、周りの人間や自然とコミュニケーションする「能力」が発達していきます。
 それを「労働力」「労働能力」と呼んでもいいでしょうね。

 「芸」という「能力」が発達しても、それは必ずしも「人格」「魂」の発達とはならず、その変質や後退になる場合もある、ということを森繁久弥さんは言っているのだと思いました。

 自分の能力が発達したことを、自分の「人格」「魂」そのものが発達して,他人より上に立ったように誤解してしまう人もいるのではないでしょうか。
 
 (未完、詳述します)



本と映像の森17 高畑勲『「ホルス」の映像表現』

2010年03月19日 04時01分04秒 | 本と映像の森
本と映像の森17 高畑勲解説『「ホルス」の映像表現』アニメージュ文庫、徳間書店、1983年10月31日初刷、定価379円+税=390円、212ページ

 宮崎駿さんと高畑勲さんのコンビの始まりの一つが、1968年(昭和43年)公開の東映アニメ「太陽の王子・ホルスの大冒険」で、高畑勲さんの長編演出の第1作です。
 このアニメに、宮崎さんもスタッフの1人として参加します。

 高畑さんの解説は、アニメの映像を追いながら、冒頭の少年ホルスと銀色狼の格闘しーんから始まります。

 ホルスは父親と住んでいた「村」を悪魔グルンワルドによって崩壊させられ、そこから逃げだした孤児です。

 「太陽の王子」という表現は、エジプト神話の太陽神の息子で鷹の神・ホルスの名前からきています。
 エジプト神話は、このアニメのストーリーとは関係なのですが、まあ少年ホルスの能力から言っても、悪魔と真っ向から対決する資格と決意のある人間ホルスを「太陽の王子」として表現したのか、と思います。

 ホルスと対照的な主人公が、ホルスとともに別の村に入り込む少女ヒルダと、その村の少年ポトムでしょう。
 ヒルダは実は人間の娘ですが、悪魔の妹と思い込まされています。
 テーマは「村を守るのか」です。あるいは「村は守るに値するか」です。
 
 ホルスもヒルダも、脳天気な「正義の味方」ではなく、悩める主人公なので、ぼくも感情移入ができます。

 ホルスは、ヒルダの策動もあって村から追放されて、さまよいます。
 ヒルダは「兄」の命令で、ホルスと村を2つに裂きますが、自分自身が2つに裂けていく少女です。


 そういうストーリーの内容とともに、アニメ撮影の技術が微細に語られて、すごくおもしろい本です。
 
 20年以上前の本なので、いま新刊で出ているかは不明です。

 アニメ映画は、DVDで買うなり、借りるなりできると思います。