雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 115 森浩一さん著『倭人伝を読みなおす』ちくま新書859、筑摩書房、2010年

2010年12月23日 22時23分11秒 | 本と映像の森
本と映像の森 115 森浩一さん著『倭人伝を読みなおす』ちくま新書859、筑摩書房、2010年8月10日第1刷、217ページ、定価740円+消費税

 前回「本と映像の森 114」で「倭国伝 中国正史に描かれた日本」を紹介したので、ここで「魏志倭人伝」の解説として、考古学者森浩一さんの細心の著書を紹介します。

 もともと「西日本新聞」に連載された記事をまとめたもので、第1回は「まき向遺跡は卑弥呼の宮殿と決まったのか」という挑戦的なタイトルです。
 
 森さんは、奈良県のまきむく付近で宮殿と見なされる建物が発掘されたら、それはまず『古事記』『日本書紀』に「まきむく」にあったと書かれている崇神天皇・垂仁天皇・景行天皇の宮がまず頭に浮かばなければならないと、まったく当然のことを書いています。
 私もそう思います。
 そして、そういうまきむく付近の発掘をなんでも卑弥呼に結びつける現象を「異常」と批判しています。
 私もそう思います。
 
 以下、倭人伝の描写に即して、意外な面を指摘していきます。

 なぜ倭人伝で倭国伝ではないのか。
 それぞれの国の特徴と意味。
 派遣された張政の役割などなど…。

 必読文献であると思います。