自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

マリーシア vs ガイジン

2010-01-10 | 体験>知識

8,9歳ごろの記憶から文化の違いについて一言述べたい。
住まいは新築の木造一戸建てにかわっていた。
風呂場は母屋の外にあった。壁をへだてて同じ屋根の下に巻き上げ式の井戸と洗い場があった。
そこでのやりとりを今でも鮮明に覚えている。
雇い人が母に願い出て、うちのコーヒー園の大きな倒木の空洞を切り開いて蜜房を採って来た。
かれは蜜房を二つに分けて、蜜色に輝く半分を母に渡した。
ハチミツは元の花の種類によって色も味もちがう。
彼が取った黒色のほうがおいしいことをわたしは知っていた。
かれの行為は約束違反だろうか?
いいや、かれは約束どおり半分を雇い主に渡した。
かれは非難されるだろうか。
日本ではずるがしこいと言われてきらわれる。
ブラジルではずるがしこさmaliciaはほめられる。
マリーシアは生存競争が厳しい大陸文化の一側面であろう。

他方当時ブラジルの日本人は自分たちが後れて移住して来たにもかかわらず先住者を外人とよんでいた。
これは海によって護られた島国文化の発露だろう。
ちなみにガイジンは日本のサッカーを評して「マリーシアが足らない」と言う。
これには十人おれば十色の見解があるだろう。
わたしの見解はこうだ。
ルールからはみでていなければ、もっと自己主張すべきだ、論理的に。筋の通った自己主張が決定的にたらない。