高校時代、必須だった物理が一番の苦手科目だった。
だから今回のテーマは身の丈に合わない。
エネルギー保存の法則により原子炉から出た放射性物質は永く始末に終えない。
空中に拡散させるか海洋に排出するか、地下に貯蔵するしかない。
どの処理法をとっても地球は汚染され続ける。
ウラン鉱を掘り出して悪魔のエネルギーを手に入れた時から人類はこのジレンマにみずからの運命を託すことになった。
質、量の程度の差はあるが、原発所有国は、ヴェントとドレイン(流し出し)を行って
来たし、今後も行う。
ソ連は日本海に排出し続けた。
西ドイツは、25年前のウクライナ・チェルノブイリ事故のどさくさにまぎれて溜ま
っていた放射性物質を放出した。
今後日本は放射性廃棄物の処理をどうするのか?
下北半島の六ケ処村に埋め続けるのか?
そこが天災か戦争で破壊されたら東日本と太平洋と沿岸諸国は大変なことになる。
この問題は1970年代東海村原研に親友Mを訪ねたとき気がつくべきだった。
所内の道路沿いに核廃棄物入りのドラム缶がずらっと無造作に並べられていた。
「目は見ることができない、ものを見るのは精神である」
という、ドイツ哲学をまたしても噛み締めている。
マスメディアが排除して来た学者、研究者とジャーナリストの名をあげて読者の的確な判断に資するよう心がけてきた。
今回は、マスメディア、政党の枠からはみ出して真相を探求する反省グループを紹介する。
知識音痴のわたしより読者の方がよく知っていると思う上杉隆記者が代表を務めるグループ「自由報道協会」である。
海外メディアがどう報道しているか、放射線汚染濃度に関する世界基準が日本の基準より1ランク厳しいことをを知ることができる。
日本は海洋汚染犯罪国家として賠償を求められる状況に近づきつつある、という予想が外れることを願う。
日本は国難のたびに、井の中の蛙、を思い知らされる。
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