自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

ブラジル映画 『けがれた心』/勝組負組の悲劇/タイムトラヴェルで往ったり来たり

2012-09-07 | 歴史認識

ブラジル人監督が日本の俳優を使って勝ち組による最初のテロの映画を撮った。
銃弾に斃れたのはバストス産業組合専務溝部幾太だった。
題名 けがれた心
監督 V.アモリン
出演 伊原剛志 常盤貴子 余貴美子 奥田暎二 E.モスコヴィス
昨日梅田まで観に行った。
わが父母も台風にたとえるなら渦中の周辺部に居た事件なので映像化されると
リアリティを全身で感じ涙が止まらなかった。
1946年のテロ事件だが、取材を受けた多くの日系人が語ったように「映画化は
ガイジンにしかできない」ほどに、事件の根は深い。
その根は今日の日本人にとっても同根である。
われわれは、天皇崇拝と日の丸崇拝を何らかの感情抜きに平気で語れるか?
そのアンチテーゼである君が代反対、日の丸反対を自由に言論できるか?
信念の違いはいかんともしがたい。
一方の信念を強制する政治はあらたな悲劇を生む、と映画を観終わって思った。

追記。
2013/5/21~ 朝日新聞大阪版夕刊「祖国をたどって」より
平山記者が脇山甚作元陸軍大佐を射殺した日高徳一実行犯(87)を訪ねる。
仲間3人と日系指導者の筆頭脇山氏の自宅を訪ねた。
幼い孫(13歳と9歳)が玄関を開け客間に通される。
対座し自決勧告書と短刀を差し出し自決を迫り拒否される。
台所からにコーヒーを用意するカチャカチャという音がきこえた。

最近奥原監督により彼に対するインタヴューと事件の背景が映像化されYOU
チューブで公開された。
http://www.youtube. com/watch?v=QDf_egB3MG4