自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

中学入学/読書の効用

2013-03-18 | 体験>知識

中学校は体育館と運動場で小学校とつながっていたので小学校の卒業式が行われたのと同じ場所で入学式が行われた。
筑後川沿いの大橋小学校から卒業生が合流したので講堂が狭く感じられた。
3クラス編成になった。
小学校では一人の担任がほぼ全教科を受け持っていたので多様な個性と出会うことがなかったが中学校では教科ごとに先生が変わったので教員数だけ思い出が多い。
勉強の仕方もこのころ教わった。
だれからともなく復習より予習が大事だと教わり、一学期に主要教科の教科書を読了した。
国語の女先生は教え方は普通だったがしばしば教科に関連する読書と著者に言及してくれた。
いまはどうか知らないが当時の教科書は有名作家のオンパレードだったような気がする。
そして章末に作家の代表作名が載っていた。
生来の読書の虫が騒がないはずがない。
そのときから大学を卒業するまでに当時目にしたり耳にしたりした教養本を相当多く読んだ。
本は知識と喜びだけでなく誰にも負けないという自信を与えてくれた。
想像してみてください。
中3か高一で、大長編トルストイの「戦争と平和」、ホメーロスの「イリヤス」、ボッカッチョの「デカメロン」を読了していたことを。
単に本に飢えていてTVもなくほかにすることがなかったから、とも言える。
そのころ父に「枕草子」を買って欲しいと言ったら「まだ早い」と一蹴された。
たしかに「枕草紙」は未成年には早かった。