自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

キャンプ/津屋崎海水浴場

2013-07-14 | 体験>知識

夏休みを利用して近所の年下の子達を連れて玄界灘に面する津屋崎海岸にキャンプに行った。
距離にして80km,国鉄と西鉄電車を利用して2,3時間、こども達だけでよくも
行ったな~と感心する。
大人に相談することもなく自分たちで新聞で調べて知らないキャンプ場を選んで手紙のやりとりで予約した、と思う。
我が家は電話を引いていなかった。
松林の中にキャンプ場があったがテントの中で泊まった記憶がない。
来る日も来る日も雨が降り、ずっと海の家で寝食をとった。
飯塚の大学水泳部が合宿していたので一緒にトランプ等の遊びに興じることができた。
彼らは常連客だったので宿の女将と親しく、そのお陰でわれわれ子供の一団も同様の接待にあずかることができた。
雨が止んでいる間は浜辺で遊んだ。
大学生にマテ貝の捕り方をならった。
潮が引いた浅瀬の表面をスコップですくうと小穴が現れる。
穴に塩を指でひとつかみ入れて指をそのままにして数秒待つと潮が吹き出て来る。
マテ貝がいる証拠だ。
マテ貝の上半身が一瞬飛び出る。
即引っ込むのでつまむタイミングが遅れると捕りそこなう。
引っ張り出すときの手応えは相当なもので潮が満ちて来るまで時間を忘れて夢中になる。  
捕ったマテ貝は女将に味噌汁か焼き貝にしてもらって合宿者一同で食べた。
大学生の中にははるか沖の岬か島まで遠泳する者もいた。
私が成人するまで年賀状をやりとりしたひともいた。
今考えると当時の大人は子供の冒険に寛容だった。
子供たちが雨に降り込まれて難儀していると親は心配したにちがいない。
電話がないのでずいぶん気をもんだことだろう。
自然も社会も家庭も子供の自立をサポートしていた。
有り難いことだ。