自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

受験番号666/2度目は吉か凶か

2014-10-17 | 体験>知識

出世路線から学生運動路線に乗り換える決心をすると受験にたいして投げやりになってしまった。
大学にいく目的が明確になった。
運動のため、もちろんスポーツではなく政治運動のため。
京大経済学部には願書を出したが東京と京都の私大には出さなかった。滑り止めのない受験となった。
そのつもりで多額の願書代と旅費を出した親が知ったらさぞ心配して悩んだにちがいない。
受験番号666を見た時いやな予感がした。
「またか!」
日本史の試験が終わったあとの休憩時間に構内の庭で予備校仲間2,3人と問題の回答をチェックしていたとき2浪中で既婚のTが青くなった。
試験用紙をめくり損ねて1枚まるまる見過ごしたことに気付いたのだ。
それでも合格したのだから驚きだ。
これも余談だがかれは70年安保闘争以降京大助手・滝田修のペンネームで広く知られるようになった。
合格発表は学部教室のベージュの外壁に白い巻紙を貼って番号だけでなされた。
666はあるのか。
なかったら・・・???
長い張り紙を右から左にたどっている間にかつて経験したことがない深刻な不安に襲われた。
「受験は灰色だ」
という言葉が自然に浮かんだ。
666はあった!
数人で河原町に出て興奮を冷ました。
誰と行ったか憶えていない。