新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「昭和の名人完結編 八代目林家正蔵」

2011-09-10 18:15:16 | 芸術鑑賞
先週火曜日に購入したのですが、バタバタしておりましてく聴くのが遅れてしまいました。

独特の語り口で林家正蔵は昔から気にはなっていました。昔の噺家を知りませんのでよくわかりませんが、林家正三という人は古風な噺家のイメージを持っています。古風な芸人でしょうか。

演目
①五人廻し
遊女に振られムカついている五人の客が、店の若い衆に文句をつける。職人、田舎者、武士、通人、の四人がそれぞれのキャラで文句をつけます。では五人目は誰かということですが。

②ぞろぞろ
お稲荷様の門前の茶屋に信心深い老夫婦が住んでいました。信心のおかげで、雨の日草鞋が全部売り切れてしまいます。次の客が買いに来るとまたぞろりと草鞋が天井から出てきます。それが評判を得て店も繁盛、さびれていたお稲荷様も繁盛します。その評判にあやかろうと髪結い床の主人が神社に願をかけますが。
正蔵最晩年の口演です。一生懸命な語りがちょっと辛いです。

③累草紙~親不知
円朝が創作した古累という怨霊話。
郷士に養子に出されていた若侍が実父に会うため江戸に向かいます。途中の宿で地唄を歌う若い娘に惚れて、嫁にしてしまいます。翌日宿の亭主に仲人を頼み初めて日の光の中でその娘を見ます。娘は子供のころ疱瘡にかかり酷い顔。江戸への途中の、親不知で娘を殺して海に捨てます。その段です。

なんといってもひどい話です。聞くに堪えません。昔の人は金を出してこんな噺を聞きに行っていたのでしょうか。
解説によりますと、長い噺で親子二代にわたる因縁、因果の話らしいです。説教話のように聴いていたのでしょうか。当然娘の怨霊が祟ることになりますが、その前にこんな無残な殺しの噺にしなくてもと思ってしまいます。
正蔵の生真面目な語りが、いっそう凄みを出しています。

コメント
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