新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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心配でほおっておけなかったご老人

2021-03-19 18:02:45 | 閑居閑語
今日の夕方、買い物を済ませ駅前まで戻ってきますと、バス停に自宅方面を通るバスが停車してます。慌てて走って乗り込みました。私を待っていてくれたようです。車内に聞こえるように礼を言って乗車口に近い座席に腰掛けました。
バスはロータリーを一回りしてロータリーの端で停車しました。
ここにはロータリーを横断する歩道があるので歩行者がいるのかと思ったら、運転手が外部スピーカーで何か大声で話しています。
『ここは停留所じゃないですよ。ここでは乗車できません』見ると乗降口のドアに老人の頭が見えます。通過するバスに乗ろうと、バスに近づいています。何度か運転手が話しても離れません。しかなく運転手は乗降口のドアを開けました。
よろよろステップを上がってきたのはかなりいい年の老人です。震える手で乗車券を取り入り口横に開いている座席に腰掛けました。
『停留所じゃないところではバスに乗れませんから!!』と運転手が何度も車内アナウンスをします。老人は、『うんうん』から返事のようなことをぶつぶつと。
車内は座席がほとんど埋まっていますが大部分は、私を含めて年配者ばかりです。あきれて皆さん無言でです。
最初のバス停をすぎたところでその老人、辺りを見回し外の景色を見ています。どうも多分次が降車の予定みたいです。
座席を見回して降車ボタンを探すも見つからず、立ち上がって私の座席に窓際のボタンを押しに来ました。走行中のバスの車内です、それでなくても危なっかしいのに、その老人は靴をずるずる引きずりながら歩いてきます。そんな歩き方をする老人がよくいますよね。動いているバスでは大変危険です。
老人はボタンを押すと私の前の座席に取っ手につかまって立っています。危なっかしいたらありません。そこでちょうど信号待ちでバスが停車しました。席に戻るかと思ったら立ったままです。
社内では皆さん老人を見ています。とうとう我慢できなくて大声を出しました。
『おじいさん危ないから席に戻って腰掛けたら』
彼『つぎで降りますから』とぼそぼそ言っています。
私『信号が変わって動きだしたら危ないから、座って!!』ときつく言いました。運転手さんもバックミラーで様子を見ているようで、バスは動きません。体を支えて移動させようかとも思いましたが、突然怒りだしてもまずいので座席を指さしました。やっと老人は座席に戻りました。それからバスは動き出しました。
次のバス停で老人はゆっくりずるずる歩き出して、降車口でお金を払おうとしたら小銭を撒いて近くに人に拾ってもらう騒ぎでした。
運転手が何か声をかけるかと思っていましたが、無言でした。
残された車内の人々の顔をあえて見ませんでしたが、いつかはいずれは我が身もという印象でしょう、たぶん。

関西の方で、バス停じゃないところでバスに乗せろと大騒ぎした男がいたと報道されてましたよね。
コメント
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