1~4集まで連番でリリースされているこのシリーズに何故か、ずっと触手が伸びなかった。
J・ゴードン(tp)、R・カミュカ(ts)というマイナーながら実力も味もある名手がフロントにいるにも拘わらず。
多分、4枚も・・・・・・という心理から来ているのかもしれませんが、家のリフォーム(2~3年前)で、レコードを聴けない環境の中、たまたま1集に、そして不思議なことに立て続けに4、2集の順に出会った。1と4集がMono、2集がStereo。リフォーム完了してから3枚同時に聴くことになった。
3集はまだ手に入れていなく、4枚揃ってからこの記事をupするつもりでしたが、DL-102を使い始め、気になるMono盤を聴き直している所。
率直に言えば、このシリーズはStereo盤の方が「音」が良い。頑ななMono盤信奉者、筋金入りコレクターを除き「Mono神話」は通用しないと思う。
Stereo盤とMono盤の違いは、Jazz Clubという空間、そしてLiveの雰囲気をどれだけ感じさせるか?
その点、Stereo盤は上手く出ている。
Mono盤は全体にややもっさりしているので、ボリュームを二割ほど上げ、エネルギー感で勝負するのがコツかな。
それと気になる点が、Stereo盤とMono盤のレコードの厚みが異なり、Stereo盤の方がずっしりしている。プレス工場、或いは時期が違う可能性があります。ラベルの造りも上等なので、今後、Stereoをメインに切り替えていく会社の方針だったかもしれない。
本作の録音は1959年9月、エンジニアはHoward Holzer。
で、内容はどうか?と言うと、もっと早く聴けば良かった、と後悔するほどです。
1集の'Summertime’、2集の'What‛s New’、4集の'Just Squeeze Me’がいいですね。中でも、マイルスでお馴染みのエリントン作'Just Squeeze Me’の思わせぶりなイントロなんかGoo!ルーズで「崩し」のセンスがシャレているし、漂う退廃的な香りに殺られる。カミュカ、ゴードン、共にいい仕事している。僅か3、4年前のマイルスの演奏が古めかしく感じ、コルトレーンがほんと「イモ・テナー」に聴こえる(笑)。
随所に好プレイを聴かせるゴードン、カミュカの音源は少なく限られているのでこのライヴ盤は大変、貴重です。また、マンのdsも良いし、統率力も優れている。
それに、フェルドマン(p)の存在も小さくない。スタジオ録音ではありえない「茶らしい」弾き方をする場面もありますが、ライヴならではの「色」を添えている。
個人的ベスト・トラックは4集のラテン・タッチで始まるザヴィア・クガートの定番'Nightingale’。躍動感あふれ豪放磊落なカミュカのts、完璧なリップ・コントロールと見事なフィンガリングで エキサイティングにtpを鳴らし切るゴードンのtp、クールさを包み隠しながらノリにノリまくるフェルドマンのp、呻りを上げるバドウィグのb、メンバーのソロをタイミング良くプッシュしながらコンパクトに炸裂するマンのソロ、もうジャズ・ライヴの醍醐味、ここにあり!ですね。誰だって?ノック・アウトされる。
3集はStereo盤を待ち、チャンスが有れば1、4集もいずれ買い替えようかな。
因みに、1,4は英世6枚弱、2は4枚弱でした。
出来栄え以上に「ジャズが一番幸せだった時代」の空気を脚色、編集することなくダイレクトに記録したこのシリーズは、4枚揃えて本当の魅力が成り立つと誘惑してくる。
今日は寒いですね。こちらは雪交じりの雨が降っています。
Vol.3は未だ手に入っていません(涙)。なかなか見当たらないので、シリーズの中で一番人気があるのでは?と思っていましたが、やはりWHISPER NOTが入っているんですね。好きな曲なので何としても聴かなくては。ここ2年ほど自粛により円盤屋巡りをしていなく、うずうずしていますが、もう少し我慢がいるようです。
ところで、年金ツバメさんのコメントで久し振りにこの記事を開いて大きな誤りに気が付きました。英世と諭吉を取り違えており、修正しました。勘違いも甚だしいですね。
年金ツバメさん、ダブル感謝です。また、お立ち寄りください。
自分はレコードをNETではなく現物を見ながら購入するアナログ・タイプなので、当地でも廃盤屋の数が減り淋しいです。でも、レコード、及びレコード再生に限界はなく、ずっと関わっていきたいと思います。
タンノイからJBLへ、年金ツバメさんも同じようにJAZZをこれからもずっと探求していこうとする姿勢の表れと感じました。
今はALTECですが、以前、JBLも聴いていましたけれど住宅事情で手放し後悔してます。大事にしてください。
更新中断中の弊Bluespiritsまでご覧いただきありがとうございます。
周りに良い師匠さんがいらしてJAZZ、オーディオ談議が楽しいですね。
Vol.3のお気持ち、ありがとうございます。当方もアナログ人間(笑)ですので、眼と足、時間をかけて追いかけようと思います。