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勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

YOU'RE MY EVERYTHING / RELAXIN' & HUBーTONES

2020-03-14 | Legacy of Freddie Hubbard

 

ピィ~ッと口笛が走り「ブロック・コード」とマイルスの指示が飛ぶ。「待ってましたぜ、ボス」と言わんばかりにシングル・トーンから切り替えるガーランド、絶妙なタイミングでミュートが囁く。もう、ゾクゾクしますね。マイクの使い方がホント上手く、専売特許、独壇場です。2曲目の”You're My Everything”の話。

2000年頃発売のXRCD盤、値段は3,885円とかなりお高いがその分?、音もいいです。

マイルスの高名なマラソン・セッション四部作は全曲、ワン・テイクと言われ、ヤケに称賛されているけれど、そのワケがI・ギトラーのライナーノーツに書かれており「なるほど」と。それでもバンド全体のレベルが極みに達していた事に違いはありません。

TOPの”If I Were A Bell”に比べると地味ですが、”You're My Everything”の方が他の追従を許さぬミュートの世界は深いと思う。コルトレーンへの味のある受け渡し部分なんかクラブのステージで好評だったやり方を踏襲しているのだろう。スタジオだからといってスタイルを妙に変えなかった所がこのセッションを成功に導いている。”You're My Everything”のイントロは元々2Wayだったのか、スタジオの雰囲気に即応するマイルスの判断力って凄いですね。

右はハバードのBN5作目、”HUBーTONES”(1962.10.10)

RVGエディションの輸入CDで国内RVG盤と音の傾向が異なり全体にやや明るい音調です。好みはこちらです。

当時、若手の作品でスタンダードをTOPに置くのは珍しく、恐らく三ヶ月前のB・EVANSの”INTERPALY”に参加した経験で得た何かを直ぐ反映したのだろう、外連味の無いスタンダード解釈が素晴らしく、マイルスと正反対でオープンtpの醍醐味を堪能できる名演。ハンコック(p)との相性の良さも実感できます。

”THE NEW MAINSTREAM”(新主流派)という呼び方は公式?にはギトラーが”MILES SMILES”(1966年)の中で使ったとされるが、この”HUBーTONES”のライナー・ノーツの中でJOE GOLDBERGが既に表現している。時系列で聴けば1966年は明らかに遅すぎですね。ジャズ・マスコミは何でもマイルス絡みに仕勝ちですから(笑)ギトラーにとって傍迷惑だったのでは。

NYへ上京して名がそこそこ知れるようになった頃、ハバードのステージを聴いていたマイルスから「オレの真似をするな、自分のフレーズを吹け」とアドバイスを受け、ひたすら己のスタイルを追い求め、1974年DB誌の人気投票で常勝マイルスを抜いた事実は決して色褪せるものではない。

BN前4作と肌合いが異なる本作は、12年後を予感させるに充分な出来栄えで、密度が濃い。



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