ここ数年、あまり、と言うか、ほとんどCDを聴かなかった。そのせいか、このVRDS‐25Xの作動が不安定になり、もうかなりの老兵なので4344MKⅡを手放した際、もう処分しようか、と。
でも、ちょっと待て、ひょっとして治るかも、と修理の依頼を。返事は、「治るかもしれないし、ムリかもしれない」と。ダメもとで5,000円を内金に入れ、修理に。
昨日、修理完了で退院してきた。金額は、なんと、諭吉一枚でお釣りが。
修理明細をみると、レンズ・クリーニングと注油、出力基板補修程度でした。笑っちゃいました。要するに、可愛がってやらなかったせいですね。それと、キャノン(XLR)端子が、もともと、HOT(3番)とCOLD(2番)が逆になっていたので修正されていました。
さぁ、音出しを・・・・・・、その前にちょっと。
実は、このVRDS‐25Xを導入した際、SPはALTECのCrescendoでしたが、「オレはデジタルが嫌いなんだ!」とばかり拒絶反応を。それで、4344MKⅡのシステムを別に組まなければならないハメに。でも、もう、ALTECしかないんだから何とか合せるしかありません。
取敢えず、アット・ランダムにケーブルを繋ぎ、スイッチON。出てきた音は、「なんじゃ、これは!二日酔いでもしているのか!」と、後悔の念が・・・・・・・・・・
そこで、通電したまま、一晩、寝かし、再トライ。オヨョ~、二日酔いが解消されている(シメシメ)。
今度は電源ケーブルをチョイスし、コンセントをあれこれ差し替え、本番モードに。
最初にピック・アップした一曲は、‘PIKE'S PEAK / DAVE PIKE’から?Wild Is The Wind’
うぅ~ん、メタリックでありながら、ソウルフルでリリシズム溢れるパイクのvibがセンターやや上に浮かび上がったのだ。そして、音板をマレットで叩く音がしっかり捉えられ、ヴィブラートが部屋中、きれいに流れていくではありませんか。ヤッター!
次に、?THE BRIDGE / SONNY ROLLINS’から‘ Where Are You?’を。
ロリンズの「隠れ名演」にして、エンジニア、RAY HALLの名録音です。我が国ではRVGばかり取り上げられるけれど、自分はHALLのナチュラルで伸びのある、しかも、演奏者達の情感、息遣いまでも録り込むかの如き「音造り」が好きだなぁ~。
ここでもロリンズとホールのコミュニケーションが素晴らしい!!!
続いて‘LEAPIN' AND LOPIN' / SONNY CLARK’から‘Melody For C’(RVGエディション)
ドスの利いたラウズのtsはどうか?これは随分、「音」をいじっている。かなりタイトです。それに、クラークのpタッチが強いかな?でも、OKです。
で、‘Bill Evans at Town Hall’から?Who Can I Turn To’、
粒立ちの良い綺麗で品のあるpの音ですね。やはり普通のジャズ・クラブでの収録音とは違いますよ。
その他、ザザッと聴きましたが、不安を覆し、予測を遥かに超えるイイ音を聴かせてくれました。さすが?25Xですね。もう少し調整すれば・・・・・・・・・
あの時の「拒絶反応」は何だったのだろう?
多分、「音学的」と「音楽的」な聴き方の違いなのでしょう。それとも「耳」の退化か?
見事によみがえったようで、よかったですね。実は、僕はCDプレイヤーは壊れるものだと思っています。ソニーに修理に出して、一度治って戻ってきたものも、また壊れたので、そのままにしています。相性があるのかもしれません(笑)。
ソニー・ロリンズのアルバムの録音技師のRay Hallの録音はよさそうですね。自然なものだと、コンテンポラリーのロイ・デュナンが思い浮かびますが、Ray Hallの録音アルバムを探して聴いてみたいと思います。
メカ上の故障でなかったのが幸いしました。老いたとは言え、この25X、なかなかのものですね。今まで、ちょっとぞんざいに扱っていましたが、これからは可愛がります(笑)。
HALLはRCA Victor専属?のエンジニアで、JAZZ以外でも好録音を残しているようです。ロリンズでは‘NOW'S THE TIME’、‘STANDARD’を手掛け、よく知られているレコードでは、エヴァンスの‘WHAT'S NEW’(意外にもVERVE)があります。それと、ちょっと毛色が変わった所で、G・バートンの「葬送」があり、これが、素晴らしい!録音(内容も)ですので、機会が有りましたら是非。
デュナンのからっと明るさと比較するとややウエットなので、HALLを聴くコツとしては、普段の2~3割増しの音量がオススメです。まったく五月蠅くありません。