些か味気無いカヴァのせいか、それともメンバーから容易に推測できる演奏スタイル、内容なのか、巷での評価、人気はそれほど高くない。恐らくホーク、ベン、其々、単独で良い作品があり、エアポケット状態なのだろう。たまに覘く円盤屋のエサ箱にも安価で常時在庫(国内盤)としてよく見掛ける。
でも、この作品は「B面を聴く」と言うスタンスを取るとグッと価値が上がります。ピアノのイントロの後、サブトーンをたっぷりと染み込ませたベンのテナーが地を這う様に流れ、聴き慣れたメロディを歌い出すと、「あれ、”You’d Be So Nice ・・・・・”はペッパー一択(インストもの)のはずだが?」と怪訝に思う人は少なくないだろう。ピーターソンのブリッジ的なソロの後のベンのtsがまた、良いんだなぁ、ホント、「人誑し(ひとたらし)」ですね。このままでは「す〇こまし」になりかねない、と危惧した?(笑)ホークがマイクを取って換わる、と言った展開が目に浮かびます。
続く、”Prisoner Of Love”も良いし、3曲目”Tangerine”のバラード、二人のソロ、最高です。
日頃、モダンを中心に聴き、それ以前のスタイルのジャズをあまり注視していなく、ある時、あるジャズ・バーでこのアルバムが掛った時、タイトルが分からなかった。その時もA面ではなくB面だったので、知っている人は知っていますね。さすが二人の巨匠、この位、朝飯前の出来かもしれないが、時の審判に色褪せる事なく、未だに鮮度を保っている。
検事の耳で聴く類のジャズではなく、このB面をさり気なく、毎日流すジャズ喫茶、ジャズ・バーは自然と人が集まる気がする。
このアルバムは、愛聴盤です。コールマン・ホーキンスやベン・ウェブスターらスイングスタイルの演奏は、昨今、ジャズ喫茶では聴くことが珍しくなりました。このアルバムあたりだと、誰もが喜ぶと思うのですが、若い人はどうでしょうか。
お話のように、このアルバムのB面は素晴らしいです。僕の好みで、A面3曲目の「Rosita」も気に入っています。
azuminoさんもお好みでしたか。
録音が1957年なので、ハードパップも香りもそこそこ含んでおり古臭さをあまり感じさせないところがGooですね。
富士宮市の「フィガロ」、いい感じで本作が合いそうです。もう少し近ければなぁ、と思う次第です。