「シェアハウスの恋人」というTVドラマが続いている。
TVドラマの題名は、新聞の番組表で何度か見ると、それで覚えた気になっている。
あの手の表になっている記事は、放送があることだけを見ればよいので、記憶の中身は正確ではない。
「シェアハウスの恋人たち」だったような気がしていたが、そうではなく「シェアハウスの恋人」だった。
「白い恋人たち」という半世紀前の映画の題名が頭のどこかにこびりついていて、うしろに「たち」をつけていたのだろう。
「シェアハウスの恋人たち」を、わざと1字間違えてみると、ぴったりの題名が出来上がる。
それが「シェアハウスの変人」では収まりが悪い。
たった2文字の「たち」の効果は大きい。
「たち」は人が3人以上集まるから成立するので、2人だけの場合「友だち」とは呼んでも「恋人たち」とは呼ばない。
「たち」が住むところを、シェアハウスと呼ぶのをこのドラマで知った。
シェアハウスにもいろいろな型がある。
無届けで生活保護受給者を住まわせているところも、シェアハウスなのだろうか。
ベニヤ板で仕切られた、それぞれが3畳ほどの大きさの部屋で、入り口にドアはなくカーテンが下がっている。
住んでいるのは人たちだけでなく、南京虫も同居している。
福祉事務所の人は「快適な施設ではないが、劣悪かどうかは入居者のとらえ方次第で、本人が契約しているのだから仕方がなかった」と、その環境を維持している理由を取材者に説明してくれたという。
はて、このシェアハウス、変人たちとは誰のことなのだろうか。
やむを得ず住む人か、施設の提供者か、施設の管理者か、その環境をだまって保全させておく人たちなのか、さて。