・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

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稽古自慢はツラ自慢

2013年03月20日 | つぶやきの壺焼

「じまん焼き」という名の焼き菓子がある。
その名が知られてくると「じまん焼き風パン」というのも現れる。

世は自慢の時代、しゃれて言えばアピールの時代、と思う人が増え、自慢という行為を苦々しく思う人はだんだん減ってきている。
だがこれは、たぶんそうだろうと思っているだけで、データも確証もない。

出来もしないことの自慢や、うわツラだけのべた褒めは、鼻持ちならないと思っていても、地球の裏側からやってきて住み着いてしまった習癖には、さしあたりかなわないものと思っておくほかに打つ手はない。

ひそかに積み重ねて腕や技を磨くものとされていた稽古も、「お」の字がつくと見せるもの、宣伝するものから、それを売りものに、果てはそれしか売らないお商売も出てくる。
落語に「稽古屋」というのもあるから、今に始まったことではないのかもしれない。
揶揄の対象である落語のねたを、皮肉と見ずに血肉と見るあたりが、稽古を商品にしてしまう根性と、どこかつながりがありそうにも思う。

うわツラだけのこととわかっている稽古の宣伝が、なぜ幅を利かせるようになったのか。TVという自分では何もしないための道具の持ち主たちと、ひとに何かをさせるだけのことを仕事にする人たちの息が合ったからだろう。

今日もまた、合わせる息の外し合いを何度も見せられて、稽古稽古の空しい声を聞かされるのか。
見なければよいのに見ずにいられなくするあの四角い板は、どういう引力をもっているのだろう。

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