Got a 0ne way ticket to the blues.
で終わる「恋の片道切符」という歌がむかしあった。
恋や旅は片道切符もよいかもしれない。
しかし、世界の原発技術は、片道切符で失敗している。
作るだけつくっても、必ず訪れる寿命終期の処理技術に、十分な手を伸ばさずにずるずるとこれまで来てしまった。
廃炉という帰りの道筋をはっきりさせずに、片道切符で走り続けてしまったのだ。
廃炉のためには、それ相当の技術開発が必要である。
なぜ、このだいじな技術開発に力が入らなかったのか。
廃炉工程には電気料金収入がついてこない。
使用済みの燃料には、まだ加工の余地があっても、使用済みの原子炉はスクラップにもならない。
ただ手がかかるだけの厄介ものなのである。厄介ものが続々出てきたらどうするか。地中に埋めるなどと言っても原子炉の墓地が増え続けるだけではどうにもならなくなることがわからないはずはなかった。
それでも知らぬ顔の半兵衛をを決め込んでいた原子科学者、技術者たちは、片道切符をだいじに持っていれば、いつか往復優待券にでも変わって、次世代の人たちに引き継ぐことができるとでも思い込むことにしていたのだろうか。