・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

茶の香り

2013年03月19日 | つぶやきの壺焼

「ただ茶をたてて飲む」
利休の名言を、「飲みゃぁいいんだ」と読む人、「何を言いたかったのか」と考える人、当然ながらさまざまだが、たまには考えるほうに回ってみよう。

たてるところを見せ、飲むことを習う、身だしなみという名のお茶のお稽古で覚えたことも、たしなみということが頭から去れば、それと一緒にさっさと忘れてしまう。

茶道を茶の飲み方、香道を香りのかぎ方、プラス作法などと思って、はい覚えました、卒業ですと、すいすい頭に入れた人ほど、忘れるのも早かろう。

たてるところを見せているうち、たてるところが見えているうちは、互いに「道」とは程遠いところにいるのだと思う。
見せよう、見逃すまい、そこにはわざとらしさが付きまとう。

わざとらしさが消えてはじめて作法にかなうのであり、そこには稽古などという言葉もなくなっている。

ただ飲んで、香にひたる。
ことさらに茶碗をぐるぐる回してみたり、いやらしい音を立ててみたり、手をめまぐるしく動かしてみたり、そういう余計なことは一切ない。
していても見えない、誰も気づかない、そこでこそ最高の茶が飲め、香が楽しめる。
いや、最高かどうか、そんなことは、その場の端っこのことでしかないだろう。

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