批判は受けるのは気分のよいことではありません。
気分のよくないことは起きないようにと、心配りされます。
どんなことにも批判されないようにと、それだけに気をつけていれば、すべて物事がおだやかに運ばれているように見えます。
他から批判を受けなければ、自分自身にも批判の心はもてないでしょう。
それで何も変わることなく過ごせるかどうかとなれば、これはあやしくなってきます。
人間には、敵対という、あるときには厄介な、あるときにはそれが励みにもなる、心と心の関係が生まれます。
批判は勝ち負けとは無関係の言動ですが、敵対は結果に勝ち負けを求める心情から行動まで広範にわたるもので、両者の次元は異なります。
敵対が組織に向けられずに個人に向けられたときは、まことに醜い様相を呈します。
国という大組織が、敵対を超えさらに征服の的とされているとき、国内に統率者個人への敵対意識だけをむき出しにして他には何も考えないケチな組織が数多くあるならば、批判を恐れずにそれらを潰していかなければ、半世紀の後にその国は征服者の餌食になることは間違いないでしょう。