パラグライダー、ハンググライダー。
見た目は違う翼ですが、それぞれが同じような場所で飛んでいます。
パラグライダーが出来てから、既に40年ほどがたってしまいました。
このパラグライダーが出来た当時、実は、ハンググライダー愛好家の一部が、パラグライダーを毛嫌いする動きがあった
んです。
これに付随して、パラグライダー愛好家の一部の方たちも、同じようにハンググライダーを毛嫌いする動きがありまし
た。
…。
しかし、この良からぬ雰囲気の中、そんな動きを打開してしまう素晴らしい「考え方」が生まれ、現在のようにパラグラ
イダー、ハンググライダーが共存し、お互いを尊重する考え方に落ち着いたのです。
その考え方って何なのか?
今夜はそんなお話です。
私は箱根でハンググライダーを40年近く前に始めました。
その当時、同じエリアでハンググライダーとは違う翼が持ち込まれるようになりました。
出来たばかりのパラグライダーです。
当時のパラグライダーは、長方形の矩形翼で、エアインテークも大きく開き、スカイダイビング用のパラシュートと、そ
れほど違わぬものでした。
滑空比も3対1ほど…。
山の傾斜に沿って飛ぶのがやっと…。という代物でした。
そんな、出来たばかりのパラグライダーを、正直言いますと、一部のハングフライヤーが馬鹿にする言動を言っていたの
です。
そんなもんだから、パラグライダーを始めたばかりの人たちも、ハングフライヤーに敵対心を自然と持つようになりまし
た。
正直「困ったもんだな~。もっと広い目をもって考えてみれば、どうでもいいことのはずなのに…。」
当時、私はそう考えていました。
しかし、こんな間違えた考え方は、当然、直ぐに消えていくことになりました。
その出来事とは、有名なハングフライヤーが、そして、同じく有名なパラフライヤーが、お互いをリスペクトするように
なったのです。
考えてみれば、コレ、当然のこと!
本当に向上心を持つものであれば、翼の違いなんてどうでも良いこと。
パラグライダー、ハンググライダー。
同じような場所から飛び立ち、同じような場所に降り、同じような風の中を飛ぶものです。
ならば、それぞれの持ち合わせている風の知識や飛行技術などが、翼の違いを越えて共有できると考えたのです。
結果的にこの考え方は大正解!
お互いの翼の違いを越えて、知識や技術が共有できるようになったのです!
この考え方のもと、パラグライダー、ハンググライダーそれぞれのトップフライヤーが、翼の違いを越えて、学び合い、
そして、リスペクトするようになっていきました。
その業界を引っ張るトップフライヤーたちが、このようにお互いをリスペクトするようになってしまうと、もはや、それ
に続く人たちも、その動きに習うことに、自然となってしまいます。
例えば、パラグライダーはその飛行速度がハンググライダーに比べゆっくりなため、風に対して誤魔化しが効きません。
よく風を読み、飛行コースを考えることがより重要になります。
これが飛行速度の速いハンググライダーだと、スピードで強引に乗り切ろうとしたりと、正直、「下手な飛び方」をしが
ちなんです。
こんな悪い乗り方も、パラグライダーの方の乗り方を学べば、よりハンググライダーでも上手に飛べるようになるはずで
す。
そんな感じで、お互いの持つ風の知識や飛行技術が、自然とそれぞれのトップフライヤーが学び合うようになったという
わけです。
小さな器は、少ない水しか蓄えられません。
しかし、大きな器は、より多くの水を蓄えることが出来ます。
スカイスポーツだって同じ!
翼の違いという小さなことにこだわってしまうと、技量が頭打ちになってしまいます。
より、多くの情報を得て、より、それを自分のものにすることが出来れば、更に大きな世界を築けるはずです!
この共通意識をみんなが持つようになって、現在のような、パラ、ハング共存できる世界が築けるようになったんです
ね!