Sony α7RII 試写 ~その11-2 Zeissオールドスタイル・レンズ編~
浜離宮庭園の続きで、今日はSony α7RII+Zeiss Distagon 18mm F3.5(ニコンマウント)の話です。
広角レンズの使いかたは4つあると思います。
1、ただ広い所を広く撮る。面白くするには、パースぺクション(遠近感)を極端にとる為に12mmから18mmを使います。Fish eyeはさらに極端になりますが、これは飽きるので、当方は売ってしまいました。
2、広い所をパンフォーカスでびっちりと端から端までピントを合わせて、全体を曼荼羅模様のように撮る。これも面白くするには12mmから18mmくらいを使います。この時は、周辺でゆがんだり、減光したりすると目的に沿いませんから、高いレンズが必要になります。最近のレンズたとえば、Sony FE 16-35mmなぞはかなり周辺の収差が抑えられていますが、Zeissオールドタイプレンズで、これを期待するとえらい高い値段になります。おそらくソフトである程度修正できるのでしょうが、当方はやっていません。
3、わざわざ周辺減光とか周辺のゆがみを使って、非日常的なダイナミズムを表現する。これも12mmから18mmを使います。これは安めのレンズをつかう当方としては、大好きな撮り方です。
4、花のような対象を極端なパースぺクション(遠近感)によりデホルメして、対象を強烈に印象付ける。これは出来るだけ対象に近づいて、遠近感を強調しなければなりません。短焦点で、しかも近づけないレンズですと、対象が遠くに小さく写るだけで、面白くない絵になってしまいます。Zeissの場合はあまり近づけないので、21mmから24mmくらいの焦点距離を使うことになります。ただし、フォクトレンダー・クローズ・フォーカス。レンズ・アダプターを使うと最短撮影可能距離を縮めることができて、フォクトレンダーウルトラワイド・ヘリアー12mmなぞほとんど対象にくっついて撮ることが出来ます。これはすばらしい。ただこのアダプターはレンズ側ライカMマウントとカメラ側ソニーE/FEマウントをつなぐことになり、使えるレンズが限定されます。4は当方が最も多く使う撮り方です。
ほんとは、もう一つ使い方があります。広角になるほど、太陽を輝く放射点として、まともに画面にいれることが出来ることです。広角レンズは楽しいですね。24mmから上のズームしか使ったことが無い方は、ほんと楽しみを捨てているようなものです。ですから、デカい、重たい望遠側のズーム一本持っての撮影というのはやりたくない。
今日は花撮りですから、本来Zeiss Distagon 18mm(ニコンマウント)では向いていない対象です。
長い前置きを書いたのは、実はZeiss Distagon 18mmであんまりいい写真が撮れなかったので、言い訳のつもりで書いたのです。
Zeiss Distagon 18mmは元々、色々な問題点を持つレンズです。最も問題なのはピント合わせが極めて難しいこと。しかし、ミラーレスの拡大ライブビューが使えるようになってからその最大の問題は解決しました。さらに上のように、光の無い時は、どろっとした暗い表現になります。ところが光があるときは一転して極めて魅力的色を出すのです。
現在、もっとも困っているのは、フルサイズになると、花を撮る時にワイドすぎて、最短撮影距離30cmでは、花が小さくなり、トリミングが必須になってしまう。 APS-Cの時は実質24mmで丁度良かったのです。抜群の解像をもっているはずなのですが、今回はそれがなぜか表現できていません。やはり、対象が小さくなりすぎるためなのでしょうか? それとも、100mm macroのMF撮影で疲れ切ったためでしょうか?
フォクトレンダー・ウルトラワイド・ヘリアー12mmで活躍している、フォクトレンダークローズフォーカス・アダプターに期待して試しました。このレンズはニコンマウントなので、ニコンマウントからライカマウントへのアダプター+フォクトレンダークローズフォーカス・アダプターのダブルアダプターを試しましたが、思ったような最短撮影距離の短縮になりませんでした。一方Sony FE用接写リングを使うと、今度は最短撮影距離がほとんど0になってしまい使えません。ということで、フルサイズ、Zeiss Distagon 18mmでの花撮りは八方ふさがりなのです。
Sony FE 16-35mmズームの最短撮影距離は28cmとZeiss Distagon 18mmとあまり変わらないのですが、花の大きさに合わせて、焦点距離を選べるので、うまい具合に花撮りができます。遠景をパースぺクションをもって表現するには16-18mmが使えるし、ズームは近場も遠景も使えて圧倒的に実用的なのです。
しかしながら、かつての、Zeiss Distagon 18mmの上手くいった時の印象がいくつも頭の中に刻まれているので、Sony FE 16-35mmズームの絵に完全に満足出来ないのです。 それが、試写その10でしつこくSony FE 16-35mmズームの絵をブツブツいじくりまわしている理由です。
Zeiss Planar 100mm macroとZeiss Distagon 18mmの心の原風景はやっぱり間違なく、比肩する物も無いレンズなのです。一度これらに魅了されると逃げられないのです。 しかし、現状では使い方が制限されます。さて、どうしましょう?
Zeissで攻めるために、いろいろしらべました。広角側は
1、コシナZeiss Distagon 21mm ZF。これはもっとも評判のいい伝説の広角レンズです。ニコンマウントであることと、とっても高いことが問題。21mmで28cm最短撮影可能距離で花撮りができるだろうか? フォクトレンダー21mmで試してみよう。
2、ライカMマウントのZeissにフォクトレンダークローズフォーカス・アダプターを付ければググッと寄れます。
コシナZeiss Distagon18mm F4 ZM
コシナZeiss Biogon 21mm F2.8 ZM
コシナZeiss C Biogen 21mm F4.5 ZM
あたりかな。ZMは21mm ZFよりいくらか安い。
伝説のZFかあるいはZMでクローズホーカスアダプターか?
さらに、
3、今年中にZeiss Loxiaが広角レンズを出すらしい。FEマウントだし、軽いしいいかもしれない? 21mm以下でないとね。
こんなこと真面目に考えるようになったのは、Sony α7RIIが他社広角レンズに対応して、周辺色にじみや減光からovercome出来ているためです。
20万円以上のZeissやライカレンズはいまのところ、当方にはもったいない。
近景マクロも遠景もとれる望遠はZeissに期待するのは難しいようです。
望遠側はクローズホーカスアダプターを付けてもあまり効果が無い。こちらは接写リングで近寄ることになる。
コシナZiess Tele-Tessar 85mm F4 ZM
かな?
Ziess Loxiaも望遠レンズをだすといっているし。
当面は今持っているSony/Zeiss Sonnar 135mm F1.8で接写リングをつけたりはずしたりかな?これは重たいので遠出には辛いのです。
今回の試写で分かったことは、とにかく、やろうと思えば、Sonyα7RIIで手持ちMFも可能ということです。それなら、まだまだ、心の原風景、単焦点Zeissを追いかける意味が出てくる。 がぜん元気になりました。Sony FE 90mm macroとか、Sony/Zeiss FE 16-35mmなどというのは、しょせん妥協の産物なのだ。
次回は、Sonyα7RII + Sony FE 90mm macroでもう一度手持ちMFでどこまで迫れるかを試写してみましたので、お楽しみに。
浜離宮庭園の続きで、今日はSony α7RII+Zeiss Distagon 18mm F3.5(ニコンマウント)の話です。
広角レンズの使いかたは4つあると思います。
1、ただ広い所を広く撮る。面白くするには、パースぺクション(遠近感)を極端にとる為に12mmから18mmを使います。Fish eyeはさらに極端になりますが、これは飽きるので、当方は売ってしまいました。
2、広い所をパンフォーカスでびっちりと端から端までピントを合わせて、全体を曼荼羅模様のように撮る。これも面白くするには12mmから18mmくらいを使います。この時は、周辺でゆがんだり、減光したりすると目的に沿いませんから、高いレンズが必要になります。最近のレンズたとえば、Sony FE 16-35mmなぞはかなり周辺の収差が抑えられていますが、Zeissオールドタイプレンズで、これを期待するとえらい高い値段になります。おそらくソフトである程度修正できるのでしょうが、当方はやっていません。
3、わざわざ周辺減光とか周辺のゆがみを使って、非日常的なダイナミズムを表現する。これも12mmから18mmを使います。これは安めのレンズをつかう当方としては、大好きな撮り方です。
4、花のような対象を極端なパースぺクション(遠近感)によりデホルメして、対象を強烈に印象付ける。これは出来るだけ対象に近づいて、遠近感を強調しなければなりません。短焦点で、しかも近づけないレンズですと、対象が遠くに小さく写るだけで、面白くない絵になってしまいます。Zeissの場合はあまり近づけないので、21mmから24mmくらいの焦点距離を使うことになります。ただし、フォクトレンダー・クローズ・フォーカス。レンズ・アダプターを使うと最短撮影可能距離を縮めることができて、フォクトレンダーウルトラワイド・ヘリアー12mmなぞほとんど対象にくっついて撮ることが出来ます。これはすばらしい。ただこのアダプターはレンズ側ライカMマウントとカメラ側ソニーE/FEマウントをつなぐことになり、使えるレンズが限定されます。4は当方が最も多く使う撮り方です。
ほんとは、もう一つ使い方があります。広角になるほど、太陽を輝く放射点として、まともに画面にいれることが出来ることです。広角レンズは楽しいですね。24mmから上のズームしか使ったことが無い方は、ほんと楽しみを捨てているようなものです。ですから、デカい、重たい望遠側のズーム一本持っての撮影というのはやりたくない。
今日は花撮りですから、本来Zeiss Distagon 18mm(ニコンマウント)では向いていない対象です。
長い前置きを書いたのは、実はZeiss Distagon 18mmであんまりいい写真が撮れなかったので、言い訳のつもりで書いたのです。
Zeiss Distagon 18mmは元々、色々な問題点を持つレンズです。最も問題なのはピント合わせが極めて難しいこと。しかし、ミラーレスの拡大ライブビューが使えるようになってからその最大の問題は解決しました。さらに上のように、光の無い時は、どろっとした暗い表現になります。ところが光があるときは一転して極めて魅力的色を出すのです。
現在、もっとも困っているのは、フルサイズになると、花を撮る時にワイドすぎて、最短撮影距離30cmでは、花が小さくなり、トリミングが必須になってしまう。 APS-Cの時は実質24mmで丁度良かったのです。抜群の解像をもっているはずなのですが、今回はそれがなぜか表現できていません。やはり、対象が小さくなりすぎるためなのでしょうか? それとも、100mm macroのMF撮影で疲れ切ったためでしょうか?
フォクトレンダー・ウルトラワイド・ヘリアー12mmで活躍している、フォクトレンダークローズフォーカス・アダプターに期待して試しました。このレンズはニコンマウントなので、ニコンマウントからライカマウントへのアダプター+フォクトレンダークローズフォーカス・アダプターのダブルアダプターを試しましたが、思ったような最短撮影距離の短縮になりませんでした。一方Sony FE用接写リングを使うと、今度は最短撮影距離がほとんど0になってしまい使えません。ということで、フルサイズ、Zeiss Distagon 18mmでの花撮りは八方ふさがりなのです。
Sony FE 16-35mmズームの最短撮影距離は28cmとZeiss Distagon 18mmとあまり変わらないのですが、花の大きさに合わせて、焦点距離を選べるので、うまい具合に花撮りができます。遠景をパースぺクションをもって表現するには16-18mmが使えるし、ズームは近場も遠景も使えて圧倒的に実用的なのです。
しかしながら、かつての、Zeiss Distagon 18mmの上手くいった時の印象がいくつも頭の中に刻まれているので、Sony FE 16-35mmズームの絵に完全に満足出来ないのです。 それが、試写その10でしつこくSony FE 16-35mmズームの絵をブツブツいじくりまわしている理由です。
Zeiss Planar 100mm macroとZeiss Distagon 18mmの心の原風景はやっぱり間違なく、比肩する物も無いレンズなのです。一度これらに魅了されると逃げられないのです。 しかし、現状では使い方が制限されます。さて、どうしましょう?
Zeissで攻めるために、いろいろしらべました。広角側は
1、コシナZeiss Distagon 21mm ZF。これはもっとも評判のいい伝説の広角レンズです。ニコンマウントであることと、とっても高いことが問題。21mmで28cm最短撮影可能距離で花撮りができるだろうか? フォクトレンダー21mmで試してみよう。
2、ライカMマウントのZeissにフォクトレンダークローズフォーカス・アダプターを付ければググッと寄れます。
コシナZeiss Distagon18mm F4 ZM
コシナZeiss Biogon 21mm F2.8 ZM
コシナZeiss C Biogen 21mm F4.5 ZM
あたりかな。ZMは21mm ZFよりいくらか安い。
伝説のZFかあるいはZMでクローズホーカスアダプターか?
さらに、
3、今年中にZeiss Loxiaが広角レンズを出すらしい。FEマウントだし、軽いしいいかもしれない? 21mm以下でないとね。
こんなこと真面目に考えるようになったのは、Sony α7RIIが他社広角レンズに対応して、周辺色にじみや減光からovercome出来ているためです。
20万円以上のZeissやライカレンズはいまのところ、当方にはもったいない。
近景マクロも遠景もとれる望遠はZeissに期待するのは難しいようです。
望遠側はクローズホーカスアダプターを付けてもあまり効果が無い。こちらは接写リングで近寄ることになる。
コシナZiess Tele-Tessar 85mm F4 ZM
かな?
Ziess Loxiaも望遠レンズをだすといっているし。
当面は今持っているSony/Zeiss Sonnar 135mm F1.8で接写リングをつけたりはずしたりかな?これは重たいので遠出には辛いのです。
今回の試写で分かったことは、とにかく、やろうと思えば、Sonyα7RIIで手持ちMFも可能ということです。それなら、まだまだ、心の原風景、単焦点Zeissを追いかける意味が出てくる。 がぜん元気になりました。Sony FE 90mm macroとか、Sony/Zeiss FE 16-35mmなどというのは、しょせん妥協の産物なのだ。
次回は、Sonyα7RII + Sony FE 90mm macroでもう一度手持ちMFでどこまで迫れるかを試写してみましたので、お楽しみに。