小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

コロナ対策 2021-9-14

2021-09-13 18:55:37 | 日記
コロナ対策 2021-9-14
日本感染者総数は8月20日をピークに減少し始めた。この時のワクチン2回接種率は36%で、海外の例では一般に40%を越えると感染者数減少に転じるとされている。一見、日本の感染者数減少に転じたのはワクチンのせいであると見える。しかし、アメリカ、イギリスではロックダウン効果でワクチン接種率40%に大きく先行して感染者数減少が顕著になっているために、ワクチン接種の影響がよくわからない。2回ワクチンを打ってから、2週間で免疫が成立すること及び感染者数は2週間前の状況を表していることなど考えると、8月20日の一か月前のワクチン接種率は20%で感染者減少要因としては不十分である。もう一つの視点は接種率36%というのは殆どが高齢者、高齢者は動き回らないから、感染者を増やす要因にはならない。高齢者自体の感染者はワクチンで減少したであろうが、感染者を増加させている大きな要因の年齢構成ゾーンではワクチン接種とは関係なくピークアウトしてきたと考えられる。

つまりワクチンが重症化を低下させることは全員が賛成するが、感染者総数からみると、ワクチン効果と人の行動のシーソーゲームとなる。ワクチンに過大に期待する人と、ワクチン効果を冷静に見る人の違いが政策の分かれ目になる。
実際、学校が始まっているこの時期にこのシーソーゲームがどうなるか微妙なゾーンに入っている。

こんな時に政策上、今がとても、とても重要な時期である。ほんとうに、為政者は選挙を離れて、真剣に頭を回してほしい。

1,現在感染者数が減少してきたのは、何らかの対策が功を奏したのでなく、ただ数字に恐怖を感じて、国民が防御反応したと考えると。すなわち数字が下がれば、国民は警戒を解いて、また感染者数が増加することを意味する。これは第3波と第4波でやってきたことそのものである。

2,数字が下がった時に政府は何をするかというと、足りなかった感染症対策を立て直すのではなく、gotoキャンペーンのような経済促進に転ずる。現在も同じことを準備している。
その結果は感染増大であることはすでに経験している。経済を回さないと困る人がいるから回すのだというが、こんなことを繰り返すことが、結局困る人を量産しているのだ。

3,政府も国民も何を期待しているかというと、ワクチン効果である。政府も国民もワクチン効果を正しく捉えているのか? まず、海外の例から、ワクチン接種していてもマスクなどの感染症防御の解除は感染者増加を再開させた。これは明らかな事実だ。
日本は海外とは違うとは言えない。国民のコロナに関する受け止め方はバラバラであることはネットのコメントがバラバラであることから明らかだ。数字に恐怖を感じて防御反応をとるという大きな流れは同じ方向を向くが、細部ではバラバラなのである。一旦、恐怖を感じなくなるとバラバラの行動が起きて、再び恐怖を感じるまで感染者増加に向かう。

4,もう一つの流れは、以前から当方が強調してきた、子供を中心とする感染拡大サイクルである。ワクチンを接種したから大丈夫といって動き始めるジイさんバアさんが後を絶たない。ジイさんバアさんというのは始末に悪い人がいっぱいいる。若者は無論動き回る。彼らの中で、無症状感染が広がる。みんな無症状ならいいじゃないかとまたまたなさけないことをいう人が多数存在する。その人が家に帰れば、ワクチンを打てない子供がいる。子供は感染して無症状かもしれないが、学校や保育園や習い事に出かけ子供同士で感染を広げる。それがまた家庭内感染を蔓延させる。その中には無症状では済まない人が少なからず出てくるし、重症化する人も出てくる。感染者数の増大と医療ひっ迫がまた起きる。

5,感染者総数からみると、ワクチン効果と人の行動のシーソーゲームと書いたが、それなら重症者数でみればいいという為政者がいる。ワクチンに過大期待派のオプティミストであるか、国民はその場をごまかせばいいと思っている厄介な人たちだ。新型コロナはインフルエンザと同じだと主張する連中がいまだ結構存在する。ワクチン接種くらいで、新型コロナはそんなこと言える段階ではない。このあたりが、政策がくるっている根本にある気がする。

5,まだ問題はある。変異株がどんどん置き換わることは明らかである。変異株の性質によっては、こまでの常識が覆されるとこは自明のことだ。3回目のワクチンをうてばいいという。3回目のワクチンを否定はしないが、その次はどうするのだ? ワクチンは確かに伝家の宝刀だ。しかし、伝家の宝刀というのは抜きっぱなしでは伝家の宝刀とは言わないのだ。
常にリスクヘッジを何重にも用意するのが勝つための当たり前の手段だ。

6,これまでやってきた為政者のやり方を根本的に変だとは思いませんか? 必死でやっている医療関係者や学校や保育園の先生や、店が開けない飲み屋や観光業など、収入が極端に減って困っている方だの、苦労が極端に偏っている。この状態を永遠に続けさせるなど、許されない。

7、答えはシンブルだ。まずグランドデザインを決める。それに従ってやるべきことを一つ一つ淡々と、きっちりとやる。やったことはキチンと検証する。必要なのはデータだ(我々研究者はエビデンスという言葉は気安く使わない)。データをとる。なんとしてもデータをとる、 データがとれないことはやるな、やっても無駄だ。データに基づいて検証し、改良すべきところはやり方を変える。国民にはデザイン、データ、検証、改良点を明示する。これが説得力だ。
デザイン、データ、検証という言葉をどうしても理解してほしい。

8,今の政府は、人により違うことを言っている。菅氏と尾身氏、田村氏と西村氏。田村氏は宣言は延長するが、その後の解除案を考える。しかし、感染が増加すればまた制限をかけるという。これでは何をいっているのかさっぱりわからない。ようするに最初のデザインがないから、強いメッセージにならないのだ。菅氏キャラとしてメッセージ力が無いのも一因だが、もともと政府のデザインがないから強いメッセージにならないのは当然だ。
まともな企業でこんな全体像/全体計画/ロードマップの無い企業運営をするところはない。

9,ではなにをやるか。その1は、何が何でも医療体制を改善せよ。野戦病院でも、酸素ステーションの改良でも、地域医療の連携でもどれでもいいから、こうやると現在程度の患者数なら二度と医療難民が起きないプランをきっちり提示せよ。いつまでに、どれくらいの予算で完成させるかを明示せよ。もう感染者がへったからやっても無駄だなどと言わせない。 その言は第3波のときも第4波のときも聞き飽きた。医療体制を改善は地方自治体がやることだ、いや国が指示を出すべきだなどと言っている場合か。国が自分で考えられないなら、地方自治体ごとにプランを出させて、国が審査して、予算を付ける。もう1.5年もたっているのだから1か月あれば出来るだろう。それが出来て初めて、規制緩和の実行プランを発表するべきだ。 
まず、特別区を設定して実証実験をやることが必須だ。データをとる。データがとれないことはやらない。漫然と、いいかげんな規制緩和してもデータが無ければ、感染者が増えたらまたやめるだけで、ちっとも前にすすまない。業者さんには迷惑なだけだ。実証実験に3か月かかってもしょうがない。これまでやってこなかったのだから我慢してもらうしかない。こことここは、こういう設定で緩和策の実証実験を行うときちんと公表する。データをもって、これはやってもいい、これはまだやるなと明確に指示を出すべきだ。たとえばある大規模フードコートでワクチンパスポートを持つ人対象にある決まった方法で、お酒を提供することを1か月やったら、0.1%の感染者が出た。それならその方法でやろうと決めればいい。10%の感染者が出たそれならその方法は出来ない。最初から茫漠とした全国規模の緩和策実施は賛成できない。お腹を減らした人に、いきなり御馳走を与えてはいけないのだ。
御馳走で票を買うなどもってのほかだ。

ワクチンを打ちまくることは当然やるべきだが、それ以外はこの2点に集中すればいい。

9,医療体制、規制緩和方法、ワクチン/治療薬がそろえば、ある感染者数以下になり、あるワクチン接種率になり、ある緩和体制がきちんとすれば、ある限界点から、驚くほどの速度で、国民が許容できるwithコロナの世界が開ける。ワクチンを打たない人が4割残っても大丈夫、変異株が来ても大丈夫な世界が間違いなく作れる。 総合的力で、ある時点からコロッと世界は変わるのだ。 道具はそろっている、あとは政策いかんなのだ。
危機管理の体制作りは後付けで粛々とやればいい。今は議論しなくていい。

10, マスコミは政局の話になると嬉々としている。責任を取らなくていい井戸端会議が楽しくてしょうがないようだ。

マスコミはワクチンの交差接種とかはどうでもいいのだ、そんなことは素人が何やかや言うことでなく厚労省に任せておけばいい。規制緩和の細かい方法なども議論する必要はない。井戸端会議を楽しんでいる場合ではないのだ。
ちゃんとしたデザイン、全体計画、ロードマップを出せ、きちんと実証実験をしてデータをだせとなぜ連呼しないのか。自分たちでデザインのたたき台を出して、朝まで生テレビをやったらいい。

家内はワクチン効果でこのまま感染者数は減少すると予測しています。当方は再増加すると予測しています。2人ともそうであろうがなかろうが医療体制をちゃんとしろといっています。当方の予想が間違いであればいいのですが。

為政者は同じ失敗を繰り返してはいけない。ワクチンに過大な期待をしてはいけない。岸田氏になろうが、河野氏になろうが、年末に第6波が来て同じことを繰り返す事態はかんべんしてほしい。



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