生きてゐることが奇跡や沙羅の花
ツバキ科の落葉高木。
日本を含む東南アジア原産。
北海道を除く日本各地の山中に自生するが、観賞用に庭園に栽培される。
六月頃、葉腋に椿に似た白色五弁花をつける。
朝咲いて、夕方には散る。
本来の名は「夏椿」。
「沙羅」の名は釈尊がその樹下で涅槃に入ったというインド産フタバガキ科の沙羅樹と間違えたことによる。
涅槃図に描かれている沙羅樹は日本にはない。
生きているということは当たり前のように思えるが、それは決して当たり前ではなく、有難いことなのである。
毎日生きていることが、実は奇跡的なことなのだと沙羅の花を見て思った。
踏むまいぞ散策路なる沙羅落花