春浅し甲斐の山並み確と見え
立春以後の春とは名ばかりの頃をいう。
春になったものの、春色はまだ整わず、降雪もあり、木々の芽吹きにはまだ間がある頃である。
「早春」と似通った季語であるが、「春浅し」は季節の推移を肌で感じる意識がより強いように思われる。
春になったばかりで空気はまだ冬のように澄んでいた。
そのため、甲斐の山並みがくっきりと見られた。
浅春や雑木の道の明るくて