俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

藤の実

2016-09-20 | 俳句・秋・植物




藤の実に手を伸ばしたる女かな



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マメ科の蔓性植物。

秋に緑色の十センチ以上もある莢を垂らす。

その中に扁平な碁石のような種が入っている。







寺の境内に藤棚があり、夥しいほどの藤の実が長く垂れ下

がっていた。

女性が手を伸ばすと、やすやすと届いた。






藤の実や傍らに在(ま)す六地蔵



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曼珠沙華

2016-09-19 | 俳句・秋・植物




薬師堂前や一輪曼珠沙華



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ヒガンバナ科の多年草。

彼岸の頃、長い花茎を伸ばし、真っ赤な、蘂の長い花を輪

状に開く。
 






鱗茎は澱粉を多く含み有毒だが、昔、救荒食物とするため

畑の隅や墓地などに植えられた。







毎年彼岸の頃に咲くので「彼岸花」、墓地などにも咲くので

「死人花」「幽霊花」など多くの呼び名がある。







JR中央線の東小金井駅から北東方向に歩いて行くと、長

昌寺という禅寺がある。

そこの薬師堂の前に一輪の曼珠沙華が咲いていた。

咲いたばかりで美しかった。






彼岸花今なほ胸に師の言葉



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朝顔

2016-09-18 | 俳句・秋・植物




朝顔や歩かう会の殿に



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ヒルガオ科の蔓性一年草。

熱帯アジア原産。

蔓は左巻き。

日本には奈良時代に薬草として中国から伝来。

熟した種子を乾燥させ、粉末にしたものを下剤や利尿剤と

して用いた。

江戸時代後期に観賞用植物として急速に広まった。







七~九月の朝、漏斗状の花を咲かせ、昼にはしぼむ。

花色は青、紺、紅紫、淡紅、白、絞りなど様々。







良い朝顔になかなか出会えなかったが、九月も半ば過ぎに

なってようやく綺麗な朝顔に出会えた。

ある駅からぞろぞろと大勢の最後を歩いていると、道端の

フェンスに朝顔が絡みついて沢山の花をつけているのが見

られた。

どれも生き生きとして美しかった。






朝顔をみんな見上げて通りけり



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鳩麦

2016-09-17 | 俳句・秋・植物




鳩麦に雉鳩のまだ来てをらず



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イネ科の一年草。

東南アジア原産。







全体が数珠玉に似ているが、花序が垂れる点や実が光沢

に乏しく割れやすい点が異なる。

東南アジアから中国を経て日本に渡来した。

薬用として享保年間以降栽培され、後に栄養価の高い食用

としても注目された。

果実を精白したものが薏苡仁(よくいにん)で、漢方薬となる。







二三年前に来たときは鳩麦に雉鳩が十羽以上群れていた

が、今回はまだ一羽も来ていなかった。






鳩麦やさらさらと風吹き渡り



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権萃(ごんずい)の実

2016-09-16 | 俳句・秋・植物




権萃の実や眠気など失せてゐて



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ミツバウツギ科の落葉小高木。

関東以西の山野に自生する。







九~十一月頃、実が赤く熟すと裂けて、光沢のある黒い種

子が露出する。

権萃の実は歳時記には載っていないが、赤と黒の特徴のあ

る実でよく見かけるので、試しに詠んでみた。







権萃の実が夥しいほど生っていた。

昼下りは眠気が差していたが、権萃の実を見てそれもすっ

かり失せてしまった。






鳥を呼ぶ権萃の実に夕日かな



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