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「『全国戦災史』から70年間沖縄を除外の日本」No.1547

2015-12-26 12:59:09 | 日本事情

今朝の東京新聞、呆然となる記事でした。

知りませんでした。

民間人を巻き込んで最も激烈な地上戦を繰り広げたあの沖縄戦が、

日本の「全国戦災史」に記載されもせず

(日本には沖縄県・沖縄地方があり、全国47都道府県だと小学校でも教えているのに)、

また、特別の詳細な項立てもなく無視されていたとは・・・。

思えば戦後、

沖縄に米軍基地を建設することをアメリカに提案したのは昭和天皇だった

という事実から始まり、沖縄は70年間、日本国にとって

都合のいいように使われてきただけの存在、文字通り『捨て駒』でした。

翁長知事がずっと訴え続けている言葉、

「沖縄が日本に甘えているんですか?日本が沖縄に甘えているんですか?」

は、一貫して沖縄を踏みつけながら

それを土台に安定と高度経済成長、GDP世界2位の『偉業』を為した日本政府の姿勢と、

無自覚なまま「太平の世」を謳歌してきた日本人に、

「恥を知りなさい」と言っているに他なりません。


伝統日本の品格も、謙虚さも、思い遣りもあったもんじゃない現在の日本。

私たち日本国民は現状に甘んぜず変わらなければならないと切実に思います。

しかし、間違っても戦争できる国造りに邁進する政府や、

戦争で金もうけをする大金持ち達の太鼓持ちに堕する愚を繰り返すのではなく、

平和で安定した生活を自分も含めた全国民(含・沖縄県民!)が過ごせるために、

まず、主権者の自分が変わらなければならないと思うのです。

 

 

―――東京新聞2015年12月26日 朝刊

太平洋戦争の惨禍を後世に伝えるため、戦災に関する資料を調査・収集した政府の「全国戦災史実調査報告書」から、激しい地上戦があった沖縄戦が抜け落ちたままになっている。沖縄県は今年、政府の責任で記録を残すよう求めたが、安倍政権はあらためて調査はしない方針。政府の戦災記録に沖縄の悲劇が記載されないまま、戦後70年の年を終える。 (高山晶一)

 全国戦災史実調査は総務省などが社団法人日本戦災遺族会(二〇一〇年解散)に委託して一九七七~〇九年度に実施。空襲被害、学童疎開、思想統制など違うテーマで報告書にまとめた。

 沖縄返還(七二年)後の調査にもかかわらず、沖縄戦については一部の年表で「沖縄の守備軍全滅」などと簡単に触れるなどした程度。「四十六都道府県における戦災を対象に調査した」と前文に注釈を入れた年も複数ある。

 空襲被害の調査(七七年度)では、調査員も派遣するなどして死者や負傷者数、焼失戸数などを詳しく記録したが、那覇市などで少なくとも六百六十八人(県調査)が亡くなった四四年の「十(じゅう)・十(じゅう)空襲」は触れずじまい。学童疎開の調査(八一年度)も、都市ごとに人数や受け入れ先を記載したが、多くの学童が犠牲になった沖縄からの疎開船「対馬丸」撃沈は巻末の年表で簡単に触れただけだ。

 今年九月、照屋寛徳衆院議員(社民)が質問主意書で沖縄戦を除外した理由をただしたのに対し、政府の答弁書は、調査報告書を作った当時の行政文書が残っていないことから「不明」とした。同遺族会の元幹部は、沖縄は沖縄開発庁(現内閣府)が担当していたため「所管の違いだったと思う」と本紙に説明。「特別な意図があって沖縄を外したわけではない」と話す。

 沖縄県は十一月、国として沖縄の戦災記録を残すよう翁長雄志(おながたけし)知事名で要請。対応した総務省幹部は「県と協力しながら記録を残していきたい」と応じた。しかし、同省の担当者によると、県側からデータが提供されればホームページ(HP)に掲載する方針だが、政府として新たに沖縄戦の被害を調べる予定はないという。

 安倍政権は、名護市辺野古(へのこ)への米軍新基地建設問題で沖縄の「分断」を批判されているが、この問題でも同様の構図が浮かび上がる。

 吉浜忍・沖縄国際大教授は「最も厳しい状況に置かれた沖縄の調査をまずやるのが筋だった」と指摘。「沖縄戦の戦没者の実数はまだ分かっていない。国にしかできない調査はあるはず。それが過去に向き合うということだ」と強調した。

<沖縄戦> 太平洋戦争末期、沖縄本島などであった米軍と旧日本軍の戦闘。住民も動員され、集団自決に追い込まれたりした。沖縄県は1976年に「20万656人が犠牲になり、うち民間人は約9万4000人」と発表したが、正確な数は不明。国が、戦没者数を含む沖縄戦の実相を総合的に調査したことはない。厚生労働省が把握する戦没者数もあるが、旧日本軍の資料に基づく概数。

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