「借りんなや!借りたもん返すん当たり前や!」
12月2日、京都市議会で高すぎる学費・奨学金問題についての討論中に、
この野次が京都維新の豊田市議から発せられたそうです。
共産党の平井市議が、
「380万借りて510万返済。利子だけで130万」という学生の声を紹介すると、
それに対して言ったのがこの野次です。
この維新議員は、今の学生の窮状が分からないだけでなく、
世界中で、日本ほど高額な教育費を国民に負担させている国はない
という事実も知らないのです(それ、政治家のくせにありえないでしょ)。
近所のおっさんならこういう発言もあるかも知れません。
しかし、あろうことかこのヒト地方議会の議員、すなわち政治家なんですよ、これで。
普通、こんなアホを代議士に選びますか?
誰や、このヒトに投票したのは?
その人の行いもアホやで、はっきし言って。
「維新」という名前だけにつられるからこういうことになんねん。
「維新を名乗ればとにかく当選する」のが今の関西の奇妙な状況ですよ。
インターネットでちょっと調べたら瞬く間に顕わになる日本の高等教育の現実。
皆さん、この際、ちょいと確認してみようじゃないですか。
1.日本の大学学費は世界各国と比べて実に高い
下のグラフは、縦軸が大学の年間学費、横軸が公的奨学金/ローンを受けている大学生の人の割合です(OECD参加国)。
1(紫)学費は高いが奨学金もらっている:アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド
2(ピンク)学費も安い(或いは無料だ)し、奨学金ももらっている:スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・アイスランド・フィンランド・オランダ
3水色奨学金はあんまりもらっていないが、学費が安い(或いは無料):スペイン・フランス・ベルギー・イタリア・オーストリア・スイス・メキシコ (青字は学費無料の国)
4赤学費は高いわ、奨学金はもらえないわ:日本 ⇐一人ぼっち
2.日本は教育費の公的支出が少ない
下のOECD36か国中、国が支出する教育費(GDP比:赤色)が最低なのは、我が日本国です。
でも保護者が苦労して子どもの学費を捻出している(青色)ので、総額は他の国とそんなに違いません。
国が高等教育にどれほどお金をケチっているかがよく分かるグラフです。
親や本人の私費負担割合が他国に比べてどれほど多いか、
グラフを見て泣きそうになります。
教育に金を回さず、学費値上げを示唆したりする一方、
世界中で税金ばら撒きちらしたり(誰にことわって)、
アメリカから旧式の偵察機を高く買ったりしているのがあのヒトですよ。
3.日本は奨学金(給付)制度がないも同然
奨学金はかつて私も日本育英会から借りて、全部払いました。
しかし、それは諸外国では「奨学金」とは言わず、「学生ローン」と呼ぶのだそうです。
本来、奨学金とは給付するもので、貸すものではないのですね。
ここ中国でもそうです。
中国では、貧しい学生への給付金と、
それとは別に、成績が優秀な学生への給付金の二種類があります。
その方法、是非日本でも採用してほしいですねえ。
日本の高等教育状況はひどいと思いませんか。
教育は社会の財産です。
教育をないがしろにすると、国民はアホになってしまいます。
そうすると、いかにも知った顔をして自信満々に「日本を取りもどす!」とか
言われたら、鵜呑みにして信じてしまいます。
まさに、政府の思う壺ですね。
だけど、そんなことでいいわけないですよね、日本の皆さん。
―――グラフ資料は「ソキウス101」さんからお借りしました。―――
http://socius101.com/date-of-education-inoecd-post-1015/