毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「野に咲く花の 名前は知らない」No.1534

2015-12-12 23:12:22 | ま、とにかく

12月10日は寺山修二さんの亡くなった日だと、

その前々日の8日に知りました。

ご存知のように8日もいろいろあった日ですが、ここでは触れません。


自分が高校1年だった時はもう50年近く前のことなのに、

何とまあ、あの時の感覚のありありと蘇ることよ。

私はその頃、時代の寵児だった寺山修二さんが気に食わなくてたまりませんでしたが、

挑戦的にも高校2年の修学旅行の東京自由行動では、

寺山修二さん主宰の「天井桟敷」に高校の制服姿で乗り込んだのです。

つまり、私が気に食わないとか思うのは、非常に気にしているということで、

何とか寺山修二なる怪物と格闘したくてたまらなかったんだと今は思えます。

寺山さんに傾倒する転機は高三の受験雑誌だったかに、高校生の詩が載っていて、

その選者が寺山さんだったことでした。

選ばれた詩たちのそりゃあ、スゴイことと言ったら。

同時代の少年少女には感受性ビシビシの子たちがこんなに大勢いるんだ、と

私は知床半島の片隅にしゃがみこんで唸ったものです。

で、そのすごい子たちの感受性をすくい上げる寺山さんの鋭さに対しては、

今まで逆らってどうもすみませんでしたと頭を垂れるしかありませんでした。

「最初から素直に言うこと聞けばいいのに」

とは、親からもよく注意されたものですが、バカは死ななきゃ治らない。

 

12月10日に日本語学科の学生たちに紹介できたらいいなと準備したのが、

『戦争は知らない』でした。

野に咲く花の 名前は知らない

だけど野に咲く 花が好き

帽子にいっぱい 摘み行けば

なぜか涙が 涙が出るの

 

戦争の日を 何も知らない    

だけど私に 父はいない

父を想えば ああ荒野に     

赤い夕日が 夕日が沈む

 

戦(いくさ)で死んだ 悲しい父さん   

私はあなたの娘です

二十年後のこの荒野で  

明日お嫁に お嫁に行くの

 

何十年も歌ってきて、今年の12月10日に初めて気づいたこと、

それは、この詩が定型のリズムを持っているということでした。

なんか歌いやすいと思ってはいたけど、

そういう訳だったのか~~。

こんな歌をチャッチャと作っちゃって、

恐るべし、寺山修二。


terayama

写真は「どっこい祭儀」さんのブログ「三島由紀夫を問い詰める寺山修司」

からお借りしました。http://lastinghours.jugem.jp/?eid=867

 

 

 

コメント (2)
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