毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「菏澤学院初めてのアニメ吹き替え大会」No.1533

2015-12-11 21:07:05 | 中国事情

スモッグの中をクラスに向かう学生たち。〈大気汚染指数が500を突破した昨朝〉

 

昨日野坂昭如さん逝去の記事を読み、落胆。

あああああああ~。

しかし、野末陳平さんの言うとおり、順不同で誰しもあの世に逝きます。

死ぬまでは生きないと(とは言ってもねえ……)。

――――――――――

菏澤学院に来て、日本語学科の学生たちとの3か月余りが過ぎました。

他の大学では珍しくもない日本語コーナーやアニメ吹き替え大会も、

この学校では今まで一度もしたことがありませんでした。

外国語学部スピーチコンテストは2年前まではあったのですが、

新学長が赴任して、「不正支給を排除する』という名目で

教師の時間外手当を全てカットして以来、二度と開催されることはなくなりました。

これは無理もないことだと私も理解できます。

教師の月給は授業時間数を基準に支払われています。

そして、決して多い金額ではないのです。

そんな事情の中で学生たちのやる気は、どんな外的励みも与えられないまま、

孤独に展開せざるを得ない状況が続いていました。

そんなこととは知らず、ただ、

「学生にとって良いことはどんどんやろう」と闇雲に始めたのが、

日本語コーナーです。

今日は一学期最後の日本語コーナーでした。

そして、菏澤学院日本語学科最初の「アニメ吹き替え大会」でした。

大会と言っても名ばかりで、2年生の授業で試みにやってみたのを、

今日の日本語コーナーで発表しただけです。

全部で5グループあるのですが、あろうことか今日は1グループがとんずらして

4グループだけの発表でした(これが2年生のクラス実態・・・)。

「一期一会」「ドラえもん」「月刊少女野崎君」「SWORD ART On LINE」という

ラインアップでしたが、みなさん、「ドラえもん」以外で分かるのありますか(笑)。

下は審判の3年生6人が1位に選んだ「Sword Art On Line」を演じる

『夏目の猫』グループです。

中国語の字幕はO.K.にしました。

暖房もまだついていない寒い夕方の教室でも、参加者は熱心でした。

 

私が心を打たれたのは6人の3年生の言葉でした。

まず、後輩たちを褒めるのです。

そしてアドバイスを付け足します。

私の今日の気持ちは「褒める」をすっかり忘れていました。

確かに1グループは無責任にも参加しませんでした。

他の4グループは真面目に練習したのに、

場馴れしていないので緊張してへたくそで、

セリフを忘れたりしていました。

でも、3年生たちの言葉、

「観たことのないアニメだけど、この発表を聞いて観たくなりました」

「ぼく達の2年生の時より日本語が上手です」

「人物の気持ちが伝わってきました」e.t.c

これらの言葉を聞いたとき、(ああ、私は心がガサガサになっていた)と気づきました。

この2年のクラスは、1年生の時どんな勉強をしていたのか不思議になるほど、

単語も覚えておらず、聴解も会話も、な~んもできない雰囲気のクラスでした。

思えば、3か月でそのどん底から這い上がってきたのです。

(歯に衣を着せず叱咤する私を嫌がりもせず、ここまでついてきてくれた。

よく頑張ったね、と何度言ってあげただろう・・・)と頭を垂れたブルーはーとでした。

一学期も残すところ数週間。

来学期の3月まで日本語コーナーはひと休みです。

ふう、一つ終わった……。

お祖母さんに引かれて三輪車で散歩する孫娘。

なんか犬の紐みたいな。

 

 

 

コメント (1)
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