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een oresteia




ヤニス・クセナキスのオレステイア(アイスキュロスによるギリシャ悲劇の音楽劇)。

現代音楽好きの義父も誘って見に行こうか、と夫と話していた矢先に、娘がチラシを持って帰って来た。

!!! 

娘のベルギー人のピアノの先生は作曲家で、彼女の作曲編曲によるバージョンだったのである。


贔屓目だと思われるかもしれないが、ここ最近見た芸術の中で一番よかった。
現代音楽という域に留まらず、現代音楽の困難(現代音楽に困難があるとすれば、だが)とはどういうことか、という点を考えさせられたことが。

「困難は、ギリシャの芸術や叙事詩がある社会的な発展形態とむすびついていることを理解する点にあるのではない。困難は、それらのものがわれわれにたいしてなお芸術的な楽しみをあたえ、しかもある点では規範としての到達できない模範としての意義をもっているということを理解する点にある」
(<これはマルクスの「経済学批判序説」からの引用、学生時代のノートから曾孫引き)

わたしの感想など音楽の素人のデタラメにすぎない。先生に感想を聞かれたらどうしよう...(小心者)。


来週、アムステルダム、ロッテルダムの方、ぜひご覧いただきたいです。

世界ツアーになったらいいな...とわたしの方が鼻息が荒い(贔屓、って鼻息が荒いという意味なんですって!・笑)のであった。


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大侵入




ぽかぽかとお天気のよい午後、庭に面したキッチンのガラス戸を開け放していたら、例のラブラドール君が当たり前のようにうろうろと入って来た。


裏門はたしかに施錠されている。

植え込みの間に張りめぐらされたワイヤー製フェンスを調べたら...
直径15センチほどの穴が。
ひょっとしてこんな小さな穴から入って来たのかね、と一度裏門から外へ出してみたら、案の定すぐにその穴から再侵入して来た。


今、うちの飼い犬が足に怪我をしているため、自由に入って来られてはちょっと困る(壮大なおいかけっこになるから)のだ。そこでワイヤーで応急に穴を塞ぎ...

5分もしないうちにワイヤーを四方に寄せて穴を広げ、入って来た。すごいね君は。わたしより賢いんだね。

再び塞ぐ。また5分としないうちに入って来る。遊んでくれ、と催促する。

とうとうその穴から好きな時に出て行き、好きな時に入りするようになってしまった。これは躾上まずい(彼はまだ8ヶ月)。


フェンスを張り直すことになるのか...それも寂しいなあ。悩ましいなあ。




眉間に皺を寄せて困った顔をするのがもうかわいくてかわいくて。ラブラドールは常に人気というのがよく分かった。

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249日








本日、ベルギーは世界記録を達成した。ゲント等ではお祝いパーティーが開催されるそうだ。





...無政府状態が249日間続いたことでイラクと並び、その世界記録を祝うんですって。フレー!

今のところ特に治安が乱れることもなく、貨幣価値が暴落することもなく、国民は粛々と生活を続けている。カリスマ性のあるリーダーが登場するとか(そして独裁の道を...)、軍が政権を掌握するとか、暴動が起きて拾集がつかなくなるとか、南北戦争勃発とか、アメリカが介入してくるとか、そんなヤバい状態にはなりそうもない。



先日、こんな記事があった。

チューリッヒ大学がベルリン社会科学研究センターと共同で各国の*民主主義の質を調べ、

「この評価法では「個人の自由の第三者(特に政府)による侵害からの保護」「法の支配」「積極的社会参加」「透明性」「政治参加」「代議制度」「政治的競争」「抑制と均衡のシステム(三権分立)」「民主主義的に決定された事項を実行する能力」の9つの指標を数値化し」(ギガジン1/28の記事)、

そしてベルギーが、デンマーク、フィンランドに続き堂々の3位になったのである。

これは皮肉な結果だ。まさに健全な民主主義が機能しているからこそベルギーには政府がないのだから。



民主主義は、あるバカが「太陽は西から昇る」と言ったとして、そういうバカが多数である限り、「そうそう!太陽は西から昇るよね!」ということにしてしまえ、というシステムだ。
そこではごく少数の賢者が「太陽は東から昇る」と真実を述べたとしてもなんの足しにもならない。

おまけにベルギーの民主主義は、6割のバカグループと4割のバカグループの数のバランスをとるために、少数側に拒否権まで与えるという用意周到ぶりである。
6割のバカが「太陽は西から」、4割のバカが「南から」と主張し合い、多数決の原理で「西から」に決まりそうになっても、4割側が常に拒否権を発動し、結局太陽がどの位置から昇るのかという合意にさえ達することができず、他のもっと剣呑な件も放ったらかし、ただ時間と税金を浪費するのみ...という感じ。

「人民の人民による人民のため」理にかなった結論を得る、ということよりも、誰の意見が通るか、ということだけが重要視され、永遠に何も決まらない。たとえ将来われわれが民主主義よりもさらに優れたシステムを作り出そうとも、それを採用することすらできないかもしれないのだ。

「みんなそれぞれが食べたいものが違っていて、みんなの意見を聞いているためにどの店に行くか何も決まらない」という(ありがちな)状態の方が「強い親父が全部決めてしまう」状態よりもいいということか...この強い親父が賢くないケース、というのがあまりにも歴史上多すぎたためにそうなってしまったんでしょうな...





*民主主義とは「民衆(デーモス)が力(クラトス)によって支配権を得る体制」という意味である。

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街の名前




ベッドサイドに astier de villatte の kobe を灯し、

「もしもわたしがキャンドルブランドを設立するとして、商品に名前を付けるなら、どの都市名を持ってくるか」と考えた。
わたしはこのように毎日の半分を餅を絵に描いて過ごしている。


神戸
シンガポール
コロンボ(スリランカ)

マスカット(オマーン)
ケープコッド(喜望峰 南ア)
テルアビブ(イスラエル)

アレクサンドリア(エジプト)
イスタンブール(トルコ)
ブダペスト(ハンガリー)

ドブロブニク(クロアチア)
ブリンディジ(イタリア)
ロードス(ギリシャ)

サンフランシスコ(米)
ホノルル(米)
カンクン(メキシコ)
パナマ

...


実際に訪れたことのある土地で、かつ、商品として(笑)親しみのある都市名に限ってみた(そうでなければ東欧の地方都市とか、憧れのサマルカンドなども入れたい)。
それはありふれているとして、わたしが香りのイメージとして命名するのにええなあ、と思った都市には共通点が...







どの都市も「港町」なのだ。ブダペスト以外。


これはわたしが神戸で生まれ育ったからか?
神戸は山を背に、街全体が海に向かって腕を広げているような街だ。
物理的にそうであるだけではなく、よそのものを拒まずに誘いこむような雰囲気がある。


永住の地は絶対に港町でなければならないと感じるには理由があったのか、と思った。




astier de villatte の kobe があまりにも気に入った(夫も娘も)ので、寝室用とリビング用と2つ買い足して来た。ブルージュには扱いがなく、ブラッセルで。イクセルのおしゃれな地区に2件ある。


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Mr. Firth




去年のちょうど今頃も彼について書いている...

トム・フォード監督作品、 ”A Single Man” でオスカー主演男優賞を受賞できたらいいですね、と思ってからもう一年経つのだ。早いなあ。
今年も ”The Kings Speech” がかなり盛り上がっているそうで、今度は本当にいけるかもしれない。


それでなぜ彼のことを好きなのか書く(笑)。
実は昨日バレンタインの日に書きたかったのだが、サプライズを複数用意してくれた夫に申し訳ないと思いましてね...


わたしは基本的に顔の長い男性が好きなので、ちょっとそこからはズレている。でも"Another Country" で功利主義者を演じた時からの贔屓(ひいき)なの。おまけに若い時より今の方がずっと素敵な人だ。


素の彼自身がいったいどんな人となりなのかは知る由もないのは承知の上で、


育ちが良い
おおらか

知的
基本的に真面目

貧乏臭いところが皆無で、華がある
世間に対して恨みつらみがない

洋服をいつもきっちり着ている
ものごとにこだわらない

気難しくない(常に機嫌がいい)
礼儀正しい


=優雅な男


こういうタイプの男性が好きなので、彼のことも自動的に好きなのですな。

書いていて、きゃー恥ずかし!って思うということは。
好きなんでしょうね...目も当てられません。





裏返してみよう。
セコく、アホで、不誠実、貧乏臭く、恨みがましく、洋服の着方がだらしなく(胸元をはだけているなど論外)、ものごとにこだわることがカッコいいと思っていて(あるいは原則主義で)、怒りっぽく、行儀が悪い...
そんな男、絶対いややなあ...あ、でも、こういう人知ってる!

ワタシ自身の一部やんか!(笑)


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