チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

4月25日、本部町島ぐるみ会議が、本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題等について北部土木事務所交渉

2022年04月27日 | 辺野古/ 本部塩川港・安和桟橋

 4月25日(月)は、本部町島ぐるみ会議の沖縄県北部土木事務所に対する、本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題等についての交渉に参加した。

 本部塩川港に、辺野古への土砂海上搬送のためにベルトコンベア設置されてからちょうど1年になる。昨年の今頃は、連日、50名~80名ほどが北部土木事務所にかけつけ、長時間の交渉を続けた(4月27日、4月28日5月1日等の本ブログ参照)。特に4月30日には、午後3時から午前1時まで10時間に及ぶ交渉となった。

 それから1年が経過した。ベルトコンベアは、長期間、稼働しないこともあるのだが、本部塩川港の荷捌地の広大な面積を占有した状態が続いている。以前は、プラフェンスが毎夕片付けられ、朝に再設置され、週末等には港内を誰でも自由に歩けた。しかも、県の港湾施設用地使用許可に切り替えたことによって、港湾使用料が年間840万円も軽減された。これこそ、特定の企業に対する過大な便宜供与であり、港湾法が禁止する不平等取扱いで許されない。

 県の許可は月単位なので、本部町島ぐるみ会議は、毎月末、北部土木事務所との交渉を続けてきた。昨年末からは、質問書に対する文書回答が事前になされ、それをもとに交渉を行っている。

 この4月、所長、管理班長らが異動して新しい顔ぶれになったため、25日(月)は今までの経過を説明しなおしながらの交渉となった。

 下に、本部町島ぐるみ会議の質問書を全文掲載する。北部土木事務所の回答と、交渉内容については後日、説明したい。

    (4月25日の北部土木事務所交渉)

 

北部土木事務所長様                                                        2022年4月25日                                 

   本部塩川港、金武湾港の管理問題に関する質問と要請

                                                                                        本部町島ぐるみ会議 

 本部塩川港、金武湾港の管理問題に関して以下のとおり質問と要請をします。

  また、本部塩川港での来月分のベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用を許可しないよう申し入れをします。

               記 

1.辺野古海上警備業務受注業者による金武湾港の違法使用問題について

 辺野古新基地建設事業の海上警備業務を担うセントラル警備保障が、北部土木事務所が所管する金武湾港にプレハブやコンテナ等を無許可で設置したり、岸壁を無断使用していたことが昨年12月上旬、明かになった。

 我々はこの問題について昨年12月から毎月、北部土木事務所に詳細の調査と業者への指導内容等について質問と要請を続けてきた。北部土木事務所は昨年12月の文書回答では、「プレハブ・コンテナの設置、警備艇の陸上仮置き、岸壁使用は無許可であった」と認めたが、3月25日の面談では、ほとんどの項目について、「事実確認中の案件であり、事実確認に支障がでることからお答えできません」と答弁を拒否した。

 しかしすでに年度も変わっており、いつまでも「事実確認中」として説明を拒否し続けることは許されない。我々の3月21日付の「質問と要請」の「1-1」から「1-6」について再度、回答されたい。

 

2.本部塩川港でのベルトコンベア使用許可について

2-1.北部土木事務所が、我々の強い抗議にもかかわらず、本部塩川港にベルトコンベア設置を許可してからすでに1年が経過した。ベルトコンベアは月のうち3分の1程度の使用にとどまっているが(特に、昨年9月25日から10月21日までは27日間連続で使用していない状態が続いた)、3000平方メートル以上もの広大な港湾敷地が、特定の業者によって、常時、フェンス・土嚢で囲われ、ベルトコンベアが置かれたままの状態となっている。

 防衛局は、辺野古への埋立土砂海上搬送は今後数年間続けることを予定しているから、このままではさらに長期間、ベルトコンベアが置かれたままの状態が続く。特定の業者にこのような広大な港湾施設を長期間にわたって独占的に使用させることこそ、港湾法第13条の不平等取扱禁止規定に抵触する(そもそもこの不平等取扱禁止規定は、本来は大きな業者が小さな業者を締め出さないように定められた規定である)。

 現在離島等向けの業者が使用できるバースは第3、第4バースだけである。第5、第6バースも辺野古用に使用されており、そのダンプトラックが出入りするため、離島向けの業者の積込み作業には支障をきたしている。離島向けの業者にヒヤリングを行い、作業に支障をきたしていないかどうか、その実態を把握するべきではないか?
 辺野古向けの土砂搬送作業が優先されている現状こそ、「不平等な取扱い」である。来月分のベルトコンベア設置を許可しないよう強く求める。

2-2.辺野古埋立の土砂海上搬送のために本部塩川港でのベルトコンベア設置を許可することは、「辺野古新基地建設阻止」という県政の柱に矛盾する。また、知事は昨年11月、設計変更申請を不承認した際、「埋立工事をこれ以上継続することは許されない。全ての埋立工事を中止すべきだ」というコメントを出しており、本部塩川港のベルトコンベア設置を許可し続けることは認められない。

 この点について県は、「港湾法、港湾管理条例上、不許可とはできない」と弁明している。しかし、2017年当時、北部土木事務所は国頭村奥港から辺野古への石材海上搬送のための港湾使用許可を出してしまったが、奥の区民や県民の強い反対に、当時の翁長知事は防衛局に対して奥港からの海上搬送を中止するよう求めた。その結果、半年間の港湾使用許可が出されていたが、防衛局は奥港を1回使用しただけで、その後の使用を諦めざるを得なくなってしまった。今回は何故、当時のような毅然とした対応をとれないのか? 

2-3.本部塩川港のベルトコンベア設置については、以前は、本部町が荷さばき地使用許可を出していた。ところが、2018年7月以降は突然、県が港湾施設使用許可を出すように変更した。この点について北部土木事務所、「本部町と県は連絡調整を行い、固定物の設置など、荷さばき地の使い方として適さないものについては港湾施設用地として取り扱うと整理した」と説明している(本年2月4日、3月25日の回答文書)。

 この「本部町と県との連絡調整」は、何時、行われ、誰が出席したのかを明らかにされたい。北部土木事務所は、「本部町と県との協議文書はない」と繰り返しているが、協議文書もないのに、上記のように回答する根拠を説明されたい。 

2-4.「固定物の設置は港湾施設用地として取り扱う」というのであれば、ベルトコンベアや鋼製枡等の部分だけに限るべきである。3014㎡もの広大な敷地を全て港湾施設用地使用許可とし、使用料を大幅に軽減しているのはおかしいのではないか?

 

3.その他、本部塩川港の管理問題について

3-1.ダンプ台数、警備員のマスク着用、防衛局職員による市民の映像撮影についての文書指導

 本部塩川港では、①防衛局が地元に1日のダンプ台数を160台と説明していたことを守ること、②警備員に不織布マスクを着けさせること、③防衛局職員による市民らの映像撮影を止めること等が問題となってきた。

 北部土木事務所はこれらの問題について、昨年12月22日に防衛局に文書で申入れを行ったという。さらに本年3月25日、「その後、電話で申入れを行っている。3月23日にも面談し、文書内容のとおり対応するよう求めている。今後も引き続き対応を求めていく」と文書回答した。

 しかしその後も事態は全く改善されていない。3月23日以後の指導の詳細、そして、今後、防衛局をどのように指導するのか説明されたい。

 

3-2.本部塩川港の補修工事について

3-2-a. 県は、先日、県内の全港湾の劣化度調査の結果を公表した。それによると、本部塩川港では、荷さばき地F-4-11の3ヵ所について、「舗装にはがれ、沈下が見られる」として、劣化度が最も高い「A判定」、岸壁C-1-4について、「鋼矢板に孔食が見られる」として「A判定」、管理道路D-1-10について、「舗装に70mm程度の沈下や表面劣化が見られる」として「A判定」とされている。泊地等を含めると、本部塩川港の9施設が、「性能が低下している状態」の「A判定」である。

 北部土木事務所は、3月25日、「劣化度の高い施設を段階的に工事しており、R2年度は泊地の土砂浚渫、R3年度は臨港道路の補修を実施した。今後は予算状況を確認しながら劣化した施設の復旧を順次行っていく」と文書回答したが、その作業予定を明らかにされたい。

 特にA判定された荷捌地F-4-11にベルトコンベアを設置し、大量のダンプトラックによる土砂搬送が続いているが、早急に使用を停止させ、全面的な改修工事を行うべきではないか? 

3-2―b. 北部土木事務所は、3月25日、「今年度、十字路部分及び荷さばき部分は仮舗装で対応している」と回答した。しかし、手直し部分もすでに損傷しており、昨年の手直し工事があまりに杜撰な施工であったことは明らかである(添付資料参照)

 北部土木事務所は、今後、側溝復旧にあわせて十字路部分の舗装復旧を実施する。荷さばき部分の舗装はタイヤ洗い場の撤去・移設にあわせて処理し、水たまりは解消する」と文書回答した。十字路部分の舗装復旧工事は何時、行うのか? タイヤ洗い場の移設について具体的に説明されたい。 

3-3.ダンプトラックの台数制限について

 本部塩川港の臨港道路の舗装厚は、表層(密粒度アスコン):5cm、基層(粗粒度アスコン):5cmで施工されている。これは、計画交通量を1000台/日以下とした場合の舗装厚である。

 しかし現在、本部塩川港では、辺野古への土砂搬送のためのダンプトラックが多い日には900台を超えている。離島向けのダンプトラックや補修工事の大型車両等を加えれば、1000台/日を超えていることは確実である。十字路部分等では往復の通行となるから、2000台/台という凄まじい量である。

 北部土木事務所は、3月25日、「現在の舗装構成で満足することを確認している」と文書回答したが、これはどういう意味か?

 今後も土砂搬送は増加することが予想されるが、港湾施設の適切な管理のためにも、1日当りの台数制限が必要ではないか?

 

3-4.本部塩川港の環境対策について

3-4-a. 粉じん対策について

 本部塩川港や国道449号線では、粉じん問題が深刻である。

 ベルトコンベア設置については大気汚染防止法第18条1項に基づき、一般粉じん発生施設設置届出書が提出されているが、そこでは、「散水設備により散水が行われていること」等とされていた。しかし、昨年、ベルトコンベアから土砂が落ちる際、凄まじい粉じんが舞い上がっていることが問題となった(右写真参照)。県の指導もあり、業者からは上記届出書の変更届が出され、土砂に散水するために高圧洗浄機を設置することとなった。           

 この高圧洗浄機はどのように稼働しているか、県は確認しているか? 港湾施設用地使用許可申請書に高圧洗浄機の記載がないのは何故か?

 また、県として国道449号線の粉じん調査を行うべきではないか?

 

3-4-b. 濁水対策について

 本部塩川港へのベルトコンベア設置は一昨年から申請されていたが、県は県民の抗議を受け、長く許可できなかった。昨年4月から許可を出したが、その理由は「濁水処理プラント設置等、濁水対策が講じられている」というものだった。

 港湾施設用地使用許可書には、「使用許可範囲内から濁水処理水を排出する際には、浮遊物質量を測定し、記録を行うこと。港湾管理者が求める場合にはその記録を提示すること」という許可条件が付されている。この1年間、濁水処理水の浮遊物質量の記録提出を求めたことがあるか? 

3-5.琉球セメント安和桟橋前の国道の破損について

 琉球セメント安和桟橋からは、さらに多くの辺野古埋立用土砂が海上搬送されている。本年4月16日には、朝7時から夜8時まで、計1,139台ものダンプトラックが安和桟橋に出入りした。県は、国道449号線の大型車両の交通量を把握しているか?

 こうした大量の大型車両の通行により、安和桟橋の出入口付近の舗装損傷が著しい(右図参照)。

 国道部分の舗装厚と計画交通量を明らかにされたい。      

 また、舗装の損傷が繰り返されていることから、従来のような応急措置ではなく、抜本的な改修工事をすべきではないか?

 

まとめ

 このように、本部塩川港では、施設の損傷や環境の悪化が深刻である。

「港湾施設使用許可に係る審査基準」は次のように定めている。

  • 港湾の開発、利用、保全及び維持管理上、支障となるおそれがないこと
  • 港湾施設等の能力に照らし適切であること
  • 港湾施設等が損傷又は汚損されるおそれがないこと
  • 環境を悪化させるおそれがないこと

 現在の本部塩川港の実態は、これらの審査基準に抵触している。少なくとも、ベルトコンベア設置許可を見直すべきではないか?

 

 

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