チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

本部町、沖縄県による本部港(塩川地区)の長期間の岸壁使用許可は許されない --- 「事務の簡素化」を名目に条例の趣旨を逸脱してはならない!

2019年12月15日 | 沖縄日記・辺野古

 本部町が辺野古への土砂海上搬送を続けている本部港(塩川地区)の岸壁使用許可を従来の1ケ月単位から、今回、12月1日から来年3月末までの4ケ月間も出してしまったことを昨日のブログで批判した。業者らの要請に屈してしまったようだ。

 沖縄平和市民連絡会が、岸壁使用許可は、港湾管理条例施行規則の様式に従い、毎回の着岸・離岸のたびに申請を出させるよう沖縄県に要望したばかりの時期である。本部町も当然、そうした動きを知っていた。それにもかかわらず、逆行する決定をしたのだから信じがたいことだ。そして、沖縄県も「権限を町に委譲しているので町が判断する」として本部町の対応を認めてしまった。このままでは、辺野古への土砂海上搬送のペースが加速してしまうことが危惧される。

 昨日・今日の琉球新報・沖縄タイムスはこの問題を報じた。本部町は、「1ケ月ごとの許可だと事務手続きも煩雑化するため簡素化した」と弁明しているようだ。

    

        (沖縄タイムス 2019.12.15)     (琉球新報 2019.12.14)

  沖縄県港湾管理条例施行規則は、「港湾施設の使用の許可を受けようとする者は---表の右欄に掲げる申請書を知事に提出しなければならない」として、岸壁使用許可申請については第3号様式の申請書と定めている。その第3号様式は次のとおり、「着岸(予定日時)」「離岸(予定)日時」を記載することとされている。

 

 上は、この9月に提出された10月分の辺野古への土砂海上搬送船の岸壁使用許可申請書だ。ここでは、「着岸(予定)日時:2019年10月1日」、「離岸(予定)日時:2020年3月31日」とされていたが、本部町は本年10月1日~10月31日の1ケ月間の許可を出していた。ところが本部町は、この12月1日から、来年3月31日までの4ケ月間の許可を出してしまったのである。

 第3号様式を見ても明らかなように、岸壁使用許可申請は毎回の着岸・離岸のたびに出すことを前提としている。上の申請書は、「着岸(予定)日時:2019年10月1日」、「離岸(予定)日時:2020年3月31日」とされているが、これでは、10月1日に着岸し、船をそのまま係留して来年の3月31日に離岸するということとなる。この第3号様式は、岸壁を長期に使用し、その間は何回出入りしてもよいということではない。

  岸壁使用許可申請が出されれば、港湾管理者は、許可にあたり、錨(びょう)泊個所を決める。長期間にわたって、港の好きな岸壁を、好きな時に利用してもよいというような許可は港湾管理上もあり得ない。その期間に新たな岸壁使用許可申請が出されれば、どうして許可・不許可を判断するのか?

 本部町は、「手続きが煩雑化することで管理事務所の業務に支障が出ていた」ので、「事務処理の簡素化」のために変更したという。しかし、業務に支障が出ていたのなら、職員の増員等で対応すべきである(1ケ月単位の許可を4ケ月単位にしたところで、業務内容が大幅に変わるとは思えないが)。法令に定められている業務を「簡素化」することは許されない

 そもそも本部町は、2017年までは港湾管理条例に違反し、岸壁使用許可申請書を提出させていなかった。辺野古への石材搬送が開始されてそのことが明かになり、強い批判を浴びて申請書を出させるようにしたばかりだ。その際に何故、職員を増員しなかったのか。

 知事は、法律の範囲内で的確に運用されているか否かは町が判断し、我々はそれを尊重する(2019.12.14 琉球新報)とコメントしているが、県管理の港湾であり、県も法令にもとづいて運用されているのかどうかを判断する必要があることは言うまでもない。

 岸壁使用許可申請は、毎回の着岸・離岸のたびに提出させなければならない。

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