辺野古側への土砂投入は、防衛局の発表でも、9月末時点で必要土量319万㎥に対して318万㎥、すなわち99.7%が終了した。10月に入ってからも連日、本部塩川港・安和桟橋からの土砂海上搬送が続いているので、現時点ですでに必要土量319万㎥をかなり超えている。
すでに、将来の大浦湾の埋立のための土砂仮置き工事に入っている。これは、設計変更申請の内容を先取りしたものであるから、設計変更申請が承認されていない現状では公有水面埋立法違反となり許されない。知事も8月29日、「必要量を超える土砂搬入の中止」を求める行政指導を行った。
しかし沖縄県は今も、本部塩川港でのベルトコンベア設置を許可し続け、辺野古への土砂海上搬送の加速に協力している。
そのため、本部町島ぐるみ会議は、本日、知事宛に、ベルトコンベア設置を許可しないようにという要請書を提出した(末尾参照)。早急に、三役との面談の場を設定するよう求めている。
知事が、あくまでも辺野古新基地建設を許さないと設計変更申請を承認せず、代執行訴訟を争っていることについては多くの県民が支援している。しかし、各部署の具体的な業務で辺野古の工事に協力することになっては話にならない。
(本部塩川港のベルトコンベア)
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(以下、知事宛の要請書の全文)
沖縄県知事玉城デニー様 2023年10月24日
要 請 書
本部町島ぐるみ会議
代執行訴訟への対応等、辺野古新基地建設にあくまでも反対するという知事の姿勢に敬意を表します。
この間、沖縄防衛局は辺野古側での埋立工事を進めてきましたが(「シュワブ(R4)埋立追加工事(1~3工区)」)、海岸防災課が防衛局に進捗状況を照会したところ、「本年9月末時点で318万㎥の土砂を投入した」という回答があったとのことです。これは、辺野古側埋立に必要な土量319万㎥の99.7%にもなり、残りは1万㎥だけです。
私たちは、連日、早朝から夜間まで、本部塩川港・安和桟橋で辺野古への土砂海上搬送のために使用されているダンプトラックの台数をカウントしています。その結果、10月1日~23日にかけて、本部塩川港では3,922台、安和桟橋では10,238台、合計14,160台のダンプトラックが使われたことが確認されています。
下の表は、9月21日付の土木建築部長宛の要請書にも添付したものです。防衛局の発表した土量をもとに計算すると、昨年後半から今年にかけて、ダンプ1台当りの土砂積載量が不可解なことに、3.70㎥→3.13㎥→2.95㎥→2.37㎥→2.44㎥と減ってきています。これは、防衛局が土量を少なく発表しているからとしか考えられません(本年5月以降のダンプ1台当り土砂積載量を3.13㎥で計算すると、7月中旬には319万㎥に達していたはずです)。
百歩譲って防衛局が発表した数字が正しいとしても、10月1日~23日までの土砂搬送量は14,160台×(2.37~3.70)㎥/台=33,559㎥~52,392㎥となりますから、9月末時点の318万㎥に加えると、10月23日時点の辺野古側への土砂投入量は321㎥~323万㎥となり、必要量319万㎥を優に超えています。
このことから、現在、行われているのは大浦湾の埋立に使用する土砂の仮置き工事(「シュワブ(R5)造成工事(1~2工区)」)であることが分かります。大浦湾埋立のための土砂仮置きは設計変更申請の内容であり、設計変更申請が不承認とされている現時点で着手することは許されません。
知事も本年8月29日、「当初願書等に示された工事内容とは認められないことから、埋立区域②において必要とする埋立土量約319万㎥を超える購入土砂等を搬入すること及び造成工事に着手しないこと」という行政指導を行われました。
以上の点から、下記のとおり要請します。
記
1.辺野古側の埋立工事は既に必要土量319万㎥の投入が終り、現在は、大浦湾の埋立のための土砂仮置き工事(「シュワブ(R5)造成工事(1~2工区)」)の段階に入っている。
この点について、県としての現状認識を示されたい。
2.現在の辺野古側への土砂搬送は、設計変更申請の内容を先取りしたものであり、公有水面埋立法上許されない。本年8月29日付の知事の行政指導にも反していることから、防衛局に対して速やかに中止するよう強く指導すること。
3.県北部土木事務所長に対して、本部塩川港でのベルトコンベア設置のための港湾施設用地使用申請を11月以降は許可しないよう指示すること。