9日(金)、本部町島ぐるみ会議が、本部港から辺野古への石材海上搬送を許さないための取組みの一つとして起こした住民監査請求の陳述会が開催された。
午前中、請求人を代表して私と仲宗根町議が陳述。午後、照屋港湾課長が、県としての陳述を行った。本部町をはじめ、多くの人たちが傍聴に来てくれた。
(監査請求の陳述会。正面の3名が監査委員さん)
・QABテレビニュース「本部港使用是正請求 辺野古へ資材搬出で市民団体」(2018.2.10)
・OTVテレビニュース「適正な港の管理を求める住民監査請求 市民団体と県が意見陳述」(2018.2.9)
今日の県の陳述は驚くような内容だった。
たとえば、私たちは今まで本部港の杜撰な港湾管理の実態について指摘してきたが(たとえば本年1月12日のブログ)、その一つが、港湾施設の中で民間企業が全く関係のない他所の工事のコンクリート製品を製作していることだった。それを本部町は、荷さばき地の使用許可で認めてきた。しかし、荷さばき地とは貨物の積卸しのための一時的な使用のためのものであって、今回のような目的には該当しないことは言うまでもない。
私たちは昨年11月以来、この問題を県に追求してきた。県も、「(このような使用は)適正ではない」と認めざるを得なかった。ところが今日、港湾課長は、「このコンクリート製品製作場については、県が本年1月31日付で港湾施設用地使用許可を出したので、現在は適正に行われている」と陳述したのだ。
そもそも、民間企業のこのような使用は港湾施設用地使用許可の対象とはならない。港湾法の何処に該当するというのか? 住民が監査請求を起こしたため、慌てて港湾施設用地使用申請を業者に提出させて県が許可を出し、体裁を取り繕うことなどあり得ないことだ。これは1月31日までの使用と本部町の許可が違法であったと認めたことでもあるが、その間の港湾施設用地の使用料はいったいどうなるのか? 本部町の責任を免罪し、業者の今までの違法使用を黙認したあまりにひどいものではないか?
今まで沖縄県は、「本部港については事務処理を本部町に移譲しており、許可の判断は本部町が行っている。県として指導する立場にはない」と主張してきた。ところが、今回、県が初めて港湾施設用地使用許可を出したのだから、「全て本部町の判断」という従来の主張が崩れたとも言える。
また我々は、本部町が許可した荷さばき地等の使用許可には、使用面積が間違っていたり、算出根拠があいまいなものが多いと指摘した。これらの使用料は、1ケ月後に本部町から県に納入される。したがって、県は当然、納入された使用料が適正かどうかの確認をする必要がある。ところが県は、この点については、「それは本部町がするべきであって県は関係がない」と主張したのだ。県に納入される使用料の内容についてチェックすることはないというのだから驚く。財産の適正な管理を怠っていることは明らかである。
こうした県の陳述に対して、3人の監査委員さんらから港湾課長に鋭い質問が相次いだのは当然だろう。杜撰な港湾行政を是正しないまま、また新たに辺野古への石材海上搬送を認めることはあり得ない。奥港の使用許可の取消しはもちろん、本部港からも石材海上搬送を許さないための県の毅然とした対応が望まれる。
監査委員は3月12日までに監査結果を公表する。その内容に期待したい。