なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

飯能信用金庫

2006年11月18日 | 
コンサートイベントへ。以前から大変注目している梯剛之君のリサイタルである。このイベントとしては珍しく入場料1000、だけじゃなくて、応募者多数の場合抽選、をかいくぐって上手いこと当たりくじを引けた訳です。
 梯君のご両親は現在、確か日高市在住だったかな?その関係で呼ぶことができたんだろうけど、よくまあ、彼がこんな小さいコンサートに、こんな料金で出演してくれたもんだ!と喜びつつ、驚きつつ東飯能の飯信本社ビルへ。東飯能の丸広がいつの間にか潰れていたのかあ!とあっけに取られつつ。
 はんしんホール、小さいけど、結構造りは立派で、まずビックリ。お金持ちなんだなあ。ピアノはスタインウエイだし。でもって、リサイタルの曲目に仰天。大体、この手のコンサートって「名曲集」みたいな、ちゃらい演目が多いのに、なんとオールモーツァルトプログラム!すげえ、この人、本気のプログラムを組んできた!じゃあ、本気で聴かなくちゃ!!
曲目は
 ロンド ニ長調K.486
 ロンド イ短調K.511
 トルコ行進曲
 サルティの歌劇「二人が争えば三人目が得をする」のミンゴーネのアリア「子羊のごとく」による8つの変奏曲イ長調K.460
 ピアノソナタNo12ヘ長調K.332
 ピアノソナタNo17ニ長調K.576
そんでもって、アンコールはシューベルトの即興曲
 これ、都内のホールで聴いたら、¥5000ですよ!!
 昔、彼の演奏(ショパンのコンチェルトNo1だった)をテレビで聴いた時の衝撃は未だに残ってて、とんでもない才能が現れた!と思ったものだったが。それから大分経ったけれど、その音楽はますます進歩している。繊細と大胆が揺れ動く触れ幅の大きい演奏。あーモーツァルトってこういう音楽だよな、私の音なんかゴミカスだよ~~。
 コンサート前の理事長さんだかのお話によると、前日にステリハを相当な時間やられていたという。楽器とホールの特性を把握しきっての演奏。真摯な姿勢が全く変わらないんだなあ。

 彼の演奏を昔聴いた時、こういう人がプロとして、仕事として演奏活動をするのは難しいかもしれない、と思った。仕事となると、評判・金・主催者の希望、雑事がメチャメチャ増える。この人の音楽はあまりに純粋すぎて、そういう雑事に入り込まれたら音が死んでしまうかもしれない、という危うさを感じたのだ。
 今日の演奏からは、その雑事に負けないパワーが聴こえてきたみたいで、大変嬉しい。このプログラム見ただけでも思うよ、どう考えても「弾いてください」なんて要望とかけ離れてるもんな。
 
 というわけで、いなかっぺ軍団の聴衆が大いに説得される、いい演奏会で、それを聴けて本当にラッキーだったと思う。

 梯君ご自身について。彼は何かというと「盲目なのにたいしたもんだ」と言われる。やめましょうよ、なんか、すごく失礼だよ。目の話なんぞどーでもいいじゃない、すごい才能が、確実に育っているのだ、それで十分ではないの。そういう人物を大事に育てられないのが、日本だ。こんなんでよく「教育基本法の改正」だなんて言えるよな。
 

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