顎当て
という、ヴァイオリンのパーツ これって、本来はあくまでも「付属品」であって、楽器に組み込まれているパーツではない。これがかなり「諸悪の根源」だよなあと。
顎当てって、ビバルディとかバッハの頃にはなかった、と言われていて、実際、今バロックヴァイオリンとされてる楽器には付いてないし、この奏者の方は付けずに演奏している。じゃあ、いつ頃付け始めたか?シュポアという、ベートーヴェンと同世代のヴァイオリン弾きの方が発明したのでは、と言われてるんです。シュポアが書いたヴァイオリン協奏曲ってかなり難しいんですが、まあ、それだけじゃなくて、ベートーヴェンのクロイツェルソナタなんてのは、もう、普通のバロックヴァイオリンではネックから指が落ちるくらいのハイポジション音程を要求するし、この時代辺りはもう、楽器自体もモダンスタイルになってたんじゃないかと。
シュポアさんは、そいう曲をホイホイ弾くのに、便利なフィッティングパーツとして発明したんでしょう。「勝った!!」って思ったかもね、当時は。つまり、このパーツは元来「王様のアイディア」風の便利グッズだった筈なんです。
けど、今どうなってるかというと、ヴァイオリンには必ず最初からくっついてて、なんか購入時に選択の余地なし風になってしまってます。これがおかしいのよ。
ちょっとネットで拾ってみた楽器写真ですけど。
これ、実際の販売写真らしいので驚いちゃうんですけど、顎当ての位置がこれで、どうやって楽器を持てっちゅうんでしょう?この位置の顎当てに頭を無理矢理合わせて楽器持ったら、それだけで頸椎障害起こします。売ってる人、ヴァイオリン弾いたことないんじゃないの?
ところが、こんなのが普通に楽器の実店舗にも並べられてて。どころか、製作家の楽器にすらテキトーな顎当てが引っ付いているのが100%。演奏する人の事なんかなーんも考えてないってことですわね。呆れる。
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