M谷から実家に辿りつき飲んだ翌朝、目を覚ますと喉が痛い。酔っぱらって鼾をかいたのか、日本酒を飲みすぎたのか・・・・。束の間の両親との時間、申し訳ないと思いながらも、帰路にどこを歩こうかと考えていた。天気は・・・・、悪いらしいが、朝方から晴れ間もあって実感が湧かない。あてにならない天気予報だ、今日は大丈夫かも・・・。
そう思って実家を出たが、平野部から登りはじめた道の先の山が霞んで見える。おかしいなと思って走っていると、やがて雨が落ちてくる。そして、雨の残像がいやにはっきりとみえるなぁと思っていると、雨は霙に、霙は雪に変わって行く。そして・・・・・、これは吹雪じゃないか。ユキワリイチゲの開いた姿を見る夢は霞んで行く・・・・。
もう、花をあてにするのはやめて新しい場所の様子見をすることにして車を走らせた。国道を左に折れてから30分ほど走っただろうか・・・・。車幅ぎりぎりの道を通り、うろ覚えの道を走る。途中、雪は降ったり止んだり。人気のない林の中の広場に車を停めてザックに必要なものを入れる。
さて・・・・、下ろう。
セリバオウレン
薄暗い杉林の中を通り、急な坂を川まで下って行く。日陰の辺りにはセリバオウレンが山ほど咲いている。
坂は急で、膝を痛めそうだ。ゆっくり下る。途中・・・・
ケスハマソウ?
カタクリ
道の脇にはいろいろな植物が芽を吹き始めている。やがて傾斜は緩くなり谷の底に着いた。
ケスハマソウはまだ、咲き始めのようだ。下から芽吹いているのはイチリンソウの葉。
ケスハマソウは薄っすらとピンク色をしているものもあるようだ。
谷を探索する・・・。
苔 イチリンソウ、コチャルメルソウの葉
何だった? これは珍しいのだと去年、教えてもらったものと同じなんだが・・・・
左:ベニチャワンタケ?
右:ヒラタケ
倒木にヒラタケが出ていたのだが、僅かに残っていただけで、大半は綺麗に切り取られていた。この季節にこんな所をうろつく人間はあまりいないだろう・・・。しかもヒラタケを採っていく人・・・。
徹底的に歩きたいところだが、寒い。花もこれからという様子なのと、雪のちらつく誰もいない谷を一人歩いていると、何といっても孤独感に襲われる。冒険はまた今度、暖かいなってからにしようか・・・・。
戻ろう。河原から上り始めてすぐ・・・・、あっ。
桃色のケスハマソウ
ここは下ってきたときも通ったはずなのに・・・・。六甲山系の桃色のケスハマソウとは明らかに違う特徴だ。
その斜面の上には沢山・・・
ベニチャワンタケ?
あとは登るだけ。道の周囲を見渡しながらゆっくり登る。
雪がひどくなってきた。
遠くの山は雪で霞んで見える。
谷への下り口まで戻り、車までの杉林の下を歩いて行くと・・・・
セリバオウレンだらけ
車に戻り、また細い道を走る。
道の先に何かいるぞ・・・・。
こんなところで出会うとは思わなかった。道をあけてくれよ、早く、国道に戻らなけりゃ・・・。
バイバイ!