三鈷峰から、来た道を戻り、T字路の辺りでザックを下ろした。そろそろ、昼飯時だ。オニギリを齧りながら、一本のビールを相棒と飲む。腰掛けた周りも花だらけ。
しばらく、のんびりと座って景色を眺めていた。ガスが流れてきて、周囲が見えなくなったり、また、突然視界が開けたり・・・・・。アサギマダラが飛んできてシモツケの花にとまったが、風に吹かれて下のほうに飛んでいってしまった。クワガタも飛んできた・・・、何クワガタか分からなかったが、こんな山の天辺まで飛んでくるんだ・・・・。
暇なので、すぐ近くのユートピア小屋まで歩いて登った。登る道の周囲は緑で覆われている。
ギボウシが一面に咲き始めている斜面があった。
その斜面の反対側はびっしりとクガイソウが生えている。それぞれが、小さな蕾を付けていて・・・・・
良く見ると、その周りにシモツケソウが赤い蕾を沢山付けていた。これが、みんな満開になったらどんなだろう・・・。しばらくは予定が詰まっていて・・・、週末は来れないな・・・などと、考えながら歩いていた。
さて、降りよう・・・。上宝珠越まで下る。
そして、ここから砂すべりを一気に下る。
相棒が先に下りて行く。マラソンを走るだけに、早い早い・・・
こちらも、順調に下る。砂すべりというくらいだから、半分滑るように降りてゆくので、膝にもたいした負担にはならない。が、たまに大きな岩が転がっていて、油断は禁物だ。相棒は勢い良く下っていったが、下のほうで靴に入った砂をとるのに苦労をしていた。
元谷の下部には、また幾つかの花が咲いていた・・・
ホソバヤマハハコ
ダイセンオトギリ
元谷といっても石ころが川のように続いているだけだが、端には僅かに水が流れている所がある。そんな場所には・・・・
ミゾホウズキ
やがて、石ころだらけの谷にも緑が多くなり・・・・
ヤマボウシ
やはり、花は端が赤味を帯びている・・・・
ツルアジサイ
花は終わっている・・・・
元谷から、また、ブナ林に入り・・・・
ヤマアジサイ、クサアジサイの咲く細道を下り、神社の境内に戻った。
ブナ林で出会ったきのこ達は、またいずれ・・・・。これで、ユートピアの報告はお仕舞い。でも、また行くような予感・・・・・
クガイソウ
どうやら、これはクガイソウのようだ。蕾が紫がかっている。やはり、花が咲くのはもう少し先。
クサボタンの蕾(教えてもらった・・・)
シュロソウ
始めてみる花、蘭の仲間だろう。道の両脇にポツポツと咲いている。
ダイセンクワガタ
穂の先に僅かに花が咲き残っていた。
ようやく、T字路に到着。
三鈷峰を望む
大山方面を望む
足元にはダイセンオトギリが咲いていた。
ダイセンオトギリ
クガイソウとシモツケソウの蕾
周囲はクガイソウとシモツケソウの蕾・・・、開いているのはシモツケとヤマブキショウマ?まだ、11時だ。少々、疲れたが昼飯には早い・・・。近くの三鈷峰まで登ってくることにした。
緑に覆われているが、僅かに道が見えている。
オオバギボウシ
クガイソウ
レンゲツツジ
イワキンバイ
道が続いている。岩肌の隙間にイワキンバイが花を咲かせていた。見ていると吸い込まれそうだ。
イワキンバイ
先を進んでいたMがびびっている・・・・。「行く?、止めとく?」・・・
あの先に何が見えているのか・・・・
分からないまま、「行く、けど、カメラを仕舞ってから行くから」と答えた。心細い程、細い尾根を渡りきり、越し方を見る。
絶景かな
カラマツの下にクルマユリの蕾を見つけたりしながら歩き、三鈷峰に到着。また、ガスが濃くなってきた。
山頂
山頂のケルン 3個?
つづく(そろそろ、次回で最終回にしなければ・・・)
アカヤマドリ Leccinum extremiorientale (L. Vassilieva) Sing.
去年、仕事場までの道にムラサキヤマドリタケが出て驚いた・・・・。なんと、今年はアカヤマドリまで出ているのに遭遇・・・・・。
「アカヤマドリ、お前もか・・・」
この他にも幾つか出ていて、場腐れているものもあった。長雨で地面が濡れていて、鞄を置く場所がなかった。木の枝に架けておいたが、写ってしまったな・・・。
写真を撮ってから、何食わぬ顔をして道に戻った。そして、またきのこ・・・
コウジタケ Boletus fraternus Peck
雨の日のきのこは色鮮やかだ。
ベニヒガサ Hygrocybe cantharellus (Schw.) Murrill
さて、今日も頑張るか・・・
下宝珠越から中宝珠越へ
相変わらず、山は雲に覆われていて、元谷越しに時々見える大山は裾野しか見えない。山の上が雲に覆われているだけで、足元は良く見えているのは救いだ。細い山道の斜面を小さな実を付けた植物が覆っている。
アカモノ?
道の脇の花はヤマアジサイは相変わらずだが、シモツケが混じりだしている。そして、麓ではかなり前に花の時期を過ぎている、卯の花が咲いていた。
卯の花(ウツギ)
これは、山では良く見るヤマハハコだが、葉が細長い。花はまだ先。蕾も見えていない。
ホソバヤマハハコ
道は続く・・・
左:ヤマアザミ
右:カラマツソウ
6月に来たときに沢山見かけたキンポウゲ科の葉はカラマツソウだったということだな。
視界はかなり、開けてきて時折、大山が見える。
ニガナの仲間(分からない)
ヤマボウシの花を何度か見かけたが、どれも赤味を帯びた花だ。そういうもの?
ヤマボウシ
これは、クガイソウの蕾だろうか・・・・、そうだとしたら、開花までは随分日にちが必要だ・・・・
クガイソウ?
ダイセンクワガタの花のあと・・・
左:サンカヨウの実
右:エンレイソウの実
蕾と花のあと、ばかり・・・・。やはり、時期が悪いか・・・・。葉だけで何か分かるようになったのは大したものだと、自画自賛・・・・
大山方面
景色が大きく開けた。雲も切れ始めている。
崖をロープをつかんで攀じ登る。
左:(ホソバ?)ヤマハハコ
右:カラマツソウ
色の濃いヤマアジサイ・・・
ヤマアジサイ
ニガナの仲間(分からない)
シモツケとカラマツソウの数が増えてくる・・・
シモツケ
カラマツソウ
足元に小さな白い花が咲いていた・・・・
大山寺の道沿いに咲いていたユキノシタとは違う。ダイモンジソウのような気がするが、秋の花ではなかったか?ジンジソウも秋に咲く花だが・・・・
でも、やっぱりダイモンジソウ?
上宝珠越を過ぎ、そろそろユートピア小屋も近づいてきた。のんびりと写真を撮りながら歩いて来たせいか、それほど疲れもない。もう、歩き始めてから3時間が経っていた・・・。
シモツケ
つづく
大山神神社を過ぎてブナ林から下宝珠越へ
6月は弥山山頂から元谷を経由して神社に出た。今回は元谷ではなくて下宝珠越へ向かい、尾根伝いにユートピア小屋を目指さなければならない。そう、思いながら道標の指す下宝珠越の方へ歩いていった。
ヤマアジサイ
クサアジサイ
道の両脇にはヤマアジサイが沢山咲いている。その中に混じって、白い花の紫陽花。クサアジサイだろう・・・。最初から写真を撮りながらのんびりと歩いていると、10人ほどの団体が歩いてくる。若い人から、そうでもない人・・・、皆、ユートピアを目指しているのかと感心したが、どうせ追い抜かされるのだからと道を譲る。
そのまま、のんびり歩いていると、先ほどの団体さんが早くも休憩をしていた。何とも、バツが悪いが挨拶をして、また、先を歩いてゆく。木の間から大山の姿がチラッと見えた。
弥山方面
今日はあっちじゃないんだな、と思いながら歩いていると、あれ?元谷に出てしまった・・・。どこかで道を間違えている・・・・。あわてて、来た道を戻る。どこで間違えたか分かった。さっきの団体さんが休憩していた場所・・・、その奥がユートピアへの分岐だったようだ。今日の相棒は、それを僕に訴えていたのらしいのだが、写真を撮っていて気がつかなかった・・・。やはり、この性格では1人の山歩きはキケン・・・。
戻って、ユートピアへの急坂を登る。両側から山が迫った狭い谷。登り始めて直に、白いきのこの生えた倒木があった。
ウスヒラタケ
食べられるきのこだが、今から採集している余裕はない・・・。そのまま、薄暗い谷を登ってゆく。辺りはヤマアジサイが満開・・・
ヤマアジサイ、エゾアジサイ・・・区別つかず
アジサイ・・・・
変った花をつけた木があった。なんだろう・・・、初めて見る花だ。木はというと、ウリハダカエデに似ているが、花は違う・・・
??
おもちゃみたいな花
こんな写真を撮りながら登り、下宝珠越に到着。
下宝珠越
そのまま、中宝珠越を目指して尾根を登ってゆく。
左:ダイセンオトギリ?
右:コナスビ
左:・・・・ホトトギス
右:ヤマアジサイ
これは・・・
タチシオデの実?
きのこだって・・・
左右とも、不明
カワリハツ
これでは、何時になったらユートピアに着くのか・・・、先を急ぐ・・・つもり。
ノリウツギ
これは、自宅庭でも蕾が沢山ついているノリウツギではないか・・・。
背の低い木に桃色の小さな蕾が付いていた。これも、初めて見るもの・・・
最近、仕入れた情報からすると・・・アクシバ?
相変わらず、歩いたり、写真を撮ったりしながら歩いてゆく。近くは視界が利くが、遠くはガスがかかっていて、景色はさっぱり見えない。湿度は異様に高く、既に服は汗で飽和している・・・・。
その木が立ち枯れであったのかどうか、見ていないのだが・・・・ブナの幹からツキヨタケが一つだけ出ていた。この時期のツキヨタケは・・・・初めてだ。
ツキヨタケ
さらに・・・・
イチヤクソウ
そして、本日初めての・・・・
シモツケ
ようやく、明るい場所に出た。
レンゲツツジ?
ヤマアジサイ
雲が少しの間だけきれて、明るくなっただけなのかもしれない・・・。一瞬見えた周囲の山は・・・・
やがて、また、雲?ガスに覆われて、大山の山々の崩落した裾野が僅かに見えるだけになってしまった。
大山・・・
つづく
ハナオチバタケ Marasmius pulcherripes Peck
ハナオチバタケには茶色のものと、桃色のものがあると図鑑にある。そして、茶色のハナオチバタケとハリガネオチバタケは肉眼では見分けがつかないとも書いてある。顕微鏡を使わない僕としては・・・・・、分からないとしか言えない。
でも、桃色のハナオチバタケと茶色のハナオチバタケが一緒に出ているところに出会ったことがなかった。この日、夕方から近くの公園にきのこを見に行った途中、車窓から見えた道ののり面の茶色のハナオチバタケ・・・、ハリガネオチバタケかもしれないが・・・、を見に行くと、桃と茶が一緒に出ていた。
だからと言って、どうということはないけれど、初めての経験だった。
(大山の写真・・・整理できず・・・)つづく
雲の中の大山
大山の駐車場で7時半に待ち合わせている・・・・・。昨夜はビールも程ほどにして、10時半くらいに寝床に着いた。眠れるわけないと思ったが、どうやらすぐに寝てしまったようだ。
予定通りに支度をして、家を出た。また、朝のオニギリと昼のオニギリをコンビニで買った・・・。今度は少し、考えてパンを追加し、内緒のビールを調達。
向かう高速道路の脇にはやたらと合歓の花が咲いている。これほどまでに、合歓の木は植わっているのかと・・・、この時期に気が付くのだ・・・。
合歓の花
既に色褪せてしまった木、とても鮮やかな朱色の木、いろいろだ。写真に収めたいところだが、高速道の脇に車を止めて・・・、なんて出来ない。どこかのパーキングで止めて、合歓の木を探した・・・。
約束の時間の10分度前に到着したが、友人は駐車場で既に準備運動をしていた。歩くのに、準備運動は要るのか?
登山コースは大山の神社を目指して歩き、途中で分岐して急坂を一気に登る。しばらくは参道を歩いてゆく。この道は歩くだけで、いろいろと楽しめる。
参道に咲くヤマアジサイ
ホタルブクロ
ユキノシタ
やはり、自宅より開花の時期はかなり遅い。参道の脇の溝には・・・・
ミゾホウズキ
初めて、見た・・・
奥の宮への石段を登ってゆく・・・・
大神山神社奥の宮
登山道へと進み、ヤマアジサイの咲く道を歩いてゆく。
道の脇には、所々、小さな白い花が咲いている・・・
ツルアリドオシ
やがて、道標があり、ユートピアコースへの道を辿った・・・・、積もり。
つづく
大山
突然、思い立って大山を登ったのは6月5日だった。その時にユートピアコースの事を始めて知った。7月の中旬から8月の上旬は、ユートピア小屋付近の花畑がきれいだと・・・・
何とか訪れたいと思っていたが、上級者向けのコースとのこと。それに、いろいろ都合があり、その時期になかなかスケジュールが合わないと思っていた。友人が、今週末行く・・・・、と連絡してきたのは一緒に行かないか?ということだろう。日曜は雨の予報、土曜は曇りの予報なので、チャンスだと思っていたので、近くの山を登るのなら、いっそ、大山に付き合うか・・・ということになった。不安ではあったが。
いささか、疲れたので今日はその報告の予告。終日、曇り。ちょっと、晴れ間が見えることはあったが、ほとんどの時間、山はガスに覆われていた。
山登りも、花も、ちょっときのこも楽しめた。が、予想通り、天上の花園が盛りになるのまでには、もう少し時間が必要なようだ。
それと、登ることについては何とかなったなという感じ。少しは筋力がついたせいなのか、写真ばかり撮っていて、のんびりとのぼったせいなのか分からないけれど。でも、多分、後者だろうね。友人もいたし、花も景色も見なきゃならないものが沢山あったから。
アイタケ
意味深なタイトルだ・・・が、ただの語呂合わせだ・・・な。夕べは七夕だったしね。
今年、初めてのアイタケ、勤め先の300mの間に出るなんて・・・。その脇の叢の手前には、また数を増した Russula が・・・
キチャハツ
一応・・・・
コツブタケ
雨が随分と降ったせいなのか、出始めとは随分と大きさの違うコウジタケ
コウジタケ
これも、ついでに載せておこう・・・。出始めてから随分経つが、食菌なのに誰にも収穫されない・・・可愛そうな奴・・・
アンズタケ
今日は所用あり、早帰り。帰りの300mで見つけた Amanita・・・
Amanita sp. ガンタケ風。でも、なにか違和感があるなぁ・・・
そして、車を止めて門を開け、振り返ると・・・・なんてこった!
芝生の中の小道をタヌキがノロノロと登っていた。少しは、警戒しろよ。いくら田舎だからって・・・。
ミヤマベニイグチ
話すと長くなるのだが・・・・、でも話さなければ分からないな・・・・。
日曜日は天気予報では、天気が悪く午後には雨も強く降る・・・・筈だった。昨日は雨の中、歩き回ったから今日は大人しくしていようと思っていたのだ・・・・が、何で朝から青空が広がっているんだ?
その内、雲が広がり雨でも降り出すだろうと思っていたが、薄曇りのまま。慌てて家を出る。今日も山に登ってトレーニングしなければ。
少し離れた山を目指す。といっても昼からだから低い山だ。高速に乗って近くのICで降りた。さて・・・と地図を探したが、自宅に忘れたようだ。ナビで目印を探そうと思ったが、分からない。どこかで人に道を聞こうと思っていると、空は暗くなり・・・・、やがて雨が降り出した。そのころには3時近くなり、今さら山登りでもないか・・・。空しさを感じつつ、帰路に着く。
高速を降りて自宅に向かう途中、これでは無意味な一日になると思い直し、先週も登った山に向かった。登り始めは午後の3時半。同じ道を登る。同じパンツ、同じシャツ、同じ靴。でも、シャツの下に秘密兵器を着てきた。こいつの威力を確かめたかったのだ。
先週も蒸し暑く、山頂まで登るまでに汗でシャツはビショビショになり、山頂で着替えたが、下りでも汗で濡れ、最後は体が冷え切ってしまった。今日はどうなのか・・・
先週と同じような蒸し暑さの中、一時間程で山頂着。汗は流れるほど出ているが、上に着たシャツはそれほど濡れていない。山頂のベンチに座った時に汗が秘密兵器の裾から流れ出た。
山頂には三脚を構え、空の写真を撮っている若者がいた。空を見ながらレンズを取っ替え引っ換えしている。しばらく休みながら見ていたが、何をしているのかどうしても知りたくなった。何でも、以前に雲の写真を撮っていたら、太陽の下に珍しい虹のような色に染まる雲の写真が撮れたのだと言う。それはとても珍しいものだと人から知らされ、そのような光景を捜し求めているのだと・・・・。昼から良い条件になってきたので、この山の頂上に上って来たらしい。篠山の山に登ろうと行って見たが、雨が降り出したのでこの山に登ったというと、「そうですね、あっちの空は暗くなって、梅雨空の雲でしたね」という。この頂でずっと見ていたのだ。こいつは同類だ、と思い、「また、どこかで会いましょう」といって山頂を後にした。
30分は話していただろう・・・、でも体は冷えることはなかった。降りる途中、登るときには気が付かなかった赤いイグチを見つけた。
ミヤマベニイグチ
下りはやはり楽だ。軽快に下ってゆくが・・・・
下った先には、また登らなければならない山が見えている。低い山といってもこれが続くのは嫌だ。
ヘビキノコモドキ
途中に見かけたきのこ。毒です・・・。
とはいっても、先週よりは体が慣れたのだろう・・・。調子に乗って、駐車場まで一山越えて近道しようと思った・・・。道があるのかないのか分からないところを進み、山を越えたところ・・・
懐かしい池だ。よく夏に通った池。誰もいない池で泳いだものだ。
足元のニガイグチ属
丘を下り、剥き出しのガレ場を下り、駐車場に着いた。
最後の冒険は余計だったが、汗もたっぷりかき、秘密兵器の威力も確かめられたので、まずまずの一日・・・・・だった。帰宅後のビールが旨かった。