この日は友人と氷ノ山に登ることにしていた。週間天気予報では雨の予報だったが、予報は予報、きっと天気は変わると暢気に考えていた。でも、前日になっても何も変化無く、降水確率70%とか。。。。
前日に友人からメールがあり、八重のイチリンソウの苗を、取り敢えず届けに来るとのこと。ひょっとしたらの気持ちもあり、来るなら午前中に来てくれと頼んだ。
予定より早く着いたと言いながら、友人は到着。雨は降っても大したことは無さそうだから、氷ノ山はやめて近くの雪彦山に行くことにした。実はヒカゲツツジが咲く山を検索していたときに、同じ時期に雪彦山に名花が咲くという記事があった。名花?何だ?と気になっていたのだが、調べてみるとオチフジという花のことを指しているようだった。
オチフジ・・・・、ラショウモンカズラの仲間で関西にしか分布しない花らしい。それも、和歌山県の一部と兵庫県の雪彦山周辺のみに咲くとのこと。その花を探しに行きたいと思っていたのだ。雨がひどくなったら飯でも食って帰ってこよう・・・・・
雪彦山に行くのは今年三回目。道は分かっている。但し、雪彦山のどこに咲いているのかは全く情報がなかった。あの、急峻な雪彦山を当てもなく歩いて花を探す元気はない・・・・・。前回、山頂まで登った時の記憶、ラショウモンカズラの性質など、考えて歩く道を決めた。
登山口に着き歩き始める。雨は降っていないが、草木は水滴をたっぷりと貯えているし、登山道は濡れていて良く滑る・・・。
道の脇に咲いているものを見ながら登って行く。
左:カキドオシ 右:マムシグサ?
獲物はカキドオシを大きくしたような花、紫色の花だと伝えた。
途中の斜面に咲いていたこのスミレは何?
実は、歩き始めて30分程でオチフジに出会ってしまった・・・・・。友人が「あった・・・・」と言うのだ。
オチフジ
確かにラショウモンカズラに似ている。でも上に伸びることはなく、地面を這うように咲く習性のようだ。
咲き始めのようで、蕾のものも沢山ある。あっさり出会ってしまって拍子抜けしたが、まだ大きな群落があるのかもしれない・・・・、そんなことを考えながら標高を上げる。
やがて・・・・、視界が開け・・・・
山の頂きが見えた。そこから少し下り斜面を見上げると・・・・・
滝が流れ落ちている・・・・
足元の斜面にヤマルリソウが咲いていた。
そして、その近くには・・・・
これもオチフジだ。小さな蕾が付いている。
ということは登りすぎたようだな・・・・・。今回は山に登るのが目的じゃない。ここで、昼飯を食べてから下を歩こう。
沢の流れの脇を見ると・・・・・
ハナネコノメ?
オシベの長さはシロバナネコノメとは違うように思うのだが分からない・・・・・
昼飯を食べて、また歩き始める。雨は上がるのだろう、山の斜面から立ち上る霧?
下る途中、見るからに旨そうなシダの芽が沢山出ていた。試しに採集・・・・・
その後、また、沢に出て歩く。
沢の中ほどの岩は苔で覆われていて、チャルメルソウの仲間やらスミレの花やらが咲いている。その向こうの岩にはイワタバコの葉も見えている・・・・・
さらに沢を登り・・・・・
あった・・・・・
上の方を見上げると・・・・
上の方にもかなり沢山の花・・・・
でも、岩肌は濡れていて、斜面も崩れやすくこれ以上は登れそうもない。
ジンジソウ?ダイモンジソウ?
この辺りで満足して山を下ることにした。それでも素直には下らない・・・・。道を外れ、斜面を下り、沢を渡り・・・・
随分と下の方でも、陽当たりの悪いところではまだ小さな蕾を付けているものもあった。
オチフジの見頃は結構長いのかもしれないな・・・・・。
登山口まで降りてきて、靴を履き替えていると、靴やスパッツにヒルが沢山付いていた。
帰り道、シャガが沢山生えていたが、どれもまだ蕾。1週間後は凄いだろうな・・・・・
その後、帰宅。コナラの萌黄色の新緑が綺麗だった。