文化センターの紅茶教室に訪れる生徒さんは、それぞれの理由があっていらっしゃっている。
一番多い理由は「紅茶が好き」だけれど「コーヒーが飲めないから」とか「ちょっと面白そうだったから」とか…
紅茶好きじゃなくても、それをきっかけに紅茶を好きになってくれたら嬉しい。
ただ私が以前から少し不思議に思っていることは「ティーアドバイザー養成コース」を受講される方で「本当に紅茶が好きなの?」って思わずにいられない方がいるということ。
今までたくさんの方が通ってくださいましたが、その中で“一人”ということではなくて、じつは何名もいらっしゃるんですよね。
「え?紅茶が好きだからアドバイザーの資格を取りたいんじゃないの⁈」とコレを読んで驚かれた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
でも、事実なんですよ。
紅茶塾DAGUのディプロマは、アドバイザーコースを受講後に試験を受けていただき、合格したら授与ということになっています。
このアドバイザー認定試験は筆記だけでなく、ブラインドテストなども含まれるんですね。
ブラインドテストというのは、紅茶を飲んで特徴から産地を当てるというものなんです。
ワインのソムリエさんよりは、ずいぶん簡単ですが、それでも日頃から飲んでいないと当てられません。
アドバイザーコースを受講されている人に「飲まないと覚えられないし、試験受からないよ」とアドバイスをするっていうのが、そもそも可笑しな話しなんですよね。
本当に紅茶が好きなら、人に言われなくても飲んでいるのが当たり前。
「飲まないとダメよ」と講師に言われて「じゃぁ…」って茶葉を購入するって、本当に紅茶が好きなのかしら?
試験を受けるまでは茶葉を購入して、資格を取得した途端に飲んでなさそう…って人もいますけどね。
「本当に紅茶を好きになってね」と強制できませんが、アドバイザーとして講座を開いたり、紅茶専門店をオープンさせたいのであれば、やっぱり紅茶のことが本当に好きな人にやってほしい。
少なくとも1日1杯で3gの茶葉が必要です。
これを1ヶ月なら、どれくらいの茶葉を消費するでしょうか?
何ヶ月も前に50gの茶葉を購入して「毎日飲んでます。前回購入した茶葉がまだあります」って、サラッと言う人…一人、二人じゃないですよ。
飲むだけじゃなく、淹れる練習だって必要なんです。
20年以上講師をやってきましたから、本当に紅茶好きな人と紅茶好きのフリをしている人はよく分かります。
荒木安正氏 著の「紅茶の世界」の中には「紅茶を正しく理解し、平均以上の知識を習得し、良否の判定が出来る程度に自分の味覚を磨くためには一日最低6杯…」と書かれています。
紅茶塾DAGUのコースには仕事をしながら通われている方や子育てしながらの方もいるので、一日最低6杯とまでは言いませんが、せめて毎日1杯は当たり前だと思うのです(かなり甘いですね)。
今日はいつになく厳しいことを書きましたが「私のこと?」と思った方は、なぜアドバイザーになりたいのか、もう一度よく見つめ直してみてはいかがでしょうか。
紅茶は単なるファッションではありませんよ。