またまた激レア珍音源の発掘です。
写真は「う~~ん・・・マンダム!」の男性化粧品におけるコピーのセリフでいきなり日本はもとより世界中で人気爆発した肉体派、男の体臭、髭が渋いチャールズ・ブロンソン。
このジャケットを見たら映画音楽コンピレーションLPかと思われがちですが、純粋な映画音楽は全14曲中2曲のみ。
他は洋楽ヒット曲ばかりです。定価が1500円!!
でも当時はブロンソンのアップを載せた方が絶対的に受けがいいとレコード会社もふんだのでしょう。そのくらいにブロンソン映画は次々とヒットしました。
内容は全編インストウルメンタルで稲垣次郎とオール・スターズというサックスを中心としたバンドが演奏しています。タイトルが示している通り「ジューク・ボックス」の人気曲からセレクト。
さて、曲目に目をうつしますと、このレコード発売年月が1971.2と記載されているので、大体の察しはつくでしょう。
この頃、ビートルズは解散状態なので彼らの曲は収録されていませんが、4曲目にポール・マッカートニーがアレンジしてメリー・ホプキンが歌った「ケ・セラ・セラ」を聞くことができます。オリジナルはサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督作「知りすぎていた男」の主題歌としてドリス・ディが歌っています。
紹介が逆になりましたが1曲目はそのブロンソンのCMソングとして(本来はそれ用の曲ではありませんでしたが映像とピッタリ・フィットしていました)その年のトップ・ヒットに君臨したジェリー・ウォレス歌唱の「男の世界」。もちろん男性化粧品も会社名までをも変更したのが功を奏して大ヒット。私も学生時代に買っていました(グッズ目的もありましたが)。
A面5曲目はショッキング・ブルー「悲しき鉄道員」、次いで先日夫婦揃って逮捕されたポール・サイモンがアート・ガーファンクルと組んでいた史上最高のフォーク・デュオS&G「コンドルは飛んで行く」、この面最後はクリステー「イエロー・リバー」
B面に裏返してオリジナル・キャスト「ミスター・マンディ」、ジリオラ・チンクエッティと続いてジョニ・ミッチェル「ウッド・ストック」、レイモンド・ラブロック主演映画「ガラスの部屋」(これはあのお笑いピン芸人ひろしが「ひろしです・・・」のBGMに使用していたもの)、後半はトム・ジョーンズ、マンゴ・ジェリーで締めくくり。
ブラスを中心としただけあって当然のごとくシカゴ「長い夜」も収められています(A-3)。
決してヘビーなサウンドではありませんがメインのブラス・リフはそのままに、なんとボーカル・ラインまでホーン・セクションが吹きまくっています。ギターも頑張って絡みつきで弾きまくり。2番の歌はカット、ファズの効いたギター・ソロはすぐ終わってしまいますがエンディングも忠実に再現しています。このアルバム中、一番ハードなナンバー。
このグループは他にもいろいろとアルバムをこれまでにも発表。日比谷野外音楽堂でのライブ作もあります。ディスコ・グラフィーの紹介タイトルが「稲垣次郎のグーなレコード」というのもほほ笑ましい。この頃、なんでも「グー」というのが流行していたのです。
他に曲紹介文でも時代を反映したような言葉があちこちに見受けられます。
「なかなかパンチのきいた・・・」「「演奏もイイセンをいってる」等・・・。
これに限らず古いレコードや音楽雑誌等の解説文を読むとけっこう笑っちゃう表現を発見することができますね。