THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,148 OTARU GOLD STONE(PART,2)

2018-03-09 16:18:22 | Live Set List

ライブ・レポート、パート2のはじまり、はじまり~!

6、「YMO?」

18:45~19:15

時間調整も無事に済ませて、ここからは折り返し点です。

満を持しての登場は、ある意味で、この日最大の目玉バンドなのではないでしょうか!?

遂に神秘のヴェールを脱いだ次第。

バンド名ですぐわかるでしょうが、イエロー・マジック・オーケストラのコピーバンド。

この日がデビュー・ライブとのこと。

その本格的なる徹底振りは、半端ではありません。

4人組で、あの雰囲気をモロに醸しだしています。ドラムスにモトリー・クルーのトミー・リー命のカズミくん。ベースはこのライブ前にもジャンブル・デクテックで注目を浴びていたスズカくん。キーボードは2人が受け持っていてサノ嬢と超売れっ子キムキム!

仕込みに四苦八苦していたようですが・・・・(笑)初ということを含めて大目に見てあげようよ。

しかし、ジッと見入っているオーディエンス達の視線が焼け付くように痛いことでしょう・・・。

ミキシング・スタッフくんも、次々に出てくるバンドのどれもがやっかいで大変の連続です。ご苦労様です。

まずは電子ドラマーのカズミくんからのメッセージをどうぞ!

「構想5年、YMO馬鹿なメンバー達を集めてここ数ヶ月はMACで周期トラックを作ったり、サンプラーの音を作ったり、衣装を作ったり、忙しいながらも楽しい作業でございました!。あとは器材トラブルが起きない事を祈りましょう。セッティングに時間がかかることをお許しください。そして開演前は本家のように、帰れ!帰れ!のコールでお迎えください(笑)。

ゴールド・ストーンのステージに風呂マットを敷いて、ケロリン桶(イエローのプラスチック製)を光らせた初のドラマーになりました」

YMOの散開ライブ同様にSEで「プロパガンダ」が突如として不気味に流れ出しました。

この曲は1984年製作、YMO主演映画のタイトルでもあります。

そして忠実に再現するために、ここからメドレーで「東風」に繋がります。

さあ、景気よく本編スタートだ!

メンバー一同ヘッドフォーンを装着していて無表情。

無機質なる器材の山を見ていると、ライブ・ハウスというよりも、未来の研究室のSF映画風セットを見ているようだ。

ドラマーのカズミくんがいるけれども、ギタリストのワタナベカズミ役がいないというのは、ちょっと淋しいかも!?(それはちょっと贅沢な注文かな?)

ヤマハと愛器クロノス2段構えのキムキム教授と、中央後方にてローランドを使用しているサノ・アキコ嬢によるシンセサイザーの響きが、期待以上の完成度を伴っていて言葉を失うほどです。

以前からフェイス・ブックでカズミくんがアップしていた「ケロリンの黄色い風呂桶」って、こういう使い方をするためだったんだね。謎が解けて気分爽快だよ(笑)。

女性のアナウンスから「中国女」

高橋幸宏をリスペクトしているカズミくんの、ナリキリぶりは筋金入り。ドラムスを黙々と正確に叩く知性溢れる横顔が凛々しいね。

そして幸宏ばりの、囁きヴォーカルもカズミくんがしっかりと担当。幸せ一杯でしょうね。

フィルインの細かい箇所にまで、気配りが行き届いている。

曲ごとの丁寧なるプログラミングは、血の滲む思いでの作業だったことでしょう。

ここまできたら、そうとうの好き者でないと達成し得ないよ。

MC一切なしかと思っていたら、ロボット・ボイスでベースの細野スズカ晴臣くんが話し出した!

「ミナサン、コンニチハ。YMO?デス。バンドメイノサイゴニ(?)ガ、ツイテイルノデス。ハツオンハYMO↑トヨンデクダサイ。

メンバーショウカイヲサセテクダサイ。キムラキョウジュデス。コレデモサイキンハヤセタソウデス。ドラムスハユキヒロカズミサン。オクノホウ、ヤノアキコ・サノアキコ(立ち上がって満面の笑みを振り撒きながら手を振ってご挨拶。どうして奥にいるの?とのラブコールも飛んできた)ベースハワタシデ、ワカスギホソノハルオミ。サッキモデテイマシタ・・・・・トイウワケデ、ツギ・・・・TOKIO!TOKIO!!」

出た!クラフトワークから多大なる影響を受けたという「テクノポリス」だ。

帰宅したら、皆さん懐かしさのあまり、久し振りにYMOを聞きまくりたくなってきたことでしょうよ。

4人全員が赤い腕章をつけて、白いシャツには「YMO?」のロゴが貼り付いているのです。

楽屋でライブ後、ワカスギくんにマサが聞いたんだけど、あれはアイロン・プリント・ステッカーだそうで、アルファベットを本家と同位置に配してペッタンしたんだってさ。

皆、童心に戻って学校の工作宿題をやっている気分だったのでは?その微笑ましき光景が目に浮かんできます。

一瞬の静寂を突き破るかのように、カズミくんがリズム・マシーンのスイッチを切り替えてオン!

「ライディーン」

鳥肌立ちまくりです。「チッチキチッチキチッチキチッチキ!」のカウント音がこだまする。素晴らしすぎるねえ。

一挙手一投足、皆さん一様にただただ関心しながら見とれているよ。努力が報われたね。おめでとう。拍手喝采だ。

感涙に咽び泣こう。賛美を表現する言葉を見失うほどだ。

誰もが、恍惚感に溺れまくっているのではないかい。しかし、なまらメカニカルでインパクト絶大!

ピコピコと放たれる電子音スタイルに目一杯やられたね。

「ツギデサイゴノキョクトナリマス。・・・・・1978ネンノサクヒンカラデ・・・・ファイヤー・クラッカー・・・・(自ら・・・)カエレ~!カエレ~!!」

カウベルの音色も交えてラストに相応しく、お祭り気分で賑やかにいこう!

とにかく何から何まで随所にわたって、拘りぬかれたテクノ・ポップ愛が充満していて全員が呆気にとらわれています。

何度も繰り返しますが、いやはや大したものだ。

輝かしきコンピューター・ミュージックにカンパイだ!

「イジョウヲモチマシテYMO?ヲオワリマス」

とここで「ドッカーン!!」と衝撃の爆発音が会場中に炸裂。

曲のタイトルにちなんでの演出効果狙いです。

カズミくんからのラスト・メッセージ「課題は色々ありましたが、今後に繋がればと思います」

なんもなんも、あれだけの配線や器材群なのによくもまあ一度もトラブルが勃発しなかったものだね。

早くも次のライブに期待しちゃうよ。何をしでかしてくれるやら。実はすでに作戦を練っているんでしょう。膨大なる構想は膨らむ一方なのでは?

宝箱やオモチャ箱をひっくり返したような、キラキラの世界を見せつけてくれることでしょうよ。

7、「SUPER★SIRIUSⅢ」

19:30~20:00

この日唯一の全曲インストウルメンタルのフュージョン・ロック・バンド。

バンド名が示しているとおり、そのライブの時の編成、顔ぶれ、ジャンルに応じて1,2,3,4・・・と命名しているそうです(カーペンターズやダンスバンドにも模様替えするのだとか)。

6人組ですが、ここもお馴染みの連中で網羅。

ギターのヒコちゃんは2回目の参上(珍しくもアイバニーズのサンバーストカラーWカッタウェイ)。サックスはKT嬢。キーボードの2人はYMO?のキムキム(コルグ)と、こちらもマジック・カプセルやセブンス・ワンでお馴染みのハルコ嬢。

 ベースはマーカス・ワタナベ氏(オープニング・アクトのショウジくんバンドでも出演済み。ナチュラル・カラーのジャズベース。メイプル指板)。ドラマーは好漢セッキーが担当だあ!彼は他にも数多くのバンドに所属、もしくは率いています。そのフレンドリーな人柄からは想像も付かないくらいの熟練のスティック・ワークは一見の価値アリ!。

ギターとサックスはワイヤレスを使用しているから、アクティブに動き回れるよ。

このバンドもSEを効果的に使っています。

波の音が流れてきた・・・・・ここ小樽は冬真っ只中なのに(笑)

「ブラック・サンド(カラパナ)」

なるほどねえ・・・・もう気分はハワイアンどっぷりさ。

アップ・テンポで、開巻からワイキキの熱い砂をイメージしたかのような照明もポイントが高いよ。

序盤から遠慮無しに変拍子バシバシ!サックスとギターのユニゾン・プレイを派手に決めまくり。

ダンサーのアベさんが爽快なるサウンドに導かれるように、早速立ち上がり、リズムに乗って踊る。彼の訪れるライブ会場にはステージ最前列中央「アベVIPシート」を設けるべきだ!と提案したいと思います。もちろんダンス・フロア付きでね。

メドレーで、2曲目は職人サックス奏者トム・スコットの「インスタント・レリーフ」

一聴しただけでトムだとわかる、ミディアム・テンポで流れるジャジーなフレーズが鮮やかな光を放つ快適な名曲。

難攻不落なこのインストを、巧みなテクニックを駆使して余裕で繰り広げてくれます。

アーミングを交えた熟練のギター・ソロからベース・ソロへと橋渡し。ダメオシとばかりのドラム・ソロがメインだけあって気持ちよく響いてきます。

この意外なる選曲は嬉しい限り。

KT嬢はドリンクを一飲みしてからMC「クロス・オーバーをチョイスしながら、オジサマ世代にお届けしようと思います。ここにはオジサマはいらっしゃいますか?。」

心配そうにヒコちゃんが、彼女を覗き込み「大丈夫・・・・・?」

ギタリストのヒコ氏がMCも兼任しての助け舟。

「今日は古き良き頃、70年代の匂いを中心に披露していきたいと思います。

普段は可憐なるヴォーカリストを加えてカーペンターズなどもやっています(動画で見たことがありますよ。是非ともそちらもタイバンよろしく!)。先ほど出演したスカパラ・バンドは若さに溢れていて羨ましいかぎりですが、我々も頑張って演奏していきます」

KT嬢へMCのバトンタッチ「私等がまだ生まれていない頃の曲をやります。ちょうどスクエアやカシオペアがデビューした時期ですね。」

3曲目はスパイロ・ジャイラで「ラヴィン・ユー」

リズミックなバッキングが駆け巡る。

彼等曰くカリフォルニア・イエローがモチーフなんだってさ。

セッキーのピッコロ・スネアからたたき出される切れっ切れのサウンド炸裂!的確なドラミングがボトムを支える。

ベースのワタナベ氏はさすがのチョッパー・ソロも交えて、そのままステージ・フロントに躍り出てタッピング・ファイトまでをも見せつけてくれました(しかしマーカス・ミラーにそっくり。使用楽器から帽子、ルックスに至るまでね)。

ギターからキーボードへと目まぐるしく展開するソロの応酬も凄まじい。

エフェクター効果もセンス抜群で、小技の連発には観客の視線も釘付け。目が離せません。

エキサイトした観客がけたたましく口笛を吹き鳴らしています。

ヒコちゃんのMC「はい、ありがとうございます。今日は全員衣装はアロハ・シャツでいこうよ!と言ったんだけど完全に無視・・・(笑)残念な感じ。で、自分もアロハ・シャツを自宅で探したんだけどなかなか無くてねえ・・・・ハード・オフにて急遽300円で買ってきましたよ。お決まりのパターンですが、お約束ということで・・・・あと2曲で終わります!」「ええ!!??・・・」「(笑)それでは、昔流行ったフュージョン。キーボードに頑張ってもらいます。

なかなか難しいんですけど。」

 4曲目はポップ・フレィヴァーに満ち溢れたミディアム・ナンバーで、クルセイダーズの「スィート&ソー」。

ピアノがメインのたそがれがイメージだけあってどこからともなく「キムキム!」の声援が飛んできます(もちろんテクノ・ファッションから普段着に戻っていますよ)。

でも、緊張感漲るパートもしっかりと主張していますよ。

「忘れちゃいそうなので・・・メンバー紹介!(笑)」「そだね~!(笑)」「ここのバンドでもとりあえずは、私がリーダーです。統率もできていないけれども、大体いつも私はリーダーという肩書きだけで、実質雑用係り。メンバー達も文句も聞く。かえって演奏やるよりも、喋りが長くなっている。」

常にテンションの高いステージングのわりには、トークがとっても和気藹々。このギャップも魅力の一つ。

ヒコMC「どうもありがとうございました!KT嬢はやっぱりビールを6杯も飲んだから絶好調だね(笑)。ちょっとヘベレケまでにはいかいけれども、踊れる雰囲気だね。普通他のバンドならば最後のここでワアーッ!という曲をやるところではありますが・・・・」

締めくくりは、ジョー・サンプルから「トワイライト・アッパー・ウエスト」でグッとスローに(こいつは嬉しき裏切り行為だ)。

ギターは極限までのサスティーンを轟かせてキーボードとハーモニー。

ヒート・アップして一気に会場内の温度も上がったのか、ウチワ片手に観戦しているお客さんも見受けられます。

そして一瞬の静寂を打ち破るかのごとく、キーボードがしっかりと再現。全く違和感なし。むしろこういうのも新鮮でありかも。

ラスト・ナンバーだけに、持ちうる限りの高度なテクニカル・インタープレイを火花散るほどにつぎ込んでくれました。

ということで一同大満足!

8、「OFFSHORE」

20:00~20:40

8人編成による、伝説のオフコースをコピーするバンド見参。

早くもトリ前の時間帯。

三度登場のギタリスト・ヒコのみピンクのシャツを着用。他のメンバー達は真っ白い衣装に身をまとっての登場。

編成はと言いますと・・・・・ヒコがギター&コーラス(トレード・マークともいえる明るいブルー・シェクターSSHのPUマウントSTタイプ。ローズ指板),もう一人のギタリスト・ヒロシさんはなんとWカッタウェイの白いWネックギター、ベースのヒロキくんはヤマハのBBを愛用(サンバースト・カラー。ローズ指板)、ボーカルはソウマくん、キーボードは再び参上のフクマくん、もう一人のキーボードも2度目のステージでハルコ嬢、ドラマーはヨシキくんだあ!最後にコーラス・ガールとしてケイコ嬢が花を添えてくれました。

出番待ちでステージ横にて、緊張の佇まいで控えているメンバー達。

ちょっと距離を置いて一人黙々と発声練習をしているボーカルのソウマくんは、今年1月のスペース・アート・ホールでもSTAとご一緒した仲なのでマサと軽く互いにご挨拶。でもあの時は、彼の娘さん、よよかちゃんのためのライブだったんだよね。

北海道を飛び越えて、今ではお父さんを凌ぐ勢いで他方面で超有名人になってしまった、天才ドラマーのよよかちゃん。

家族全員で「かねあいよよか」というバンドを結成してCDも制作しているのですよ。

10月14日には、道新ホールにてワンマンライブまで開催するのだそうです。

だから、1月に引き続いて、この日もお父さんはあちこちで熱心にフライヤーを配っていました。

羨ましいくらいに素敵なファミリーだ。暖かい目で蔭から応援しているよ。

さて、1月には8歳になるよよかちゃんの敬愛するジョン・ボーナム(!!)を叩く為に、レッド・ツエッペリン「グッド・タイムス・バッド・タイムス」を披露。その際にお父さんが、ロバート・プラントのポジションを請け負ったのでした。

で、この日もまた違った意味で小田和正パートの伸びやかなる澄んだ歌声を、魅力的に聞かせてくれました。

しかし、疲れ知らずの、もの凄いハイトーンだ。

ピアノによる繊細なる響きを伴いながら「思いのままに」でライブはスタート。

ミディアム・テンポにのって繰り広げられる、鉄壁なるハーモニーは強靭。

重厚なる音像から発せられる極上のメロディ・ラインは、天下一品のいかした輝き。

メンバー全員が一致団結してお得意のPOPヒットミュージックを奏でる・・・なんて野暮な解説はもはや、不要でしょう。

これだけの大所帯と純白衣装だけに、見た目もサウンドも華やかですな。

司会進行役のソウマくんがバンドを紹介した途端に、バス・ドラムのバックビートがタメ気味にキックされます。

「風に吹かれて」

切ない女心を歌わせたら天下一品のソウマくんが、心を込めて見事に歌いこなします。コーラスも情感タップリに延々と好サポート。ウォール・オブ・サウンドを、フル活用。できうる限りのシチュエーションで再現。

口笛も、ピューピュー鳴っているよ。

ドラマーのヨシキくんは泣く子も黙る小樽音楽界の兄貴分的存在。(クニとは10代からの付き合いがある同士)。

何年も前からお互いに面識はあったんだけれども、STAも1月のライブでは、遂に長年の夢の共演が実現したんだよね。あの時にもクニが事前に言っていたとおり「いい仕事」をしてくれましたっけ。

いや期待以上のドラミング。センス抜群。どのような場面にでも機転の効く対応力。本番に対するメンタル面の強さ。アドリブのタイミング。リズム・バリエーション知識の豊富さ。パワー漲る迫力のドラミングでSTAを牽引してくれたのでした。たった2回のスタジオ・リハーサルだったのにね。また是非ともいつの日かリズムセクションを組もう!

ヒコMC「はい、どうもありがとうございました。私がMC担当しようと思ったのですが、ギターチェンジがあるので・・・・ソウマくんにバトン・タッチ!」

ソウマくん「ちょっと言ってもいいのかな?・・・(と、もう一人のギタリスト・ヒロシくんに話題をふる)」

ヒロシくん「実は、今朝起きたら具合が悪かったので早速病院に行ってみたら・・・・尿管結石でした!!これじゃあ、ライブは無理だなあ・・・・と思ったのですが、痛み止めをもらったら何とかいけそうだ・・・ということでやってきました(笑)。途中で大変なことになるかもしれませんが、その時には強力なる座薬を貰っているので誰か挿してください(大爆笑)。コーラスのケイコ嬢も一昨日まえインフルエンザだったんだよね。満身創痍のオフショアではありますが、かろうじてリーダーだけは何故だか風邪をひかない・・・・」

ここでヒコちゃんが何かを言ってるんだけど、J-BOY(VO)のシュンくんがすかさず観客席から「何言ってるんだかわからない・・・(笑)」

「はい、そんな流れでオフコースが4人になった後の名曲・・・・嘘はいけませんね・・・・・君が嘘をついた・・・・ドラムに注目!」

ギターの2人がここからギターを持ち変えています(ヒコはイバニーズのWカッタウエイ・サンバーストからシェクターへ。ヒロシくんは黒のストラトキャスター。メイプル指板)。この2人がイントロから遠慮無しに弾きまくる、弾きまくる。

4曲目は叙情的な雰囲気から、場面転換して「あなたより大切なこと」

マイナーだけど、インパクトばっちりの曲。

ヨシキくんの元気いっぱいなカウントから、ピアノとギターがイントロで耳をつんざくほどの猛攻。

ソウマくんのリード・ボーカルに刺激されたのか、会場中で体を揺らす人達が目だってきました。

コール&レスポンスも快調!

「業務連絡です・・・・ちょっと音をあげてもらってもいいですか?息切れして死にそうです(笑)。まだまだ皆さんと楽しんでいきたいと思います」「そだねー!」「・・・・・」「誰か、突っ込んでやれよ!(笑)」

MCも数人が交代でこなしていくユニークなグループです。和気藹々と和んでいる光景に、こちらまでもが癒されますね。

バラエティに富んだ贅沢な選曲。

まるで、かやくご飯のよう。

1ステージで、メガ・ヒット曲のオンパレードを堪能できるわけですからね。

ヒコMC「オフコース・マニアにとってはたまらない、ぼくらの疑惑なコーラス(笑)

(キーン!!・・・とハウリング!)。ここでメンバー紹介をします。風邪気味のフクマくん。ドラムスのヨシキくんはゴールド・ストーンのツダくんの先輩なの?」「若干ね(ヨシキくん)。」「さっき、その後輩にこき使われていたね(笑)。そして私は今日3回目のライブですが竹内涼真です!・・・・(白け鳥・・・)」「前回も同じ事言ったでしょう!?」「仕込み不足?ネタが悪かった?本当は羽生結弦というつもりだったのさ。でも冬季オリンピックも終わったしさあ・・・・」「寒い、寒い・・・」

それでもビシッと切り替えて演奏再開。

バラードを・・・・・。「きかせて」が後半のヤマ場を飾るとは、なんてゴージャス。

もちろん、観客もしんみりと聞き入っています。

徐々に、サビへと差しかった頃合いを見計らって、ヒロシくんがおもむろにポケットからハーモニカを取り出して、エンディングまで官能的に吹き込む。

皆さんもただただ聞き惚れて、感心しきり。

誰もが青春真っ盛りの頃を彷彿として、甘くほろ苦い経験がフラッシュバックしたんじゃないかなあ。

「最後の曲をやります。これをやらなきゃあオフコースではないと言われている曲。皆さんも知っていたら手拍子をお願いします」

役割分担もスムーズに、次々とソロ・パートを渡しあい「イエス・ノー」。

トリ前の大役を軽々とこなしていますね。しかも殆どのメンバー達がコーラスまでやっちゃってるし。

往年のステージ最前列「三つ巴」タイムでは、誰もが体ムズムズさせられたことでしょう。

オフショアの作戦勝ち。

会場のあちこちから、暗がりでも綺麗に光るアクセサリーを見て

「今年は丸いイヤリングが流行っているのでしょうかネエ?皆さん、用意はできましたか?なんか疲れた?つい言葉が出てこない・・・・・・・・次は皆さんと一緒にいきますよ!」

大合唱攻撃。

ヒット曲をただ単にセレクトするだけではなく、ちゃんとライブ映えするあたりを持ってくるところなんて策士ですね。

ベストセレクションで順序だてての配列。

老若男女が受け入れやすく、痒いところに手が届くという心意気が憎い。

数多くのライブを体験してきたベテラン勢の真価が,白日の下に証明されたわけです。

つぼを心得たセットリスト。このイベントのために特別なメニューを組み立ててきたということが如実に伺えますね。

「アンコール!アンコール!」の嵐。

ヒコちゃんMC「これで一応、最後の曲となります・・・数少ないアンコール・・・・愛をとめないで」

コーラスのケイコちゃんに、すかさず会場の男性客達から「可愛い!!」の声。あれ?これってヒコちゃんへの声援なのかな??

「お世辞でも、嬉しいです(笑)。一応コーラスとギターを担当しています・・・・。」

まだまだ交互にアットホームで愉快なトークは続く。バンド仲の良さが、垣間見える一場面も交えての締めくくり。

「ゴールドストーン」スペシャルヴァージョン。申し分なき流れに皆、至福の時を共有。 

9、「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」

20:55~21:25

さあ、いよいよこのブログの主人公でもある、オオトリSTAが出てきますよ。

(最初に発表されたタイム・テーブルではSTAが2番目の出演だったのですが、数度の変更を経て結局はトリに収まったのでした)

頑固一徹結成以来14年に渡ってシカゴを中心とした硬派なブラスロック一筋、それを基本コンセプトに掲げて毎月ライブを敢行(もうじき150回を迎えます!)。

活動拠点はバンド名が示すとおりに札幌なのですが、今回は先月の「雪明かりの路オールディズ・ナイト小樽公会堂」に引き続き、小樽です。

まあ、小樽という坂の多い港町は、皆お気に入りなので毎月でもやって来たいくらいですよ。

8人編成ではありますが、恒例ともなったメンバーの顔ぶれに今回も入れ替わりあり。

ご他聞に漏れず若干のパート変動もあります(今回は半分以上が管楽器メンバー!)。

なんたって最大の話題といえば、2年ぶりに帰ってきた噂の男ケンです。

STA結成当初から、バンドの全てを見つめ続けてきた生き証人。酸いも甘いも噛み分けたダニー・セラフィン命のドラマー。

丸々2年ぶりの復帰ではありますが、全くのブランク的不安要素なしで、一発目の音からエンジン全開でノリまくっています。いや、もしかしたらケンの全キャリア中でも今が絶頂期なのかもしれません。本人に「そうとう一人で鍛錬したんだろう?」と尋ねてみたところ「いやあ全然・・・」と不敵な笑み。

案外、ドラム活動から一旦距離を置いて心身共にリフレッシュしたのが好を奏したのかもしれませんね。

とにもかくにも、頼もしい存在だ。

そしてもう一人、クニの盟友であり「マイ・ソウル電気楽団」「クラッシュ・ビート」で陣頭指揮をとりながらいつも気を吐いているテナー&バリトン・サックス奏者のナカジが合流したのです。

彼は驚いたことに、この日のライブ6日前にスタジオ1回のSTA練習で参加が決定したという怖いもの知らず。

よほどの自信とやる気と度胸と高度なテクニックが備わっていなければ、こんな無謀な決断は下せないでしょう。

これで、またまたSTAの平均年齢が大幅に下がったよん!

彼とも長年面識はありましたが、遂にSTAデビューですね。おめでとう!

病み付きになること請け合いさ。 

***SET LIST***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO

2、SOME LIKE IT HOT・・・THE POWER STATION

3、QUESTIONS67&68・・・CHICAGO

4、IF YOU LEAVE ME NOW(愛ある別れ)・・・CHICAGO

5、VEHICLE・・・IDES OF MARCH

6、GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE

7、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO

8、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

~ENCORE~

9、PETERGUNN・・・THE BLUES BROTHERS

 

***MEMBER***

MASA・・・B VO CHO

KEN・・・DR CHO PER

KONITAN・・・G

JUN・・・AS VO CHO

MD・・・TP 

KUNI・・・TP PER CHO FLUGELHORN

EBI-CHAN・・・TB

NAKAJIE・・・TS

 

STAが楽器のセッティング中、観客席では場内に置かれているウチワを手にパタパタと扇いでいる人もいます。

外は大雪なのにね(笑)

この場面ひとつをとっても、白熱した会場内の雰囲気がもろに伝わってくるというもの。

まずはスタッフと共に、ブラス隊の立ち位置決め。

コニタンは黙々とギターの音決め&ウォーミング・アップに余念がありません。

チョコチョコとドウービー・ブラザースの「ロング・トレイン・ランニン」「チャイナ・グローブ」、ツエッペリン「ホール・ロッタ・ラブ」などのリフを弾きながらね。ちなみにコニタンはコーラスのエフェクターが嫌いだそうで、空間系はもっぱらディレイを好んで使用。

この辺のこだわり具合は他を寄せ付けません(先月までギターはフェンダー・カスタム・ショップのストラトキャスター。その後はヴァン・ザントのストラトキャスターにチェンジ。でこの日はポール・リード・スミス)。

各自チューニング&音造りに専念。

ここいらあたりで全員が、オフステージからライブ・モードにスイッチ・オン!

準備万端整いました!

マサが歩き回って一人一人から「オーケー?」の確認をして回りゴーサイン!

ブラス隊もミキサー方向に向かって、両腕で大きな輪を送ります。

マサがニューフェイス・ナカジの肩をポン!と叩いて合図。

後方からはいつのまにか、プログレッシブなる重厚なハイハットサウンドが地鳴りのごとく轟きわたる。次いでマサがオーディエンスに向かって手拍子しながらアイコンタクト。

コニタンも小刻みなピッキング・ワークで追随。

ミラーボールが回転する中、マサがアナウンス

もう毎回のことなのでマサは一切打ち合わせをしなかったのですが、絶妙の滑らかなる口調でバンドのアナウンスをこなしました!

「はい!大変長らくお待たせしました。恒例ともなった真冬の小樽ライブに今月も札幌からやってきました。

北国唯一無二のブラスロックバンド。迫力の熱きホーンセクションを心ゆくまでドップリとご堪能ください。メンバー一同、この日、この時、この瞬間を楽しみに待っていました。ド派手にぶちかましてみたいとおもいます!それではよろしく!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORIY~!!

ヘイ!カモン!オールライト!1・2・3~!!」

怒涛の波状攻撃へ火蓋が切って落とされました。

「イントロダクション」

もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほどワイルドで迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来。

マサが野獣のごとく吠える。クニはカウベルにタンバリンにと、場面転換ごとに楽器を持ち替えながらもアクセントを演出(他にもクラベス、ウインドウチャイム、コーラス、もちろんトランペットも。本人の拘り感が満載)。

コニタンはアグレッシブなアクションを巻き起こしながらも、剃刀のような切れ味鋭いコード・カッティングを繰り出す。

計算されつくしたコニタン独特なるポール・リード・スミスの音色が、ケンのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく。

看板ともいえるホーンセクションのリフ攻撃は、益々厚みを増してきましたね。

舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方センターからはドラムが迫力のグルーブを構築。

ホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。

さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??

さあ、第一関門の変拍子地獄に突入だ。

若干乱れたけれども、程なく修正(よく立ち直ったものだ。周囲には気づかれなかったみたいだけど・・・・)

手堅く突破した後に待ち受けていたのは、切り込み隊長エビちゃんによる流麗なるトロンボーン・ソロ。

 彼は先月に引き続き今月も全くのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです(つまりエビちゃんとは毎月ライブの時にしか会わないのさ!)。

大した度胸の持ち主だ。若さゆえに成せる技。涼しい顔して何事もなかったかのように振舞っていたよ(クニによる縁の下の力持ちも忘れてはいけないよ)。

コニタンいわく「神保彰」と言わしめた手数王からリム・ショットに切り替えてのケンが先導しつつ、お次はMDの出番。

彼のトランペット・ソロは百戦錬磨なので、大船に乗った気分に浸れます(実は彼も体調がここのところずっと、すぐれないのです・・・・)。

安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。

バッキングによる強弱のサポートも効果覿面。

そして第3の男コニタンのギターが火を噴いた。

いきなり最前列へ飛び出して益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいに披露。

序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを忠実に再現。

へヴィーなサウンドは、これにとどまらずより加速。

音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。

グリッサンド&チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。(先月の小樽ライブでは3曲目まで寒くて指がまともに動かなかったらしいです。そんなことは微塵も感じさせなかったけどね・・・・今回はリベンジできたね。大成功!)

そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?アーミングやビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。

極めつけはケンの力が入った稲妻フィルイン。

バスドラムの設置が不安定だったらしく、ドンドンと前に動くため叩きにくかったらしい。でもなんとか乗り越えて拍手喝采。

マサがライブ途中で前面に回って、バスドラムを押してあげたよ。

サンキュー!

ナカジもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。

エンディングにおけるベルトーンも、見事な連携で繋がった。

コニタンからホーンセクションへと渡る流れへ。ここで今回初めて繰り出したコニタン入魂の1音がジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃。

マサが右手を天井高く掲げてグルグルと回転。ケンと呼吸合わせて、ジャンプ一閃でフィニッシュ。

大きな山場をメンバー達一丸となって乗り越えた。達成感に酔いしれる暇もなく間髪入れずにケンがファンキー・グルーブを叩き出す。

このビートには四苦八苦したけれども、本番では慎重に一つ一つのオカズを噛み締めるようにスティックを振るう。

マサの熱烈リクエストによって実現したエディットバージョンでの「サム・ライク・イット・ホット」

ジュンがSTA加入後、初リード・ボーカルをつとめた思い出の曲が2ヶ月連続で復活。

かなりナーバスな状態で臨んだけど、中盤では遊び心も交える余裕も生まれてきています。

前曲とは色合いの全く異なるこの曲を、是非ともケンと演じてみたかったのもこの度の狙い。

バッチリと応えてくれたよ。本人も故トニー・トンプソンには学ぶべき点、発見が多々見受けられたはず。

このあたりの空気感を察してか、観客も踊り始めています。

マサとコニタンがミュートピッキングと跳ねるアタック音でテンションを高めます。

ソウルフルなジュンのボーカルが優雅で圧巻。

トレードマークの腰振り歌唱スタイルも健在。

コニタンはこの手の曲でも的確なるコードワークで盛りたてる。

もちろんマサ&クニのハイトーンコーラスとジュンの渋いボーカルとのコントラストもミソ。

アヴァンギャルドなギター・リックも一際異彩を放つ。コニタンは独自の解釈論を発揮。

ケンのグルーヴ軸となるのは、何と言っても素早きダイナマイト・ドラム。

エンディングのアカペラ・パートもバッチリと区切りをつけて終了。

「ありがとうございます。改めましてTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです!皆さん、楽しんでますか~!?」「イエイー!」「最後なのにこんなにも多くの皆さんに残っていただいて感謝してます。最後に登場したのがこれこのとおり見るからに暑苦しいバンドではありますが、ラストまでガンガン一直線に頑張っていきますのでよろしくお願いします!」「イエイ!」

「次にお送りするのはシカゴの記念すべきデビューシングルで、ちょっと変わったタイトル、クエスチョンズ67&68!(シカゴの軌跡からのシングル。ヒットしませんでしたが、日本での人気は高い!。再カットされた際には大ヒット!なんと日本語バージョンのシングルも生まれました。ピーター・セテラもジェイソン・シェフもサービスとして来日公演で日本語を披露。一時ライブから遠ざかっていた曲ですが、ここのところは前半に必ず組み込まれている大切な1曲。意味不明なタイトルが物議を醸しましたがロバート・ラムが1967年から68年までに付き合っていた恋人との質疑応答ソングというのが正解)」

ここではケンがジャジーなフィンルインをイントロにすえて、そのままメチャクチャに痺れるようなホーンセクションが追随。主役の座を貫禄タップリに吹き継いで存在感を強烈にアピール。

その合間をギターが、猛烈なスピードで縫うように疾走。

もうここまででも、言葉を失いそうなほどに感動をおぼえるのに、休むことなくリードボーカル・マサ&クニによって振り分けられたハーモニーのバランス感覚がロックしていてウルッとしてしまいます。

一番の見せ場は何と言っても中間部分のホーン隊による力強き攻防。

バッキングも的確に支え続けます。

後半の歌詞はSTAも日本語バージョンで。

マサ&クニが、事前に綿密なる打ち合わせで練り上げたという涙ぐましきパート。

「うちのバンド唯一のバラード・ナンバーです。セクシー部門担当のジュンが心を込めて歌います。シカゴの金字塔・・・イフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ!」

この曲はオリジナルとは違うキーでSTAはプレイしていることを、コニタンが最初のスタジオ練習に入るまでマサが伝え忘れていたという曰くつきのモノ・・・・。

でもコニタンは即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい仕事を果たしてくれました。

オーケストレーション・パートを現在の編成上、歌詞のストーリーから練り上げてゆき、コニタンはそれまでの彼とは一線を画する極力抑え気味のメリハリあるプレイに没頭して演出。控え目なるナチュラルトーンのソロも、マサのアドヴァイスで1オクターブ上げて、より曲の魅力を引き出すことに大貢献。

マサとクニによる繊細なるコーラスが彩を添える。そしてクニの手を変え品を変えの緻密なるトライアングル&ウインドウチャイム&クラベスやケンのリムショットが目立たないながらも最高の隠し味。

もちろん、体を軽く揺らしながらのホーンセクション(クニのフリューゲルホーンを筆頭に)の響きが甘く切なく咽び泣いている。

曲に合わせてチークダンスをしているカップルも数組います。

「ありがとうございます。もうこの後は静かな曲はやりません(笑)。次は踊れる曲をかましてみたいと思います」

メローな余韻に浸っていると急転直下!

筋金入りの本格的ブラスロックが炸裂。油断も隙もありゃしません。

フリューゲルホーンからトランペットにマイクを付け替える作業を見計らって「いいかな?オーケー?」

MD&クニが右手を上げて応える。

「アイズ・オブ・マーチ・・・・・ヴィークル!」

アベさん、両手をあげて全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示。

文句のつけようもないくらいにヒップなアタック感が刺激的。

ジュンはアルトサックスとボーカルの二刀流。

ホーン隊は体を仰け反らせて渾身の吹き込み。

マサはネックをグルグルとひねり回してのピッキングで狂喜乱舞。

後ろを振り返ったり、クルクルと回転。

一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。

時折ケンとマサが向き合っての火花散るプレイも微笑ましい。

時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったコニタンのギター・ソロは確実に的をえているね。

決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も拳を突き上げる。(マサは左足でキック)

観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている猛者も出現。

エンディングにおける目一杯にタメをきかせて喉を振るわせるジュンの絶叫に、観客達が痺れまくっています。

「イエー!ありがとうございます!」「かっこいい!」「もう一回!もう一回!」のシュプレヒコールが始まった。

「おいおい・・・それはどういう意味かな?この曲をもう一回?(笑)

じゃあね、ディスコティックな曲の後には、うちの炎の男ことジュンが男気溢れるシャウトで今回初めてこれを聞かせてくれます。皆さん、温かい目で見てあげてください。準備オーケーかな?

飛行機事故で亡くなってしまった悲劇のバンド、チェイスの代表曲で・・・・邦題は黒い炎・・・・・・・ゲット・イット・オン!!」

ケン、待ってました!とばかりにスティック・カウントで・・・1・2・3・4・1・2・3~!

怒涛の「黒い炎」が帰ってきた。

このようなボーカル・スタイルのジュンは初。ハードロックも歌いこなせる器用なシンガーだ。

会場内では大きく手をあげて手拍子を打っている人々の姿が見えてきてハッピーですよ。

ホーンセクションの5人も、吹き出す直前まで観客に向けて手拍子の要求。

コニタンはアドリブをこなしながらも、嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねプレイ。ナカジが常に半身のポーズにてコニタンと暴れまくりながらのプレイが鮮烈だ。

ホイッスルが絶え間なく鳴り響いてきて、益々の活況を呈しています。

マサは調子にのりすぎて足元に設置されていたミラーボールをスキップの途中でステージから落としてしまいました。

「ウオー!」とアイドルタレントに対する雄叫びにも似た図太い声が沸き起こる。

アベさんもマサの正面にやってきて、煽りをかましてきますよ。

照明係りのツダくんは曲演出のために、ステージ全体を揺らめく真っ赤な炎に染めてくれました。

ヒステリックなホーンセクションは、バック陣も腰を抜かすほどの威力を確立。

特にMDの乾いた金属音ハイノートは特筆モノ。

メイナードファーガソンか、はたまた本家ビルチェイスを彷彿とさせます。

ジャズのエッセンスをたぶんに含んだワウワウ・ペダル・ソロもドライブしていて光っている。

後半、転調後のダメ押しに至っては、レッドゾーン振り切れギリギリ。

しのぎを削るかのように、ホーンが競い合ってピッチを上げるところなんか、ぶっ倒れるんじゃないか?と、心配になってしまうほど。

決めのエンディングではケンが目一杯に美味しいトコ独り占め。

まあ、いずれにしても野郎集団の鉄壁なるハードロック爆弾脳天逆落としに対して口笛がピューピュー!

「オーケー、オーケー!ありがとうございました。(実はこの時点でアクシデント勃発。ジュンの声が何故だか出なくなっていたのです。こんなことは初体験だったらしくて本人もビックリしてしまい、ただひたすらにドリンクをがぶ飲み。これはこれで貴重なるライブ体験だ。長年やっていると色々ありますよ、そりゃあ。今時期は空気が乾燥していて喉のコンデイション維持も大変さ)大丈夫かい?インフルエンザは治ったんだよなあ・・・?」

ジュン「大丈夫じゃあない・・・・」

アベさん「スバルを呼べ~!」

「大丈夫です(笑)。絶好調。頑張ります!」

(マサ)「ジュンにもう一度盛大なる拍手を!やっぱり言わないといけないかなあ・・・?残り二曲・・・・」「ええ~!!??・・・・(笑)」「100%シカゴ初期のブラスロック一直線で突っ走っていきます!

・・・・・・・・フリー!!!」

ケンの強烈なドラムロールを目印に、マサがモニターぎりぎりまで駆け出してきて「1・2・3--!!」

2分ほどの曲なんだけど、その間をメンバー全員が全力疾走するような息継ぎ不可の難曲に突入。

マサとクニによるツインボーカルは、喉が張り裂けんばかりの雄叫びリフレイン。

疾風のごとく耳をつんざくホーンと、変態チックなリズムの鬩ぎ合い!

ブラス隊含めて全員が残響音を轟かせる中、あっという間にエンディング。息も絶え絶え・・・・

ラフだけれども、ワイルドこの上ない暴れん坊。

オープニング・バンドだったショウジ・アツシくんいわく「STAはスーパー・スペシャル軍団」

テッチャンいわく「ニュー・ギタリストはよく動くし、いい音を出していましたね~!」

サワケン親分いわく「STAはレベルが高い」

マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに右足を乗せたまま「ありがとう!正真正銘これで最後です!ラストいきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!!!極上のミッドナイト・ソング

・・・・・・25or6to4!!!」

マサがコニタンを左手で指差すと、

「ガガガガガーン!」

ギターが、これ以上ないほどに過激な爆音を叩き込む。

コニタン&マサが両サイドのフロントにて仁王立ち。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。

コニタンはギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。

そのタイミングが絶妙。自然とエビちゃん&ナカジが譜面台をスッとずらして花道を作ってくれるのですよ。

誰言うともなくホーンセクションが合間を縫って

「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンスで半狂乱。

もうこれが本当にラストだと察してか、全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。

それまでのタイバン達も総出。

エビちゃんも右手を何度も振り回しての熱演。

マサはケンのドラム台後ろにまでホップステップで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。

両膝をついてヘッドバンキングにて気迫のヴォーカルを続行。

コニタンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりとソロで埋めつくすほどに我を忘れて、

ギターの鬼と化しています。

でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!

エンディングではマサ&コニタンが自分の楽器を垂直に突き上げて揺すりまくるの図。

尚もコニタンのソロは止まらず、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイ。

マサはホップステップしながら、ベースギターを肩からはずして、観客席めがけてマシンガン乱射のポーズ。片足上げて思いっきり床に振り下ろした。

と、やはりアンコールの声がかかった。

「アンコール!!アンコール!!」

実を言うと、今回のSTAライブはメンバーの都合上、本編の楽曲分しか用意していなかったのです。

ところが、本番当日、前のバンドにアンコールがかかった。

おいおい・・・・この流れで行ったらSTAもアンコールをやらないわけにはいかないよねぇ~と、

メンバー達が色めき立ってきた。

こういう苦しい時には、お決まり異色のインストウルメンタルで「ピーターガン」です。

って、本番の直前です・・・・この状況。

でも、やっちゃいました。

再びベースギターを肩にかけ、ベース・アンプのスイッチを入れ、ボリュームを上げてからマサがさっそくメンバーたちに伝令。

マサからの「ケン、行け!」の号令と共に、有無をも言わさずドラムでリズム開始。

マサとコニタンがメインリフを弾き始めると、知性派クニもパーカッションで

それに便乗する形にてなぞってくる。

その時にもソロパートの三人は、パパッと指差しで順番を決めていました。

その間数秒。

どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。

何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。

まぁ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAならではの持ち味であり、魅力のひとつだね。果たして軍配は誰の手に!?

驚いたことにファーストソロは、エビちゃんではないか!

やるときはバッチリとやってくれる男だねぇ。

ムードメーカーのクニはちゃっかりと、どさくさにまぎれて客席に降りて踊っているし(笑)

二番手はMDによる超絶な嘶きトランペットソロ。

最後は、コニタンがSRVばりのエモーショナルなギターソロ。やはり役者が違います。

完全燃焼。

真っ白な灰になって燃え尽きました。

「ありがとうございます」

一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!

ブラスロックは爆発だ!!

「皆さん、最後まで残っていてくれてありがとうございましたー!!ヒコちゃん、どうぞ~!」

舞台袖に待機していた司会のヒコちゃんへマイクを渡す。

「はい、最後まで盛り上げていただきましたSTAに今一度盛大なる拍手をお願いしますー!今日もまた自分は楽しみましたよ。また皆さんに声かけしますね。どうもありがとうございました!」

と言うわけでして、今回も名物企画ライブ「フレンズ・ライブ」の夜は更けてゆきます。

まあ、色々とアクシデントもありましたが、お蔭様で何とか無事に大団円。

またその内ここに帰ってくるよ。

再会の時まで皆さん、お元気で。

とりあえず、外は氷点下の冷気に閉ざされていました。

道中スリップ事故に気をつけてね・・・・。

 

VERY SPECIAL THANKS TO・・・MUTCHAN&ABEーSAN&TETCHAN&NAKAJIE&HIKO-CHAN&MR,TSUDA&AKI-CHAN&MR,SYUN&MAHO-SAN&FUKU-CHAN&COCA-COLA&MINERAL WATER&OTARU NO MIZU&KIM-KIM&MR,KAZUMI&ORANGE JUICE&IKU&SEKKIE&MR,SOHMA&STUFF&CURRY-RICE&AMI-SAN&PARKING!!

 

 

 

 

 

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