THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,159 LIVE HOUSE&STUDIO PIGSTY(PART,1)

2018-12-24 13:07:59 | Live Set List

2018,12,22(SAT)

STA企画

クリスマス・スペシャル・ナイト!

「LIBERATION45]

遂に本格的な冬の到来。ここのところ寒暖の差が激しく体調を崩しがちな日々が続いております。

周囲を見渡してみても具合の悪そうなバンドマンが続出。かういう私もやられちゃいましたよ、久し振りに。

ちゃんと注意をしていても、一瞬の隙をついたかのように襲われちゃいました。

ライブの日が近づくにしたがい必死に治療専念。

その結果ですか??・・・・なんとライブをやったらすっかり元気になっちゃいました。あれほど熱、咳、だるさ、体の痛みに苦しんでいたのに。

今までにもこういう経験は度々ありましたが、たぶんバンドマンにとっては最高の特効薬がライブなのでしょうね(笑)。

まあ、何はさておいても、やっぱり健康が1番ですな。

元気な体がなければ何も行動に移せませんからね。S・T・Aのメンバー達も練習はもちろんのこと、その辺もバッチリと管理しつつ12月のライブを迎えることとなりました。

出かけ間際に雪が降っていたけれども天候は良好、場所は去年の11月にひきつづき、またまた「ピグスティ」

12号線と環状通りがクロスした所に位置するこの会場は、JR白石駅にも近くて、素晴らしい環境のハコです。

オーナーのナイスガイ・オキノくん、いつも大変なのにありがとう!

ここは元々「白石会館」という映画館だったので、ようく見渡してみると、そこかしこに往年の面影が点在しています。

ロビー正面にある受付カウンター(映画入場券のもぎり窓口だったんだね)は今回閉鎖して、全ての業務はホール受付にて行います。

階段を降りる途中の頭上中央に燦然と掲げられた「白石会館」のミニプレートが神々しい。

左手には楽屋控え室(頭上注意)。

この部屋はかつて映写室だったのです。

だから壁には穴が数個残っていて、そこから映写機がフイルムを回してスクリーンに映像を送っていたんですね(もちろん穴は現在塞いであります)。まさに「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界そのまま。

ホール内はイスを取り外した映画館という感じ。

横幅のある高いステージ、広々としたアリーナと申し分のないシチュエーション。

照明なんかも綺麗で、ハデハデにカラフルなんですよ。

飲料用自動販売機には懐かしき「ガラナ(残念ながらこの日は売り切れ・・・)」「ドクター・ペッパー」なんかもなんと100円で(!!)売っていて昭和テイストがぷんぷん。

もちろん受付でもドリンク販売を行っています。

練習用スタジオもホールの隣にバッチリ3部屋完備。

 

さて、午後4時半からリハーサル開始。早めに到着したのに、もうすでにバンドマン達が楽屋入りしていて賑やか(スタジオ練習のバンドマンもね)!

パーキングもギリギリで満車です。

タイム・テーブルにしたがって各バンド20分の持ち時間内で、セッティングとリハーサルを順次こなしていきます。

今回は全5バンドの出演。全5バンドといってもジャンルがバラエティに富んでいてゴージャスな空気感(笑)。

それぞれが様々に個性的なサウンドを聞かせてくれそうで、個人的にも楽しみにしていますよ。

このピグステイはどちらかといいますと、オリジナルをこなすロックンロール、グランジ、オリタナ系からパンク系の若者バンドが中心となって利用しているのです。

これはオーナーのオキノくんの趣味かな?

でもかえって、STAのようなバンドも新鮮で重宝されてもいるのですよ。

特に今回はベテラン・バンド目白押しで刺激的。

ここのところライブイベントといえば膨大な数のバンドが出演、長尺な時間を費やして行われるのが常だったから、たまにはこのようなコンパクトでタイトな流れも、ほど良いペースでこなせるし、観客もじっくりと見聞きできるしで、熱気維持の意味でも好条件だと思いますよ。

当然、実力のあるバンドが集結しての話ですが。

楽屋、ロビー、地下通路、ホール内とミュージシャン達でごった返しています。なにせゆったりスペースゆえに、リラックスした気分に皆が浸れるんだよね。

いつもはオキノくんがほとんどを1人で取り仕切ってスタッフ業務をこなしているのですが、前日に連絡がありまして、なんとオキノくんは多忙のため、不在との事。で、若い女の子がミキサー、受け付けは男性がこなしてくれるとのこと。

オキノくんと会えないのはちょっと残念な気持ちでしたが、ここのスタッフの子達は皆、可愛い子ばかりで腕前も抜群で性格もナイス!

これはこれで期待しちゃいします。

ホール内では早速そのミキサー担当のアンナちゃんとマサはご挨拶。

この女性は高校時代からここのアルバイトをしていたそうで、想像以上に仕事の要領が巧み。

バンド連中が驚愕していましたよ。

何度もあの高いステージにピョンピョンと駆け上がるしね!(笑)

照明担当のショート・ヘアがよく似合うモエちゃんもキュートな笑顔がはじける女性。

男性たちから大評判でして、一緒に写真撮影しているちゃっかり者も出現。

受付はハシバくんが受け持ってくれました。

STA本番に間に合うように、律儀なオキノくんは戻っていましたがね。

若者スタッフ3人が各持ち場を忙しく動き回って

ミキサー、照明、セッティング等全てをこなしています。

ミュージシャンらの無理難題にもクールに対応してくれる頼もしき存在だ。

凄い!頭の下がる思いだよ。

STA以外全てピグスティ初出演のバンドばかりで(S・T・Aメンバーも初体験者が多数)、皆新鮮なのかあちこちに興味津々。

スタッフやマサがバンドマン達からの質問に逐一対応。

S・T・Aも集結できたメンバー6人で綿密な打ち合わせ。

3バンドがリハーサルの時間内に演奏できる曲を決めて本番さながらに図太い音を轟かせていました。

モニターの返しバランス以外は、ほとんどこれといった問題もなく各自で最終チェック。

STAとズランズランは結局、リハなしのぶっつけ本番。

マサは全タイム・テーブル表。全バンドの編成表、そしてSTAのセットリストと編成表を提出。

アンナちゃんは細かなことにも手馴れたもので、マサのワイヤレス2機を即座にクール対応してくれて安心です。

ワイヤレスの周波数帯域チェックも無事に済ませてくれました。

廊下でウォーミング・アップをする者、ストレッチを欠かさない者、ずっと真剣な表情でスコアとニラメッコしている者、タイバンと歓談をしている者と様々。

飲食物の持ち込みも自由なので、弁当を広げてパクついているチャッカリ者も出現。

正直な話、この日は、3日連休初日なので、札幌&小樽のあちこちでライブが行われています。

よって集客に多少の不安があったのですが、いざフタを開けてみると会場と同時に入場者がドンドンやってきて拍手、歓声が絶え間なく送られるという和気藹々のライブ・イベントとなりました。

何故か女性客が多い・・・・花があって結構なことだ。

MASAによる恒例自主企画「リブレーション」も遂に45回目を迎えることとなりました。

このリブレーションというタイトルは、シカゴの記念すべきデビューアルバム「シカゴの軌跡」最後に収録されている長大なるインストウルメンタルから命名したもの。

邦題は「開放」。トロンボーン奏者ジェームス・パンコウによるアドリブ合戦が凄まじい傑作。ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、そしてアバンギャルドなジャンルまでジャンルの壁を軽く超越するほどに幅広く導入されたなんでもありの世界!ということで、まさしくこのイベントタイトルに相応しいと思います。

マサの運営するイベントゆえに、ここぞとばかりに持参してきたのはシカゴ・クリスマス・アルバム。

これがすこぶる好評。

ずっとBGMとして会場内に流れていてご機嫌。

17:50 OPEN

リハの最中、アンプ接続に時間を要してしまったバンドがいたためにちょい押し目で開場。

さあ!なんとかかんとか準備万端整いましたよ!!

1、四入囃子

6:20~6:50

 いつものようにマサはアンナちゃんが用意してくれたマイクを手にご挨拶、そしてライブの主旨から注意事項、全5バンドを丁寧に紹介。

早々と熱気ムンムンだ。期待度大だね。

華やかに開演を告げます。

今回の出演バンドは、マニア泣かせなジャンルが目白押しです。

特にオープニング・アクトはその際たるもの。

そうです!以前、澄川モダンタイム、琴似バーンにおけるマサ企画「リブレーション」にも出演してくれた猛者集団。

他のイベントでは何度もご対面していて、意気投合。マサたっての熱烈ラブコールに快く応えての連続エントリーです。

ハイ!このバンド名からピンときた方は鋭い!

ジャパニーズ・プログレッシブの代表格「四人囃子」をリスペクトするあまりに、同じ志のメンバー達によって結成されたのが「四入囃子」。

もうそれを聞いただけでも、身震いしながらひれ伏してしまいますよ。

心底、好きなんだねえ、わかるよ、その気持ち。

モダン・タイムの時にもマサは身を乗り出して食い入っってしまい、1番思い出深きお気に入りの曲「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」では不覚にも鋼の涙腺が崩壊してしまい、お涙ちょちょぎれてしまいましたが(なんせ本家本元を70年代に内田ロックンロール裕也さん主催第1回ワールド・ロック・フェス札幌でライブ原体験しているデビュー時からのオタクです)今回はいかに・・・・?

残念ながら時間の関係で「空飛ぶ円盤・・・」は披露叶わず・・・(泣)・・・。

まあ、プログレッシブ・ロックは1曲の演奏時間が異常に長いから致し方なし。

それはともかく、マサは個人的にも,このバンド四入囃子のファンゆえにずっと待ちきれなかったよ。

なんたってマサは最近、車内BGMとして四人囃子2002ライブCD(紙ジャケ)をエンドレスで聞いているほど。

序盤からこれほどまで濃厚なる内容に浸り続けていては、バチが当たるのではないかなあ・・・!

トップでの出演なんてもったいないくらい。

泣く子も失禁しちゃう(!?)不動の男性4人組。

この日の中では最小人数なんだけど、そんなこと軽く超越するほどの凄みを存分に発散していました。

サウスポー・ドラマーのミョウテン氏には、新サッポロ・コミュニティFM番組でマサが出演時、たいへんお世話になったこともあります(あ!メイン・パーソナリティのナオコリンもね!)。

ドラム・セットは備え付けのメタリック・レッド・シェル仕様。

売れっ子人気者ベーシストのトサッチとマサは旧知の仲。今回も愛器ムーンの黒ジャズベースを携えての登場(ローズ指板。ゴールド・パーツなんだけど年季の入り方がハンパではない)。

備え付けのベース・アンプは特大アンペッグ。

ヴォーカル&ギター&MCのGAS氏(この愛称の由来は秘密ね)は伝説のバンド「カルメン・マキ&OZ」の1976年発表セカンドアルバム「閉ざされた町」のTシャツを得意げに着こんで(渋すぎ!!OZもマサは四人囃子同様にワールド・ロックで体験済み)、お馴染みフェンダーJPストラトキャスター(メタリック・ブルーのボデイ・カラー。ローズ指板)を使用。

アンプは備え付けのマーシャルJCM-800に接続(セカンド・ギターアンプはピーヴィーの5150。スピーカーはマーシャル)。

キーボードのTKくんは2段構え(前回はプロフェット6 SEQUENTIAL&NORD ELECTRO5HPだったけど、今回はKORG KRONOS&NORD STAGE-03を導入)。

マサの思いの丈を込めた熱きバンド紹介とコールに導かれて

カウント1・2・3・・・・!

やってくれましたよ!前回は嬉しい裏切り行為・・・・衝撃のフォーカス(ショッキング・ブルーと並ぶ、70年代のオランダを代表するプログレッシブ・ロックバンド。曲名は「ハーレム・スカーレム」。カナダのハード・ロックバンドではないよ。

これをセレクトしたのはミョウテン氏。しかもヨーデルが斬新な代表曲「ポーカス・ホーカス(悪魔の呪文)」ではない!

GAS氏はスキャットもこなしつつ、名手ヤン・アッカーマンのジャズ・テイスト溢れるギター・ソロも披露。

)で幕開けだったけど、今回は「眠たそうな朝には(1978年リリースのアルバム包に収録)」!

こう攻めてくるとは、またしても相当にこだわりまくってますねえ!

ミョウテンさんは潔く「もうこれからは四人囃子しかやりません!」と堂々宣言していました。

この曲も初めて聞きました。

なんとオリジナルでのギタリストは森園勝敏さんではなく佐藤ミツル氏。

彼はサッポロ出身でして、アマチュア当時から一目置かれていた有名人。

「ワールド・ロック」にも「クロス・トウ・ジ・エッジ」というプログレバンドで出演していました。

そういう縁も加入するきっかけにあったのかな!?

この日、各バンド達やウルさ型のロック通達も真剣に四入囃子に聞き入っていましたよ。

とにかく先の読めない進行は圧巻。目まぐるしく曲調やリズムが変化する様はプログレ好きならば、悶絶してのた打ち回る事でしょう。

激しい場面から流麗でメローな展開に繋がり、日本人の誰もが好む叙情的なるソロで様式美の極致を駆け巡る。

ミツルさんが加入したことで賛否分かれたカラッとポップテイスト漂うサウンドが随所にチラホラ。

とにかく曲が長い(今回も全4曲!)のだけれども、微塵も贅肉のない完璧なる構成ゆえに瞬きするのも惜しまれるほど。

シンセとギターの音作りが、ドップリと古き良きあの輝いていた時代へ誘ってくれます。

GAS氏MC「はい、ありがとうございます!もったいないくらいの紹介を受けての登場です。何せ曲が長いのであと3曲となりました!(と、ここで観客の誰かの携帯着信音が鳴り響く)携帯が鳴っていますね!次は森園さん時代の四人囃子で一番面倒くさい曲・・・・なすのちゃわんやき(ゴールデン・ピクニックス収録のインストルメンタル)!!」

 40年以上前にこれほど緻密に入り組んだ完成度高き曲を生み出した四人囃子。それを今、目の前で再現してくれている四入囃子というバンドは貴重です。

頭がこんがらがってしまいそうな、変態的で心臓に絶対良くない変拍子が縦横無尽に炸裂。

黒いアビーロードTシャツ着用のミョウテン氏はボンゾを彷彿とさせる大砲のような豪快無比なる爆音と、トサッチと共に的確に支える繊細かつワイルドなビートが超絶技巧。

個性派の馬鹿テク軍団が繰り広げる、鬼のごとき凄まじいばかりのリフの応酬にはただただ言葉を失ってしまいます。

連発するブレイクの難関も力技で乗り切る。ストイックなまでに貫き通す男気が素晴らしい。

3曲目は異色ともいえる往年のフユージョン・シーンがほのかに香り漂う美味しいナンバーが飛び出した。

GASさんMC「ちょっと静かな曲・・・・レディ・バイオレッタ」

あまりにも美しく切ない音色にゾクゾクしてきちゃって鳥肌が立ってきちゃうよ。

ほどよく高中正義やチャーっぽい、ほろ苦きポップなスイート・メロディも印象的。

燻し銀の本領発揮とばかりに、泣かせてもくれます。憎い演出効果だ。

四入囃子というフィルターを通して、目まぐるしき音絵巻のフィールドに踏み入る事のできるシアワセは絶品。

観客の誰もが酔いしれてしまって、思わず言葉を失っています。

2度STAと対バンした四入囃子。他を圧倒するステージングだったにも関わらず、本人たちは全然納得がいかない様子だったのです。

「是非次回のライブでリベンジを!」とのことだったけれど、これで気分スッキリ爽快でしょう。

メンバー達は何から何まで初体験のピグスティを絶賛してました。

「まずはスタッフの女の子達が可愛い。若いのによく一人で音響をこなしているね。音がよくてすごくやりやすかった!」とも。

ピグスティのオーナー・オキノくんも、このバンドには興味津津でした。

「ありがとうございます。そろそろ最後の曲です。長くて13分なんです・・・・・四人囃子といえばこれに尽きます・・・・一触即発!!」

TKによる全体を覆いつくすノイジーで不気味なるシンセサイザーがプロローグ。トサッチによるカウント「1・2・3・4!!」

この瞬間からすでに会場の空気は正真正銘の一触即発モード。

さあ、どっぷりと浸かりきってください。めくるめく音と音との格闘技。間髪入れず火花散るリズム隊。

照明もアクティブなサウンドとシンクロするがごとく、超ド派手な点滅を繰り返す。

いやはやなんとも中間部でのGAS氏による味わい深きボーカルを突破口に、起伏のダイナミズム波状攻撃だ。

クラシックの要素を多分に含んだスリリングなる展開でピンク・フロイド風、EL&P風、YES風、キング・クリムゾン風・・・・ミョウテン氏がスティックで豪快に力いっぱい叩くとディープ・パープル風へと、音楽形態がカメレオンのごとく変化するのです。全体に散りばめられたありとあらゆる豊富なるエッセンスがぶつかりながらほとばしりでる。

TKくんはスコアを次々に素早くめくっては、終いに鍵盤を肘で弾きまくり。

官能的なるギターフレーズでは華麗なるアーミングも交えてドラマティックに起承転結。

再び前半へ戻ってからも熱を帯びるギター。

あの頃をリアルタイムで知っている者にとっては、陳腐な解説なんかいりませんね。

観ていて無意識のうちに、にやけてしまうんだから、今改めて自信をもって痛感いたしました。

新しい、古いという能書きなんて全くもってナンセンス。「温故知新」とは、さすが昔の人は良い事おっしゃる。

四入囃子のステージが終わった瞬間、誰もが金縛りのように凍り付いていた場面が全てを物語っています。

2,BREMEN CLUB BAND

7:00~7:30

さあ!セカンド・アクトに突入だあ!

恵庭からの初出演バンド。

全員男性の6人組みで、60~70年代和洋折衷ロックを繰り広げてくれました。

S・T・Aマサとこのバンドメンバーのフジリンとは以前からの知り合いでして、ほとんどファミリーのようなバンド。

一度だけスタジオリハ中のSTAに、フジリンがセッション参加したこともあります。

満を持して、遂にタイバンが実現ですね。

サイドギターのムエタイ・タダさんは、ブラックカラーのフェンダーJPストラトキャスターで現れました(ローズ指板。ストラップも黒の布製フェンダー。コーラスも兼任)。

リハでも本番でも使い慣れない5150のアンプヘッドに戸惑って苦慮していましたが・・・。

マイケル・マエヤマさんはギブソンLP・STDギター(サンバースト・ボディカラー)。

ロングヘアでサウスポー・ベーシストのジュンさんは、愛器フェンダーJPジャズベースと、やはりフェンダー布製ブラック・ストラップというコンビネーションで統一(3トーンサンバースト・ボディカラー。ローズ指板。ジミヘンTシャツに黒の革ジャン・スタイルがなまらお似合い。)。

タメの効いたバックビートが評判のスーさんがドラマー。

そうなのですよ!この方はベースのキョウコさんとクリーム・カバーバンドを組んでいるシカゴ大好きミュージシャンでして、STAライブを行ったマサとG-HIPのその場で意気投合。

この日もわざわざスーさんのほうからマサへ、久し振りに声をかけてくれました。懐かしいなあ。

そしてツイン・リード・ボーカルにはリーダーのフジリンとエルビス・アオキさんを配すという布陣。

オープニング曲は王道路線で・・・・エリック・クラプトンのデレク&ザ・ドミノスから「愛しのレイラ」!

あのあまりにも有名すぎるギター・リフを颯爽と奏でてのスタート。

フジリンは隠し持っていた、ギンギンギラギラのスパンコール散りばめたジャケットを取り出して勢いよく羽織った。

と、あれれれ・・・・!?何かが違う・・・。

いつのまにか演歌界の大御所で道産子歌手・細川たかし氏の定番曲「北酒場」に変身しているではないか!!

細川さん黄金期の代表作を皆で嬉々として演奏。

アレンジ構成がお見事。

そうなのですよ・・・神聖なるトリビュートとして、特別に組み込まれたようです。

でもロック調のサウンドに、違和感なくフィットしていますよ。

昔取った杵柄とばかりに、どんな歌でも己のものとして完全吸収して歌いこなす、フジリンならではの選曲。

彼の持ち味でもあるキャラと男臭くもセクシーなコブシが、激しくも情熱的にメラメラ燃え上がっているような迫力。

ツイン・ギターによる、あの有名なる洋邦ミュージック・ミックスからスタート。

これで掴みはオーケー!

フジリンの声域は脅威的です。小指を立てる振り付けも、悩ましげに決めてくれます。

しなやかな舞いを繰り広げるフジリンの身のこなしも緻密に計算されているかのよう。

そして畳み掛けるようにエンディング。

「え~どうも。こんばんは!ありがとうございます。恵庭から来ましたブレーメン・クラブ・バンドです。平均年齢58歳・・・今にも倒れそうです(笑)。短い時間ですけどよろしくお願いします!

次の曲はロカビリー・シンガー、エルビス・アオキが歌います。

エルビス・プレスリーで・・・・ブルー・スエード・シューズ!(オリジナルはカール・パーキンス)」

当然アオキさんは自称エルビスと名乗るだけあってリーゼントをビシッと決めています。

それだけにとどまらず、フジリンから受け取った眩きキラキラ・ジャケットを着てツイストを踊りながら、あの一種独特なる癖モノヴォイスも再現。

ネクタイまでエルビス・デザインという徹底ぶり。

それにしても、このバンドのセットリストは全て把握しているんだけど、やっぱりそれでも聞き応え、見応えがあります。

興奮を禁じえない。

今回のフジリン衣装は全身真っ黒!帽子から靴に至るまで、どこをとっても黒ずくめです!!

ちょっと彼はほろ酔い加減だけど、ザ・ブルース・ブラザースのいでたちでちょい悪オヤジ風が基本コンセプト。

セットリストに刺激を受け奮起したらしくて(!)超が付くほどにブラック・ファッションでまとめてきたようです。

いやはやなんとも、御見逸れしました!

ビジュアル面にも生真面目でストイックな男であります。

「どうもありがとうございます!!エルビスの曲を・・・お送り・・・・しました・・・・ハアハア・・・息切れが止まらない・・・ゼエゼエ・・・・マイペースに活動しています(笑)。良かったら次も我々のロックを聞いていってください・・・・・・・・もう、ワイルドだぜい!1・2・3・4!」

この雄叫びでおわかりでしょう。

ステッペン・ウルフの「ボーン・トウ・ビー・ワイルド(邦題はワイルドでいこう!)」

スーさんのスティックによるカウントから爆音轟かせてのドラミング。

ニュー・ロックの夜明けに、これだけ貫禄に満ち溢れたアンセムが存在していたなんて驚きだ。

今、改めて聴いてみてもメチャクチャにかっこいいよね。

全体的にタイトで抑え気味なサウンド・メイクが、壮大なる音絵巻を構築。

ドラマティックで一気に観客をブレーメン・ワールドへと引き込む、とても完成度の高い入魂の一作。

BCBの有り余る才能を、フルに導入した展開は絶品。

全くタイプの異なるツインギターの特性を生かしつつも、エフェクター操作が秀逸。

フィンガー・ピッキングによる重厚なるベースも特筆すべき点。

鮮やかな赤の三日月タンバリンやシェイカーを交互に持ち替えるボーカリストの御両人が、それらを最大限に駆使して場を盛り立てる。

一心不乱に向き合って踊り狂う2人のスタイルにも皆が釘付け。

名物ダンサーのオーディエンス・アベさんもステージ最前列で共にダンシング。

世代的にも、このバンドをひじょうに待ち望んでいたアベさんなのでした。

「え~どうもありがとうございます!皆、息があがっています。頑張って歌いますのでよろしくお願いします。次はディープ・パープルの曲をお送りしたいと思います・・・・・ブラック・ナイト!」

元祖ブリティッシュ・へヴィーメタル・バンドの名曲。

グイグイと魅力全開のフジリンが発する煌びやかなるオーラは、誰もが一度でも触れた途端、虜になること受けあいさ。

すっかり今後のサッポロ界隈ライブ・イベントでは、名物化するほどに浸透した感ありです(笑)。

捲くし立てるようなパワフル・ボーカルのパートを見事にクリア。

トリッキーなトーンによるリックを絡めたギター・ソロ。

リッチー・ブラックモアの十八番だけにストラトキャスターでソロを演ずるものと思いきや、レスポール奏者に託す!

ポーカー・フェイスのスーさんによる重量感タップリのボトム・ライン目白押しでの刻みは雰囲気抜群。

ばててきた・・とこぼすわりには貫禄タップリ。

キラキラ衣装が綺麗なフジリンによるMC「ありがとうございます。今日はクリスマス・スペシャル・ナイトということで、それにちなんだ曲をお送りしたいと思います!エルビス・プレスリーで・・・ブルー・クリスマス!(1957年リリース)イエイ!!」

切なき男心を歌わせたらエルビス・アオキの右に出る男性はなかなか札幌界隈では存在しないでしょう。

思わず聞き惚れてしまいますね。

感情込めて手の平を上げ虚空をウットリと見上げながらも、唯一無二の歌唱力を誇るエルビス・アオキ。

ありとあらゆるテクニックを、ここにきて惜しげもなく総結集だ。

決めのタイトルパートコールでは、後方観客席からナイスなタイミングで合の手が入る。

フジリンは黙々とシャイカーを振りながらもバックアップに徹する。

熱気を帯び始めてノリノリな勢いが増してきたところで、和気藹々なままで曲も終了です。

「皆さん、照れないでチークダンスでもいかがでしょうか?次はエリック・クラプトンで・・・ワンダフル・トウナイト・・・(1977年発表のスローハンドに収録)」

クラプトンの元妻であるパティ・ボイドに捧げられた曲。

この味わい深いドラマティックな曲にはフジリンのボーカルが最適。

ための効いたギター・ソロも悩ましくて狂おしい。

会場内では実際にチーク・ダンスをしているカップルも出現。

「我々のイメージには似合わないバラード・カバーなんかをやっちゃいました」なんて自虐的なネタで和ませてくれましたがどうしてどうして。

ここぞという正念場ではキッチリ落とし前で倍返しです。

「次は・・・・アイ・二ード・ユア・ラブ・トウナイト!(エルビス・プレスリー)」

当然ここはエルビス・アオキの出番。

交互にお得意のジャンルによって、ボーカルを分け合うというひじょうに贅沢なる構成。

ストレートにタイトにノスタルジックに軽快なムードを醸し出す事に成功している曲目。

念入りに考察した結果がここにきて功を奏しているようです。

一見するとギクシャクしちゃいそうな選曲ではありますが、不思議と違和感なし。

これもブレーメン・マジックの表れか、好感が持てる彼らのキャラクターによるものか。

エルビス・アオキとフジリンによる絡みも堂に入った感ありで見ものです。

「残り2曲は日本のロックンロール。

キャロルで・・・グッド・オールド・ロックンロール!(クイック・シルバー・メッセンジャー・サービスがオリジナル)1・2・3・4!!」

クリスマス・スペシャル・ナイトだから「クリスマス・キャロル」に引っ掛けたのかなあ・・・・?

それって、考えすぎ?

まあ、いずれにしても後半戦にはもってこいの一撃をドテッパラにくらっちゃいました。

3コードのお手本のような理屈抜きにはじけちゃう曲。

フジリンは自分達を「コミックバンド」と表現していたけれども、そんなこと微塵も感じなかったけどなあ。

逆に「自分達は相当にいけてる!」と思いこんでいる滑稽極まりないバンドの多い世の中よ。

「またどこかでお会いできる機会があれば、よろしくお願いいたします。ここのお客さんは大人しいね。恵庭のお客さん達は長靴を履きながらでもノリノリだよ。最後となります。やはり永ちゃんで・・・黒く塗りつぶせ!」と丁寧にお辞儀する行儀の良いフジリンでした。

エネルギッシュな曲調で猛然と突っ切るところ、出だしがあわなくて一旦演奏が停止・・・・・・。

「ストップ・・・やり直し」とフジリンが黒い矢沢タオルを肩にかけて手を振るパフォーマンスで仕切り直し。

どんなジャンルでも歌いこなす、今後も要注目の貴重な個性派シンガーのフジリンです。

もう永ちゃんがフジリンに憑依しているかのよう。

ピッキング・ハーモニクスの乱れ弾きもスリリング。

開き直ってメンバー紹介を織り交ぜ、口笛がピューピュー吹き荒れる中、ライブは無事に終了。

これで益々、知名度が広がったことでしょう。当然、後片付けを済ませてステージを去ろうとするメンバー達に握手を求めるファンがドッと殺到していましたよ。

永ちゃんならば絶対にこう言うはずさ。

「上手いビール飲んで帰ってね!」

 

~ライブ・レポートの「パート1」はこれにて終了!お次は中盤から後半戦です。よろしくね!!~

 

 

 

 

 

 

 

 

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