****ライブ・レポートの第2弾です。
ここでまた素晴らしいミュージシャンが登場しますよ。お楽しみに!!****
2、SOGO
18:40~19:10
先述どおり、今回は新型コロナウィルスの影響で、当初出演予定していたバンドが全て本番ギリギリになってキャンセルとなりました。
8バンドほどがラインナップしていたのですが、各バンドのメンバー数人が勤務先からNGを出されたために泣く泣く断念。
皆、この日を心待ちにしていたのですがね・・・・。
STAでさえ、3人が離脱したのですから、イベント開催にこぎつけたというのはまさに奇跡!
これも皆のご協力の賜物。
タイバンやスタッフ達に感謝です。
で、1番目に演奏したヒロリンもですが、このSOGO君も滑り込みで最後に出演を快諾してくれた人。
なんと2日前に決定したんだからね。
本来ならば両手首の腱鞘炎が悪化していて難しい状況だったのですが、そんなこと微塵も感じさせないほどの勢いで華麗なるパフォーマンスを繰り広げてくれました。
SOGO君とマサとの付き合いも古いのです。元々はスタジオリハの際にロビーで知り合った仲。
それをきっかけに何度も「リブレーション」に参加してくれました。夕張ファイブペニーにまで足を運んでくれたこともあったねえ。懐かしい。
あの頃は女性べーシスト&ボーカルのサヨちゃんとのツインプロジェクト「わかば」での出演だったんだけど、それ以降は主にソロワークとセッションに比重を置いた活動を展開しているSOGOくん。
今回は本当に数年ぶりの再会。
相変わらず元気そうで若々しくってパワフルだ。
会場内では、マサと積もりに積もった話題で盛り上がりましたね。
今まで知らなかったSOGOくんのキャリアを聞き改めて衝撃。
ドイツでもアクティブにギタリストしていたんだもんな。
納得だ。
ワールドワイドな修行を経て、今のSOGOくんが存在するわけだ。
エレキギターを抱いた渡り鳥とは彼のこと。
さてさて、ここでは洋楽、邦楽織り交ぜて幅広くダイジェストな展開でプレイ。
とにかく、オーディエンス達は次から次へとはじき出される超絶技巧のテクニックに圧倒されっ放しでした。
ご存知の愛器はストラトキャスター。
30年以上にわたる心強い相棒の仕様は、オリジナルオーダーメイドギター。
ネックはフェンダージャパン(うっすらと虎目入り)。ボディは謎のアッシュ材で程好い重量。ヒールカットは後々に施した。
ピックアップには非売品のレースセンサーをマウント。
ボディカラーは深紫(ディープパープル!)
遠めには黒に見えるほどの濃さ。
ボディ裏のスプリングパネルには、闘魂のアントニオ猪木氏による直筆サイン入り。
ここは当然、消えないように、バッチリとシールド加工するという念の入れよう。
以前にこれを見せてもらった時、あまりにもインパクトがあったから鮮明に憶えているよ。
マルチエフェクターは最新のボスGT-1。
これをワイヤレスへ連結して、縦横無尽に動き回っていました。
事前にミキサーのアンナちゃんとリハを済ませ、準備万端整いましていざ本番!
全曲、合間にMCを交えつつもインストウルメンタルで。
「スピニング・トウ・ホールド」
いきなり掟破りなクリエイション1977年発表の代表作(シングル化は1978年)。
神がかり的な技の数々。
ファンキーなノリに言葉を失っちゃうほど。
ローズ指板上をこれでもかあ、というほどに走りまくるフレーズ。
弦高はギリギリの低さ。これで光速プレイもスムーズに。
マサもギターを手にとらせてもらったんだけど、しっくりくる重さと、テンションに思わず唸っちゃいました。
それと質問もしてみた。
「スキャロップ加工はしてないの?」
すると不敵な笑みを浮かべたSOGOくん。
ハイポジションを指差す。
おお!数フレットがちゃんとえぐれてる。
「やはり削ったんだ!」「いやいや、ナチュラル・スキャロップ!」
マジか!!??
あれほどの技術を得るにはこれだけの鍛錬が必要なんだね、と今もって唸らされちゃいましたよ。
ソロでの演奏ゆえにもちろんバッキング・トラックは、SOGOくんがあらかじめプログラミングしておいた音源を流しています。これも逐一、スイッチング。
ここでのアレンジも秀逸。
ドラムやベースが程よいアンサンブルをかっこよく築き上げていて快感。このサウンドにのってSOGOくんが暴れまくるという図式。
「YEAH!!ありがとうございます。今のはプロレスラーのザ・ファンクスの入場テーマ曲ですね。洋楽のように聞こえるけれども実はロンリー・ハートというヒットもあるクリエイションの曲。知っている人はいるかな?
では、たくさんやりたいからドンドンといきますよ!
プロレス繋がりで、天龍源一郎のテーマソング。これやったことないんだけど、
高中正義で・・・・・サンダー・ストーム!(1981年7月5日に発表した2枚組みコンセプトアルバム虹伝説に収録。ちなみに猪木のサインやオープニング曲といいSOGOくんは無類のプロレス好きなようですよ。
ロッカーには格闘技ファンが多い。マサもだよ)」
ここでも情け容赦なくハードに弾きまくる。
ありとあらゆる奏法を、惜しげもなくてんこ盛りに披露。
チョーキング、プリングオフ、スィープピッキング、そしてお約束ともいえる縦横無尽な速弾きなどなどを賑やかに披露・・・・。
ギタリストのための教科書。
こうあるべきという、お手本になる要素満載。必見だ。
勉強になるよ。
SOGOくんの佇まいは写真で見てもわかるとおり、見るからにロッカー。
ハット、サングラス、ロングヘアー、鮮やかなデザインのシャツ、ジャックダニエルの黒いTシャツ、アクセサリーの数々・・・・。
ギターを抱く姿が様になっています。なかなかここまで絵になる男っていないですよ。
ハッタリだけの見てくれ野郎ならばそこいらにゴロゴロと転がっていますがSOGOくんは筋金入りの本物。
札幌界隈では堂々と名の通ったミュージシャン。
技術、知識、経験、ルックス、個性と申し分なし。
「ギターによるピン・ライブは滅多にやらないんですよ。
自分は凄い性格が悪いものでね、バンドがやれない・・・・・(笑)。
次はギター・インストで世界一有名な曲。
あえてタイトルは言いません。
ええっと・・・準備をしていなかった・・・(笑)
一人で全てをこなしているから大変なんですよ。」
遂に出た!
泣きのフレーズと思いっきりタメの効いた悩殺的官能の極致といえばこれ。
サンタナ永遠の決定版「哀愁のヨーロッパ(1976年発表のアルバム、アミーゴに収録されたシングル)」
グッと場の雰囲気を変えて迫ってくるという憎い演出。
第一音からタップリと身をゆだねて酔いしれてしまったよ。
ラテンの揺れるリズムと、地を這うように流れるビート。
めちゃくちゃに上手いなあ。
そんじょそこいらのへなちょこロック野郎共が、束になって挑んできても叶わないでしょうよ。
一発で消し飛んでしまうのがオチ。
お約束ともいえる例のサスティーンパートも、バッチリと余裕でこなしているではないか。
表現の手法が鮮やか。
一同が釘付けだ。当然といえば当然かも。
徐々にヒートアップしてライトハンドを駆使するくだりでは、ノックアウトされてしまった。
アタックのタイミングがパーフェクトだ。お手上げ状態。いやはや、御見逸れしました。
愛用のギターが良いサウンドを醸し出している。
どんな曲にも対応してくれる頼りになる相棒。
もはやSOGOくんの分身ともいえるほどに、体の一部と化している。
「というわけでして、ドンドンといきますよ。
大好きなイングヴェイJマルムスティーンの曲。
ちょっと待っててね・・・・・(機材の操作)
ちょい暗い展開ですが、タイトルどおり切ない感じの曲です。
クライング・・・・」
インギー1986年発表の最高傑作サード・アルバム「トリロジー」に収録されているへヴィーメタリックなネオクラシカル・ビューティフル・ソング。
そうなのですよ。
SOGOくん、自ら語っているとおり、彼のルーツの一人ともいえるイングヴェイ。
それにしてもチョイスする曲が渋いというか、こだわりが強いというか、ひじょうにマニアックであります。
個人的には大歓迎だけどね。
自由自在に気持ち良さそうな表情を浮かべて熱演する、ギターの革命児SOGOくん。
これだけ荘厳な響きを伴いながら弾けたら、さぞかし爽快でしょうな。
もちろん血と汗と涙の成果だ。
努力は決して裏切らないということを、ここに証明してくれたようなものだ。
能書きばっかりたれている頭でっかちな輩も、少しは見習ってくれたまえよ。
有限実行。
「実はこんな格好をしていますが、クラシックギタリストでもあるのですよ。
ここからはバッハとか色々な曲をそれぞれに1分ほどしかないけれども、3曲ほどやりたいと思います。ちょっと待っててくださいね・・・・いきます。
「カンタービレ(パガニー二)」
ラテン語で「歌う」という意味なんだそうです。
雄大なるメロディにボリューム奏法を絡めてエレキギターで再現するSOGOくん。
やはりタダモノではない。
単なる3コードのロックンローラーには絶対できない芸当。
よほどの自信と実力がなければ、こんな難解なる曲をセレクトしないよね。
場面一転してメドレーで「フグエッタ」
これって、バッハでもビバルディでも、イングヴェイでもない、SOGOくんのオリジナル。
「フゲッタ」に対するオマージュか?!
この曲はリハでも取り上げていたからマサが質問した。
「あれってイングヴェイ?」「いや、オリジナルだよ。
練習用に作った曲」といたって涼しい顔で解説してくれました。
恐るべしだ!どうやったらあんな曲を生み出せるんだい!?
「パラフレイズ」
これもオリジナル?
ある曲のソースを、エレキギター用に置き換えて組み立てた実験作品?
今度、機会があったらゆっくりと尋ねてみようっと。
それにしても貴重な体験をさせてもらってるなあ。
単純なロックコンサートでも、純粋なるクラシックコンサートでも聴くことのできない面白い試みだ。
「これに似たような曲がありますよね(笑)。
どう聞いてもバッハに聞こえる。
オリジナル曲だと言っても、バッハだと言われるんですよ。
時間、余ってるね。35年くらいずっと弾いている曲で締めくくってみたいと思います。
ちょっとやかましいけど、イングヴェイ・マルムスティーンで・・・・・ファー・ビヨンド・ザ・サン!」
十八番ともいえるトドメの一撃が炸裂。これは「わかば」の時にも取り上げていた極め付けのレパートリー。
もうラストはこれに尽きますね。
ギター弾きにとっては恍惚のヒトトキ。
マサも以前によくライブ演奏していたお気に入りの曲だから、心情が読み取れる。
SOGOくんは持てるだけの力を余すことなく出し尽くす意気込みで鬼気迫る圧巻のアクション。
前後左右に動き回って休むことなく、マシンガンのごとく音をタップリとはじき出す。
目にも止まらぬ速射砲のごとき。
ギター魔術師のようだ。
息をもつかせぬ過激すぎる進行に、目まいが襲ってきそうだ。
中盤に差し掛かり、キーボードとのソロでの攻防ではテンション・マックス。
エクスタシーに達した箇所でブレイクの連続。
そこから怒涛のエンディング。ここも一筋縄ではいかない。
熱気溢れる30分のギター・バトルもこれにて終焉となりました。
いやあ!良かったよ。
またすぐにでも続編を拝ませてね!
サンキュー!!
3,MURAKAMI☆TRIO
19:20~19:50
さあ、早くも中盤に差し掛かりましたよ。
STAとのタイバンは4ヶ月振りの3人組みが満を持しての登場と相成りました。
この日唯一のトリオ編成にして、またもやオールインストバンドへとバトンタッチ。
しかもギター&ドラムレスというユニークさ。
2019年11月夕張ファイブペニーズのSTA企画「リブレーション」以来だね。
ジャンルを説明するのがちょっと難しいのです・・・ジャズ・ポップロック歌謡???
オールマイティにカヴァーするという大役を、堂々いともあっさりとこなしてくれました。
2016年の2月「小樽公会堂・雪明かり」やモダンタイムでもSTAとタイバンを組みましたが、ここ数年はキーボードとしてミサト嬢を新たに迎え入れてのライブです(YAMAHAを使用)。
彼女とマサは練習スタジオ・ロビーでムラカミトリオ・リハ時に何度かお会いしていましたが、驚いたことに現在の彼女の職場上司がマサの以前の上司なのですよ!
これは衝撃だ。
今の北海道音楽関連でのマサがあるのも、この恩師あってのこと。ずっと今でも年賀状でのやりとりは続いています。
「ヨロシク伝えてね!」とミサト嬢に会うたびお願いしてます。
さて、この日は彼女しかキーボード・プレイヤーがいないので早々とステージにスタンドごと機材一式をセット!
驚いた事にミサトちゃんは、ファニー曰くライブハウス初体験なんだそうです。
さぞかし新鮮でしょうね。
で、バンド名からもすでにおわかりでしょう!
STAのトランペッター、ファニーのリーダーバンド。
STAホーンメンバーによるプロジェクト。
彼はこの日の出演者中、ただ一人の掛け持ちミュージシャン。
で、このバンドも急遽参戦してくれたのですよ。
STAの強力なる底力を見せつけたラインナップ。
ファニーはつい先月の29日にもピグスティで、見事復活を遂げたヘルハニーズを率いてライブ出演をしたばかり。
短期間でピグスティにて3ステージをこなすという相変わらずの超多忙ぶりです。
アップライト・ベーシストは、おなじみのシロクマさん(アリアを使用。ボディは空洞で、PUはマグネットとピエゾも内臓。ピエゾはオフ状態に設定しているそうです)。
そのシロクマさんは、懐かしき流行歌を聞かせるトリオのウッドブロッカーズとして、今までSTAと何度もタイバンを組んでいます。
その時には黒いサングラス着用というコワモテ姿でウッドベースをスピンさせるという小技まで繰り広げてくれましたが、ここではいたってクールな佇まいで、落ち着き払い黙々とボトムラインを牽引。
この日も早々と一人で愛車を駆使して会場入りした、シロクマさんとマサは挨拶を交わしました。
お互いに近況報告。 近年はスバルが力を入れているエゴイズムラッピンに久留さん共々加入しています。
1曲目は、
「恋のバカンス(ザ・ピーナッツが1963年の4月に発表したヒット曲)」
アッと驚く斬新なる幕開け。
アダルトな雰囲気満点。
ジャンルの壁なんてこのバンドにかかれば一切関係なし。軽く超越しています。
ムラカミトリオ、定番中の定番。
お茶の間でも知名度が高く、各世代間でも親しまれているスタンダードをオープニングに持ってきた。
ファニーのトランペットが昭和歌謡界の情景を渋い響きで描きあげています。
この日のサウンドバリエーションを狙った心憎い演出かなあ。
それに追随するキーボードソロや、シロクマ氏のグリッサンドやミュート・タッチ音が、生々しく弾き出されて効果覿面。
中間部分でのベース&ピアノ・ソロも、本家以上にジャズ・テイスト満載。
4ビートをフルに生かしたスイング感がご機嫌だ。
さすが十八番のナンバーをセレクトしただけあるね。
でも全体的にじらし気味、グッと落ち着き払って抑えているところが心地よきテイストを醸し出している軽快なるミュージック。
MCもファニーが兼任。
「はい、どうも。はじめまして!改めましてムラカミトリオです。宜しくお願いします。
そんな訳でして、この箱は初参加です。
ピグスティはロックン・ロール系が中心のライブハウス故にトゲ付きの革ジャンを着てくればよかったかなあ…と今後悔しています(笑)
暑いね〜…あいつが俺を狙ってるんだなあ(と観客後方中央に設置されている暖房機の熱風噴射口を指差す。沖野君は気をつかって暖房を強めにしてくれたんだけど、ヒロリンも暑い、ともらしていたのでここでスイッチオフ…)
いつもこのような感じで場所によって臨機応変に演歌、映画音楽、スタンダード・ジャズなどを織り交ぜて披露しています。
先ほどの1番目、2番目に出演したソロの方達。凄いなあ。よく緊張しないで演じてるなあ、と感心して見てました。」
「緊張してるよ!…アンコール!(笑)」と早くもヒロリンからラブコールが飛んだ。
「やはり1人でやるのは大変です。プレッシャーが半端ない。間違いをおかすとモロバレ。自分もよくデモンストレーションでソロを披露するのでよく気持ちがわかります。
我々はマイペースに活動していますが、かろうじてピアノのミサト嬢が平均年齢の引き下げに貢献してくれています(笑)。
さて、次の曲はどうしよう・・・と思案しました結果、それならば、じゃあということで・・・元ポリスのスティングをちょっとやってみようと思います。」
「おおおお!!」と会場全体に驚きのどよめきが沸き起こる。
「最近、やっとスティングの良さがわかってきました。そうでもないかい?
ミディアム・テンポでイングランドのイメージをお届けしたいと思います・・・・イングリッシュマンインニューヨーク!!(4:32。1987年10 月にリリースされた2枚目のスタジオソロアルバム、ナッシングライクザサンからのサードシングル。)
よろしくお願いします・・・1・2・3・・・・」
ウッドベースがイントロを円熟のテクニックでキープ。
当然、歓声が湧き上がる。
(これで掴みはバッチリとオーケー!)
マサもお気に入りさ。
スティング節はいつ聞いてもどんなアレンジでも、かっこいいし痺れるんですよね。
ジャズ、レゲエ、ポップ、ロックと贅沢すぎるほどな味付けが施されていて素晴らしい楽曲。何度聞いても飽きがこない。
ファニーここでは、トランペットがメロディーラインを一身に請け負っての独壇場と化す。
帝王マイルスデイビスばりにミュートをかましてよりエモーショナルに。
ムーディーな心地良さに満ち溢れていて、グッときます。
琴線をビンビンに震わす、ナイス・セレクションだね。
観客も、皆酔いしれています。
ピアノとベースは、さりげなくバッキングにまわって盛り立てています。
後半はピアノ・ソロにチェンジして、ブレイクの連発からファニーのしっとりとしたエンディングへ・・・・。
「という感じで、ネットリとした曲をお送りしました(笑)。
はい、いかがでしたか。
私は数年前からコミュニティFM札幌村ラジオで、毎週土曜日午後2時からムラカミアキラの楽しい音には福来る!という1時間生番組をDJ担当しています。
独断と偏見でコレクションの中から音楽を紹介していますが、STAマサさんもゲストで出演してくれたことがありました。で、記念品として粗品もプレゼントしています(欲しい!の声)。ブランド物ゼブラのボールペン(爆笑)!滑り止めのゴムまで付いている!(大爆笑)
世界中でこの番組でしか入手できないという、激レアな一品。
皆さんも是非出演してください。イベント企画、ライブ告知で番組を占拠して30分は喋っていただきます。」
と、ここで誰かの携帯電話から着信音が発せられる。
「あ!?電話だ・・・・あれ、シロクマさんのかい??」「もしもし・・・・今出れません・・・・」
またしつこく鳴る・・・・「しばらく出れません・・・・・こちらから電話しますね。」
その間中、観客はジッと待っている。
「シロクマさんの電話タイムを楽しんでいただきました(笑)
新型コロナウイルス対策として両隣りのメンバーらはマスク姿。さすがに私は奏法上マスクは無理。
いっそのこと、タイガーマスクか月光仮面になろうか?(笑)
今はマスクをつけていないと白い目で見られる嫌な世の中。
私事ではありますが、去年の冬から咳や喘息で困っています。この時期にきてね…!なんとか治りましたが。
村上トリオは色々と面白いレパートリーを用意しています。
次の曲も聞けばわかりますよ。宜しくお願いします。・・・・時の流れの予想図Ⅱ」
キーボードのイントロで、もう納得!
テレサ・テンとドリカムによる、夢のような合体ヴァージョンだあ。なんて素敵なコラボレーション。
もちろんバカ受けしていたよ。
腹を抱えて大笑いさ。
もう皆、リラックスしながらアット・ホームな雰囲気が漂う中、自由気ままにこの空間を堪能しています。
思わせぶりに、自然と連結する「時の流れに身をまかせ」が姿を現すたび、一気に微笑ましいシチュエーションへと場が豹変。
ミサト嬢も弾きながらニコニコ。
それだけにとどまらず、最後は観客全員で大合唱が始まった。もの凄い現象。
演奏だけでも大変だろうに、なんという遊び心。
でもトランペットソロで決めるところはガッチリと引き締める。
ファニーはドリカムサイド、ミサトちゃんがテレササイドを担当。
交互にパートを移る構成も自然でスムーズ!
余裕シャクシャクに繰り広げていきます。
イキなREMIX。一体全体誰のアイデア?!
「こんな風に趣向を凝らしてやっております。今後とも宜しく。次は手拍子をお願いします・・・・・・・コーヒー・ルンバをお届けしましょう!(西田佐知子)」
まず序盤はボサノヴァの巨人セルジオ・メンデスの代表作品「マシュケナダ」ではじまるというサプライズなる豪華オマケ付き。アップテンポな鍵盤タッチで面目躍如。
軽快なるラテン系タッチのリズムから本題の昭和歌謡へと繋がっていきます。
当然メインはファニーが堂々の嘶き奏法。
和気藹々のマニアックな空気感は、このバンドが持ちうる最大の武器でしょう。
通受けを狙ったかのようなしたたかさ、ありとあらゆる箇所にオタク心をくすぐる味付けが笑いも交えつつ施されていて、素晴らしい。
異国情緒あふれる、一種不思議なムードが蔓延。
癖になりそうな世界へと誘う。
狙いは的中⁈
最後はミュートを装着したファニーによる、リアルすぎるくらいのロング・トーンが轟き渡ってフィニッシュ。
「少し受けたね(かなり受けていたよ)・・・まあいいや!よし、今年はこれへヴィーローテーションでいこう!
メンバー紹介にうつります。」
と、ここでファニーが懇切丁寧、敬意を込めつつ2人を紹介。
「キーボードのミサトちゃんはここに来るのに本通りと本郷通りを勘違いしてしまいました!
ベースのシロクマさんはプリアンプが壊れてしまったのでダイレクトにアンプへインプットしています。
そして私がファニーです。
よく自分の紹介を忘れてしまうんですよね。
宴会の幹事をやっているのに自分がお金の支払いを忘れていたりとかね!
イエイ!!そんなわけでして、
去年はよくライブをやりました。
16本!結成5年目で最多記録。この勢いにのっていきますよ。
私事ではありますが、猫を6匹飼っています。
去年また1匹増えました。雉白のマンチカン。もう名前も決まりました。マー坊です。
(クロネコヤマト宅急便のウンチクにヒロリンは感銘を受けてた!)
猫の話題が出たところで、ジブリ映画・魔女の宅急便から・・・・海の見える街(久石譲)という曲をやりたいと思います」
マスクを外したシロクマさんはここでもベースが勢いよく唸りをあげ的確なるイントロを奏でて、ピアノがサビのパートを追随。
普通は四拍子なんだろうけど、ちょい捻りを加えて三拍子のワルツに仕立ててみた。
やっぱり一筋縄ではいかない、したたかなる策士集団。
ファニーがメインの歌メロを、再びトランペットで吹き鳴らしながらも猛アピール。
咽び泣くアレンジセンスが斬新で粋だね。
トランペットとピアノによるアンサンブルも光っている。
心なしかセンチメンタルな気分に浸ってみるのも一興。
「いいでしょ!」とファニーはドリンクを一飲みしてご機嫌。
「はい!え~、さあ、どうしようかなあ・・・
ライブの告知をさせてください。
4月25日ライール。ゴールデンウィークに突入すると厚別春祭りに何回も出演します。
5月17日は小樽ビールイベントにちょっと出よう!
6月は予定が無いけど、7月にはシティジャズ。生ピアノが
ある会場を希望!…と言えば何処になるか、大体わかるでしょ!
あ、そろそろいい時間になってきましたね。最後の曲にいこうかな。今年になってから色々とやった事柄をネタにしながら進行していますが、つい最近というか、去年末にスコアを作りました。ちょっと綱渡り状態ではありますが、アストル・ピアソラで・・・・・liberdango・・・・・
ピエトロじゃないよ。タンゴじゃないよ、ダンゴ。
・・・・お聞きください・・・・」
客席から歓声が沸き起こった。「まじかい!!??」「ワー!!」「大好き!!」
リズミカルなピアノに、さりげなく絡むミュート・トランペットが官能的で、思わず身を乗り出して聞き入っちゃいます。
オリジナルではアコーディオンが主役のところを、美味しく料理。
この憧れのアルゼンチンタンゴワールドには、誰もが引き込まれてしまいますね。
特に日本人受けが良いようです。
遥か遠くの地ではありますが、共通する古き良き哀愁の旋律に対する想いは一緒なのかも。
温故知新。
しかもだよ、タンゴつながりで洒落た趣向を凝らしてもくれました。
なんと「団子3兄弟」のフレーズが、ミサト嬢の鍵盤からいきなり飛び出した。
このあわせ技には思わずビックリ仰天で爆笑。予測していなかった驚愕の展開だ。
隠し球の連発。
今度は「クロネコのタンゴ」にもチャレンジして欲しいなあ・・・と密かに欲張りなリクエストをしておきます。
しかし、許容範囲の広いこのバンドには、いつものことながらも、敬服しちゃいますよ。
一体全体どれだけ秘密兵器の引き出しがあるの!?
お楽しみが目白押しだあ。
ベース・ソロでスポットライトを浴びた、シロクマ氏も意気揚々と自己主張。
「最初からやれい!」(ヒロリン)
「(笑)今日はありがとうございました」
万雷の拍手を一身に浴びていました。
****これにてpart,2はお終い。
残すところ、あと2バンドです。
これがまたアクの強いクセモノたちばかりだっていうんだから始末におえないよ。
それではまたねー!!!****