「ガガガガガーン!」
メンバー全員が「ヘイ!ヘイ!」
「会場後ろの方も一緒に!!HEY!HEY!」
驚いたことにメンバー全員がそれに連動して、ノリノリに手拍子を交えている。
その上、しきりに楽器を振っている。
ギターも、これ以上ないほどに過激に攻め立てる。
マサも一緒にメインリフを弾き始めると、ヤスも問答無用にシンバル類総出で
便乗する形にて熾烈になぞってくる。
疾風のごとく耳をつんざくホーンセクションの狭間に、西やん交えてリズムの鬩ぎ合い!
あるバンドは「STAはスーパー・スペシャル軍団」
あるギタリストいわく「ニュー・ギタリストは上手いし、いい音を出していますね~!」
あるパーカション奏者いわく「STAはレベルが高い」
あるトランペッターいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・・」
あるミュージシャンいわく「STAは歴史と伝統あるバンド!」
マサは1フレーズごとにステージフロント右から左に並べられているモニター・スピーカーに左足をのせながら移動。
ニシヤン&マサが両サイドのフロントにて陣取り。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。
ギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。
白熱するホーン隊も拳を突き出すタイミングが絶妙。
誰言うともなくメンバー達が合間を縫って
「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンス要求で半狂乱。
もうこれが本当にラストだと察してか、余力を振り絞って全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。
STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。
更にはブラス隊の目前にまで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。
ヘッドバンギングにて中央で両膝ついて、気迫のヴォーカルを続行。
ニシヤンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、ギターの鬼と化しています。
でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!
ありとあらゆるテクニックをぶち込んでいる様は、まるでギターの教科書、お手本を提示しているかのよう。
締めはエフェクター設置スペースにもどって、ワウワウペダルを踏み込む艦砲射撃で爆発寸前。
そしてクニが近年ギターソロの後半でやりはじめた、シカゴ・ライブバージョンでのブラス・フレーズをニシヤンの合図を待ってホーン隊全員が吹き込む。トドメはきっついハイノートで息の根を止める。
ウォルター顔負けなアルト・サックスで対等に渡り合うオカッチ。完成の領域に到達したのではないか!?
マサが3番を歌いながらベースのネックを観客方向に突き出す。
これもライブでなければ味わえないハプニングのシーンだ。
メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。
どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。
何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。
まあ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味のひとつだね。やはり役者が違います。
マサが自分の楽器を垂直に突き上げて、揺すりまくるの図。
尚もニシヤンのソロは轟き渡り、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。
照明もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ。
エンディングではベースギターを天高くに突き立てホップステップ。
ベースギターを肩からはずして、マシンガン乱射のポーズ。
そしてベースを掻き毟ってもらうように観客に向けて突き出す。呼応するように我先にとベースへ群がる観衆。
ノリが最高!やはりこうでなきゃあね。
ダメオシでモニターやPAスピーカーめがけてベース本体をワイルドに擦りつける。
片足上げて思いっきり床に振り下ろした。「YEAH!!」一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!
「ありがとうございました!」
温かい拍手に感謝です。
すかさずヒロリンの雄叫び
「アンコール!はじめからやれ〜!はやくやれ!(笑)」
「よしよし、わかった!それではお言葉に甘えて。
ヒロリンを怒らすと怖いからなあ!あ?!ヒロリンももう1ステージやるかい?(笑)」
ヒロリン「……(シュンとうつむいてしまう」
大爆笑!
「これからやる曲は5大ブラスロックの一つでシカゴの強力なるライバルとも言われた一発屋の悲劇バンドの作品。ダンサンブル・ビートがもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル」
これも、「イントロダクション」「長い夜」に引き続いてのエディット・バージョン。
観客席から出てきたヒロリンとチャーリーも、STAと共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながらも拍手で合流。
最早いても立ってもいられない、といった様子での参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。
文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。
伊達男ジュン、ここでもテナー・サックスとボーカルの二刀流。
彼はライブごとにアルトだったりテナーだったりと、よくもまあ混乱をきたさないものだね。
それでも十八番だけに、まるで自分のオリジナルソングのように捲くし立てるボーカルが優雅で圧巻。
熱唱に次ぐ熱唱という構成。
今回のライブセットリスト構造はマサ、ジュンとでボーカルを2分するというシステム。
ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。
マサは、ネックをグルグルと上下にひねり回し振り上げてのピッキング。
後ろへ振り返ったり、お馴染みのブレイク・パートではドラムセット前にてクルクル。
前後左右にと行き来しながらキックをぶちかます。
一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。
それだけにとどまらず、何度もドラムセットまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せてシンバルを蹴りまくる。
ヤスもダニーセラフィンばりの連打で対応。
調子にのりすぎてマサの左肩がぶつかったシンバルスタンドが、傾いて倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。
ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態にマサとヤスは苦笑いさ。
長年ライブをやっていると予期せぬ突発的なことが起こるというもの。
後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをメンバーのスコアにぶつけて床に落としてしまったのさ。丁重なる謝罪をしたら彼らは許してくれたよ。本当に申し訳ない・・・・。
それはともかく、時折ジュンとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。
ジュンが「ギター!!」とシャウトしながら、ギターソロへと橋渡し。
時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったかのようなニシヤン渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。
フロントにまで飛び出してきたマサはこの手の曲でも、的確なるリフワークの度に腕を突き出して盛りたてる。
そこへといっせいに群がるオーディエンス。凄まじき光景。
ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅。
決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。
観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている輩も出現。
エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯にエモーショナルなひねりもきかせて喉を振るわせる官能的でブルージーなジュン絶叫ソロボーカルパートでは自己陶酔!
このひとことで観客達が「ヒューツ!!」と大歓声。
プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。
皆が皆、一様にエキサイトしていて、万雷の拍手が鳴りやみません。
これで全ての工程を終了。
マサが恒例の対バンを紹介!
一つ一つを読み上げてお礼を述べる。
対バンも律儀に立ち上がって手を振り返す。
何度見ても美しい光景だね。
もちろん沖野オーナーと、スタッフのアンリちゃんにも温かい拍手を送る。
世間ではライブハウスから新型コロナウイルスの感染者が出たからとやたら危険な場所扱いしているけど、もっと注意しなければならない所が沢山ある。
我々ミュージシャン達は微力ながらもこれからもずっと応援し続けるからね!
頑張ってくれよ!絶対!
そして一日もはやくコロナウイルスよ、終息して。
very special thanks to…okinokun&annachan&coca-cola&calpis water&barley tea&paper mask&disinfection&roko&SOGO&polar bear&MISATO&charlie&hippo&IKU&kei&ONA KISS&BREMEN CLUB BAND&POWER FUNK SECTION&JUMBLE DECTET&sweet tea‼️