THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,175 2020 otaru浅草橋オールディズナイト17&北運河サウンドエナジー9合同イベント(S・T・A編)

2020-09-27 17:29:08 | Live Set List

****いよいよこのライブレポートのメインイベント、我らがTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYが満を持しての登場となりました!心して読んでくださいね。それではよろしくお願いいたします。****

早速、時間を戻して・・・・・

15、17:00~17:20

S・T・A

浅草橋オールディズナイトは11年連続11回目

北運河サウンドエナジーは初回から数えて休むこともなく9年連続9回目の出演。

勿論ともに最多出演を記録。ただしリーダーのマサのみが皆勤賞の快挙。

例によって毎回メンバーには変動があります。一刻もはやく固定メンバーにしようっと。

この日は本当に超久しぶりのライブ。

それがここ、ミキティも大好き、クニの故郷でもある恒例・小樽屋外イベントだっていうんだから場所は申し分なしだ。血沸き肉躍るよ。

今年の3月、STA企画「ピグスティ・リブレーション」から半年の空白。

STA結成15年の中、毎月ライブを・必ず行っていたんだけど、まさかこのような事態に陥って活動停止状態になるとは夢にも思いませんでした・・・・。

にっくき新型コロナウィルスの奴らめ・・・・・こんちくしょう。とっととくたばってくれい!!

とにもかくにも、この自粛期間は各メンバー同士でラインのやり取りを逐一繰り返しながらもコミュニケーションを維持。

個人練習にも汗してきた。

マサから提示された多方面にわたる複雑で難解なる宿題もこなす日々。

でも一向に収まりそうにない感染の毎日。

もうほとんど今年のライブは諦めかけていました。

(アメリカのプログレッシブハードロック、ドリームシアターの札幌公演も予想していたとおり、延期、そして中止の憂き目にあいチケットは2度にわたっての払い戻し。絶対、終息後は札幌にきてくれると思ってはいるけどね。)

ところが小樽最大のコンサートの祭典が初めて9月に開催される運びとなったわけです。

例年だと7月、8月のところを合同スペシャル企画と銘打ってね。

小樽市からの規制は強化されて、スポンサーサイドの協賛金も厳しいようだったんだけど。

9月の屋外は初体験。

場所は浅草橋の広場。

今年は9月に入っても異常なくらいの残暑。

おいおい、もう秋が目の前に迫っているのに何事!?と思っていたらしっかりとライブ日直前、グッと気温が低下。しかも雨や風までおまけでついてきた。

そんな馬鹿な・・・・半袖、失敗した・・・・寒い‥・・・(泣)

でも日ごろから行いのいい晴れバンドSTA の時にはそれらもバッチリとおさまってくれました。

それはそれでいいとして、本番を迎えるまでには紆余曲折ありました。

メンバーたちがコロナの影響により多数が離脱。

キーボードも直前になって参加をキャンセル。その都度、セットリストやアレンジ、曲順などを変更。

頭の痛いことに・・・。

しかも肝心要のホーンセクション不足。

ところがミキティがそんな重大なる問題をいともあっさりとクリアしてくれたのでした。

やっぱり頼もしい姉御だ。

彼女が所属しているオーケストラからトロンボーンとトランペットを紹介してくれたのだ!!

クラシック畑のご両人だけど、このジャンルがすこぶる刺激的で新鮮だったみたいだよ。

しかもただのプレイヤーではない。

スコアに俄然強くて、テクニックも申し分なしの共にナイスガイだ!

(トランぺッターはY プロでも経験済み。本当はあまりにも有名なブラスロックのスタンダードヒットをやりたいとのこと。ボーカルがいないので今回は断念したけど12月には実現するからねえ!!)

何事にも真面目で責任感も強いので、映像を検索してスタジオ入りまで必死に研究してきたのだとか。衣装に関することにまで質問を受けちゃったよん。嬉しい。素晴らしいなあ!

これで難関も見事に突破。あとは本番に向けて頑張るだけだ。

色々とゴタゴタを乗り越えつつも最強の7人が出揃った。

スタジオリハはじっくりと2回入り。妥協することもなくとことん詳細に至るまで練り上げてきました。

ライブはステージに上がってから降りるまでが一つのパッケージアートなんだからね。(ステージは毎度お馴染みのコンテナカーの荷台。滅茶苦茶に高くて頑丈なのだ!)

アナウンス、カウント、間合い、メドレー、MC、ソロに至るまで完璧に。

さてさて、次々にと会場へ到着したメンバー達。リラックスしていてやる気満々だ。

マサは顔なじみの観客、スタッフ、対バンらと次々に挨拶を交わす。

STA のライブを毎回見ている女性客の方は,マサに「STAの演奏が始まると、ああ・・・・今年も帰ってきたんだあ・・・としみじみ思うんだよ」とニコニコエールを送ってくれました。うるっときちゃうね。

皆、しっかりとマスク着用、消毒液を使用。テーブル席も各4人限定。ステージマイクも持参するか、出演ごとに交換するという念の入れよう。

司会進行はFMれ小樽のベテランDJヤチヨ嬢だ。

もう毎回お願いしていてお互い阿吽の呼吸で理解はしているんだけど、プロフィール読み上げの件で一応は打ち合わせ。ところが残念なことにヤチヨさんは夕方に交代なんだとか・・・。

でも斎藤さんがそのバトンを受け継いでくれました。

勝手知ったる段取り。以前にもお願いしたことがあるからここは気楽に託したよ。

結果は??・・・・・もちろんばっちりだ。

さあ、長々と前置きしちゃったけど、そろそろ時間だ。

頃合いとしても最もおいしい時間帯。

ウォーミングアップもチューニングも完了。

一発キツイのをサラッとぶっ放しにいきますか!

あ!?ネタバレだけど、

不穏なる天候とコロナ騒動の影響で観客の入りやノリはずっといまいちだった・・・・ヤマちゃんもSTAの時を不安に思っていたんだってさ。ノープロブレム!!

STA が開演したとたんに、ゾクゾクとステージ前に集まってきたオーディエンス。中には出演を終えたバンドや出番待ちのバンドマンの顔もちらほら。

それを見てヤマちゃんはびっくりした、とマサに話してくれた。

「なんもさあ、いつもあんな感じだよ」「さすがあ!!またにSTAに誘ってください!」「(即座に)もちろん!」その場で今後もSTAでお付き合いすることが決定!

感動的な場面だ。

STA の練りに練りこまれた真剣なコンセプトと、取り組み意識に共感してくれた模様。

これで鬼に金棒だ。その成り行きを、紅一点のミキティに伝えたら手放しで大喜び。フェイスブックにもつながったよん。

***MEMBER***

MASA・・・B&VO&CHO

YASU・・・DR

NISHIYAN・・・G

KUNI・・・TP&VO&CHO&PER

YAMA-CHAN・・・TB

HAMA-CHAN・・・TP 

MIKITY・・・AS

***SET LISTY***

1、INTRODUCTION・・・CHICAGO   

2、VEHICLE・・・IDES OF MARCH 

3、SUPERSTITION(迷信)・・・STEVIE WONDER

4、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO  

5、25OR6TO4( 長い夜)・・・CHICAGO

まずは西やんがプログレッシブでスペイシーなギターミュートカッティングサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる(彼は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは無理難題をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!)。

本編へのプレイが待ちきれないという様子。

マサがすかさずヤスに手拍子でテンポのメッセージを送ると、それに便乗するかたちで剃刀のごとき小刻みなハイハットで応える。

マサは大股開きでスタンバイ。

 もうすっかりと顔なじみとなった司会進行役の斎藤氏が、タイミングよく会場後方から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。

「たいへん長らくお待たせいたしました。いよいよはじまりますよ!今か今かとお待ちの皆さん。そうですよね。これから更に後半のステージをお届けして参りますよ。もはや恒例となりました大所帯バンドの登場です。ハーイ!長年出演し続けている小樽のビッグイベントに今年も彼等はやって来ました!北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!

ド迫力ホーンセクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください!メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」 

ジャストなタイミングで「オーケー!1・2・3~!!」(思い切りミワくんがリバーブを深めにかけてくれたよ!)

波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。

猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。

さすが、この人数だけに勢いが桁違い(本来はもっと多いんだけどね・・・・)。

プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。

普段はクールなヤスもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。

その上、一昨年の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当に感動的だったらしくて、今だに刺激を受けている御様子。如実にドラミングの随所にそのダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!

イントロの爆音が飛び出した途端に、観客達がドドッとステージ前方へ雪崩れ込んで踊りはじめました。

その中にはキラー兄さん、ケニーさん、アベさん、ヨッシー親子(2人で仲良くぴょんぴょんと演奏に合わせて飛び跳ねていてほほえましい光景)の常連組が参戦。手拍子や写真撮影にと勤しんでいます。

皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリとあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。

もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほど迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来と自画自賛。

しかしメンバー全員あの少ないリハ期間で、よくもまあここまで纏め上げたものだ。

各自は多くを語らないけれどね。

モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠える。ヤスはアグレッシブなアクションを巻き起こす。

計算されつくした西やん独特なるシャープな音色のギターが、ヤスのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく(このギターは謎多き怪しいメーカーの貴重なる高級品。コンディションも良好な光沢を放っていますが本人は詳細を決して語らず・・・・)

看板ともいえる4管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。

舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにグルーブを構築しながらの進撃展開。

会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。

鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。

さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??

さあ、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。

3月の反省点は見事にクリア。手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。切り込み隊長はいきなり初参加のヤマちゃんによる、やや食い気味な流麗なるトロンボーン・ソロで場面転換。

 彼は、ほとんどリハなしのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。

大した度胸の持ち主だ。さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。何事もなかったかのように振舞っていたよ(ヤスによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。

ここがヤマちゃんの凄いところ。

なんと自宅に宿題として持ち帰り3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!

能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。ねえ、ヤマ君よ!(2回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく独自でスコアを探しだしてきてで見事に解明したのだそうですよ。すさまじき探求心)

マサによる流麗なる美しきオクターブベースに導かれて場面転換。

マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのヤスが猛然と先導しつつ、お次も初参加・伊達男ハマちゃんの出番。

彼のトランペット・ソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。

安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。

バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で・・・・・鳥肌が立ちっぱなしだ。

もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。

なにやら恐ろしいくらいに物凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。

西やんは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替えるに(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。

そして第3の男、西やんのワイルドなギターが火を噴いた。

いきなり過激なハーモニクスを導入部分に最前列へ一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにエキセントリック。

序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを忠実に再現。

へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。

音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。

チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。

そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?ビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。

極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるヤスが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。

サンキュー!

いつもは沈着冷静なるヤスもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。大歓声が沸く中で、すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。

いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力漲る支柱だ。

エンディングにおけるベルトーンも、西やん渾身の2音を筆頭に見事な連携で繋がった。

ミキティ嬢からホーンセクションへと渡る流れへ。ここで繰り出した西やん入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。

マサが右手を頭上に掲げてグルグルとに何度も素早く回転。ヤスと呼吸合わせて、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えてフィニッシュ。

以前、ASの女傑ミキティいわく「マサとヤスは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていました。

マサのMC

「ありがとうございます。皆さん、楽しんでいますか!!??YEAH!!時間もあまりないので、ひじょうにマニアックなものも開き直って織り交ぜつつ、さて早くも2曲目へ突入します。次の曲は5大ブラスロックの一つでシカゴの強力なるライバルとも言われた悲劇の一発屋バンド。曲調一転してダンサンブル・ビートが大受けしてもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル」

 これも、「イントロダクション」に引き続いてのエディット・バージョン。

 観客席から再び出てきたマッツもケニーさんもアベさんも、ミキティ嬢と共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながらも拍手で合流。

タイバン達も最早いても立ってもいられない、といった様子でホイッスル鳴らしての参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。

文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。

マサはこの曲、4回目のリード・ボーカル担当。

それでもSTAにとっては第1回ライブから取り上げている十八番だけに、まるで自分達のオリジナルソングのように捲くし立てる。

ボーカルがノビノビとしていて優雅で圧巻。

熱唱に次ぐ熱唱という構成。

今回のライブセットリスト構造の中にはマサのボーカルとクニのボーカルを2分するというシステムも一部導入。

ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。

マサは、ネックをグルグルと上下にひねり回し振り上げる。

後ろへ振り返ったり、お馴染みのブレイク・パートではドラムセット前にてクルクル。

前後左右にと行き来しながらキックをぶちかます。

一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。

それだけにとどまらず、何度もドラムセットまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せてシンバルを蹴りまくる。

クニもタンバリンの連打で対応。

調子にのりすぎて左肩がぶつかったシンバルスタンドが傾いて倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。

ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態にマサとヤスは苦笑いさ。

長年ライブをやっていると予期せぬ突発的なことが起こるというもの。

後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをミキティのスコアにぶつけて床に落としてしまったのさ。丁重なる謝罪をしたら許してくれたよ。本当に申し訳ない・・・・。

それはともかく、時折ヤスとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。

マサが「オールライト、ギター!!」とシャウトしながら、ギターソロへと橋渡し。

70年代初期を反映したかのような、西やん渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。

フロントにまで飛び出してきた西やんはこの手の曲でも、的確なるコードワークの度に腕を突き出して盛りたてる。

そこへといっせいに群がるオーディエンス。凄まじき光景。

ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅。

決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。

観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている輩も出現。

エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯にエモーショナルなひねりもきかせて喉を振るわせる官能的でブルージーなマサ絶叫ソロボーカルパートでは自己陶酔!(ミワくんが機転を効かせてリヴァーヴで巧みに演出)

このひとことで観客達が「ヒューツ!!」と大歓声。

プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。

皆が皆、一様にエキサイトしていて、万雷の拍手が鳴りやみません。

・・・・・・なんという夢心地な空間であろうか。

そのまま3曲目へメドレー(この分では西やんとスタジオでちょっと話し合った。チューニングダウンしたいから時間が欲しいとのこと。

でも音圧よりもメインのクラビネットリフを優先するようにとマサが進言して落ち着く)

タイトでグルーヴィーなヤスによるドラムのイントロからスティーヴィー・ワンダーの「迷信」

テンポもアタック感も絶品だ。

1972年アルバム「トーキング・ブック」に収録。全米シングルチャートにおいて1位を記録。4分26秒(STAでは2番の歌詞をカット)

これはミキティが熱狂的に好きだというステイーヴィー・ワンダーをマサが久しぶりに採用。

リクエストに応えたという感じさ。

この日、唯一ブラスロックではないファンキーでソウルフルなナンバー。

STA でもいつライブで取り上げたのか思い出せないほどだ。

といってもマサとヤス、クニしかここには体験者はいないのだけど・・・・。

そのライブ時にはギターやキーボードが延々と調子っぱずれなメインリフを延々と奏で続け、会場中、不協和音が渦巻いて具合が悪くなったので、懲りちゃって封印していたという曰くつきの曲。

まあ、もうメンバー一新したから晴れての解禁だ。良かったね。

ただし、主役のキーボードが不在のため、マサのアイディアで西やんが そのパートを担当。

BB&Aやスティービー・レイヴォーンもギターでレコーデイングしているからそれもありさ。よりロック色が濃厚になってライブ映えするしね。おかげさまで今までのSTAテイク中、最高にR&B臭がプンプン。

特筆すべき点はマサとクニが交互にリードボーカルを分け合ったということ。

メンバー不足で苦肉の策。こういうことをマサはちょくちょくと採用するのだ。

クニは英語が大の苦手。そこで英単語を全てカタカナに書き換えて覚えてきたのだそうだ。

涙なくしては語れない涙ぐましき努力は無事にクリア。クニは別名「本番に強い男」と呼ばれているのさ(笑)。

アップテンポに跳ね上がるアクセントが特徴のこの曲によって一瞬で会場はクラブと化す。

観客、各々にステップを踏んで自由気ままに振り付けに興じているよ。

ちなみにこの日はもともとわかってはいたんだけど、ベリー・ジャム、セイラーズもこの曲を取り上げていたのですよ。

でもオリジナル音源同様にホーンセクションを導入していたのはSTAのみ。これは強みだ。

Y プロのソーメイ氏も「完璧」と太鼓判を押してくれました。心強い存在だ。

アベンジャーズのミノリーくんも「圧巻のパフォーマンス!」とフェイスブックに書き込んでくれたさ。

この辺に辿り着いた頃にはホーン隊も体が温まってきたのは肩の力も抜けてリラックスモード。

ハマピーは花柄のシャツ、クニは黒いシャツに胸元はピカチューのデザイン。ヤマちゃんは全身黒づくめで1ポイントに黄色いネクタイを装着。

事細かに考えてきたんだね~~!

ステージに上がる前には寒くて死にそうだったのに、1曲目の途中ですでに汗みどろで暑い・・・・ミキティもそう言ってた。行きも絶え絶え・・・・。

そうでなければ単なる手抜きの骨抜きライブだ。

「YEAH!残すところ、2曲となりました・・・・・」「ええええ!!???~」「(不敵な笑みを浮かべつつも)アベさんの大好きな曲をやりたいんだけど今日はピアノがいない、コーラスもいない、しかも今日は日曜日なんだけど・・・・やっちゃうよ!土曜日の曲・・・・それでは西やん、どうぞ~~!!」

シカゴ初の記念すべきミリオン・ナンバーがはじまった。

SATURDAY IN THE PARK・・・・・マサが西やんの方向へ向き直った瞬間、絶妙のタッチでシンコペーションを基調としたあまりにも超有名なるイントロをギターで響かせる。

当然ここでの主役は、最初から最後までピアノ役のギター。

ギターだよ!本来、ピアノがメインなのに、こんな冒険をするバンドってなんまらいかしているでしょう。

スタジオリハでキーボードが休みの時にはこのような変則パターンでトライすることもたびたびありましたが、本番は2回目。しかもほとんどぶっつけ本番という暴挙に出た。

これはすこぶる斬新で快感。違和感もなく、結果的にはやって良かったねえ。

当初は鍵盤なしでは考えられないからセットリストから泣く泣く外したんだけど、西やんたっての希望で復活したという経緯があります。

西やんもこれをギターメインで演奏することを密かに夢見ていたんだから、そりゃあ至福の瞬間で天にも昇る心持ちでしょうねえ。

全身汗まみれながらも、気持ちよさそう。

もちろん、それに呼応するように会場全体は熱烈なる声援へと反応が変わっていく。

それにしても、この曲、タッチ感覚の違いが如実に現れるのですよ。奥の深い部分があります。

マサは絶え間無く左右に、トレードマークともいえる軽快なステップを踏む。

とにもかくにも西やんによるギター・ストロークのおかげで、より誰もが贅沢極まりないハッピーに浸れちゃうのだから不思議なものですよね。

ほとんどの人々がスタンディング!

腕組みして目を閉じ、唸りながら、ジックリと聞き入っている人も発見。

会場のあちこちで嬉しそうに、両手をあげて大はしゃぎしている人たちが見えるではないか!?

クニも右膝にバンダナを巻いて、ずっとタンバリンを打ち鳴らしているよん。

ステージ手前では、ある女性が簡単な振り付けを指導しながら皆と一体になって踊っています。

西やんも時折横目でバンドを確認しつつも、リズムカッティングにのって延々と体を揺らす。目の前の観客達の笑顔にもすこぶる癒されたそうですよ。

世界平和を声高らかに提唱する、スケールの大きいヒット。

まさしくシカゴ版「イマジン」との呼び声高き、ターニング・ポイントともいえるアンセム。

マサが歌いながら最前列に歩み寄ると、客同士肩を組んでニコニコと微笑み返し。

他のミュージシャンらも、すこぶる気を吐いていますよ。

歌メロには人一倍のこだわりをもって挑んだ曲。「WOWOWOW~!!」

エンディング最後に至るまで、気合十分パーフェクトに完奏。

普段はホノボノと佇んでいるヤスではありますが、やる時は綿密にバッチリと決めてくるところなんかさすがですよね。

残響音が不気味に果てしなく支配する。

その余韻を引き摺る様に

「ラストです!・・・・・今は何時くらいかな?(チラッと時計を見る)いい時間帯だな・・・・・・それでは正真正銘のこれがラスト、極上のお約束ミッドナイト・ソングで締めくくってみたいと思います」

この時、すでにニシヤンはギターを掲げて小刻みに震わせつつも唸りを発する・・・・・「ウィ~~~~ン・・・・・・」

マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに左足を乗せたまま「泣いても笑っても最後です!いきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!松山千春の曲ではないですよ(笑)・・・・・・25or6to4!!!」(EDIT VER)

マサがニシヤンの方向を左手で指差すと、「ギュイーン!」のスライディングから

「ガガガガガーン!」

メンバー全員が「ヘイ!ヘイ!」

「会場後ろの方も一緒に!!HEY!HEY!」

驚いたことにメンバー全員がそれに連動して、ノリノリに手拍子を交えている。

その上、しきりに楽器を振っている。

ギターも、これ以上ないほどに過激に攻め立てる。

マサも一緒にメインリフを弾き始めると、ヤスも問答無用にシンバル類総出で

便乗する形にて熾烈になぞってくる。

疾風のごとく耳をつんざくホーンセクションの狭間に、西やん交えてリズムの鬩ぎ合い!

あるバンドは「STAはスーパー・スペシャル軍団」

あるギタリストいわく「ニュー・ギタリストは上手いし、いい音を出していますね~!」

あるパーカション奏者いわく「STAはレベルが高い」

あるトランペッターいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・・」

あるミュージシャンいわく「STAは歴史と伝統あるバンド!」

マサは1フレーズごとにステージフロント右から左に並べられているモニター・スピーカーに左足をのせながら移動。

ニシヤン&マサが両サイドのフロントにて陣取り。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。

ギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。

白熱するホーン隊も拳を突き出すタイミングが絶妙。

誰言うともなくメンバー達が合間を縫って

「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンス要求で半狂乱。

もうこれが本当にラストだと察してか、余力を振り絞って全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。

STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。

更にマサはブラス隊の目前にまで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。

ヘッドバンギングにて中央で両膝ついて、気迫のヴォーカルを続行。

ニシヤンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、ギターの鬼と化しています。

でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!

ありとあらゆるテクニックをぶち込んでいる様は、まるでギターの教科書、お手本を提示しているかのよう。

締めはエフェクター設置スペースにもどって、ワウワウペダルを踏み込む艦砲射撃で爆発寸前(本家のソロをほぼそのままに再現)。

そしてクニが近年ギターソロの後半でやりはじめた、シカゴ・ライブバージョンでのブラス・フレーズをニシヤンの合図を待ってホーン隊全員が吹き込む。トドメはきっついハイノートで息の根を止める。

ウォルター顔負けなアルト・サックスで対等に渡り合うミキティ。完成の領域に到達したのではないか!?

マサが3番を歌いながらベースのネックを観客方向に突き出す。

これもライブでなければ味わえないハプニングのシーンだ。

メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。

どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。

何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。

まあ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味のひとつだね。やはり役者が違います。

マサが自分の楽器を垂直に突き上げて、揺すりまくるの図。

尚もニシヤンのソロは轟き渡り、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。

照明もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ。

エンディングではベースギターを天高くに突き立てホップステップ。

ベースギターを肩からはずして、マシンガン乱射のポーズ。

そしてベースを掻き毟ってもらうように観客に向けて突き出す。呼応するように我先にとベースへ群がる観衆。

ノリが最高!やはりこうでなきゃあね。

ダメオシでモニターやPAスピーカーめがけてベース本体をワイルドに擦りつける。

片足上げて思いっきり床に振り下ろした。「YEAH!!」一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!

アッという間の出来事。疾風のごとき。心地よき疲労感が全身をじわじわと襲ってくるところが癖になりそうだ。

「ありがとうございました!また会いましょう!!」

速やかに撤収。

三輪君がいつものようにマサのワイヤレス受信機を手際よく片付けてくれた。大感謝。

ステージから降りてきたメンバーたちはどいつもこいつもいい顔している。

達成感に満たされている。

努力は決して裏切らないものだ。

程よく体がこなれてきたころにはもう終わりなんだもんね。

ニューフェイスのヤマちゃん、ハマピーも好感触。

「お疲れ」と声掛けしたマサに再度の共演を取り決めた。

幸先の良い再始動だね。

一筋縄ではいかないジャンルだけど一度はまったらその魅力にゾッコンになることは確実。

この後に西やんは「リミックス」が控えているので落ち着かない感じだったけど。

バックステージにたたずんでいると手を振ってくれるかわいい女の子もいたよ。

なんだかんだ言いながらもやっぱりライブ、バンドは最高の麻薬だ。

今年は11月、12月と残りのライブは全部、ここ小樽です。当然毎回メンバーに変動アリ・・・・(笑)

 

VERY SPECIAL THANKS TO・・・MR,SAITOH&KEITAKUN&MASTER&TOMMY&RAIRA&RUCHU&MR,MASAI&KILLER&MATTSU&YOSSY&MR,ABE&KANANE-CHAN&MR,KENNY&STAFF&MR,MINAGAWA&TAMA-CHAN&MR,SOHMEI&MR,GEORGE&MR,SAKAE&MAOKUN&TANPY&IKU&KEI&TOMOーCHAN&-MEME-CHAN&LARUS CANUS&RAIN&WIND&TETSU&DISTANCE&MASK&DISPOSABLE BODY WARMER!!!

 

 

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