****大好評につき早速STAのラブレポート第2弾に突入しますよ。
ここからは中盤戦だ。
ちょっと捻りを加えて実験的要素も盛り込んでみたよ。
マニアならば思わずニンマリだ。皆、全身汗まみれながらも、気持ちがよさそう。それでははじまり、はじまり!!~~~****
「WOW!サンキュー!いつにも増して浮きまくりのSTAではありますが(パチパチと拍手をいただく)、こんなにもお客さん達が残ってくれて感激しております。
今、演奏した曲達、知っている方はいますか?」
お馴染みの連中が続々と手を挙げた
「当然、知ってるよ!!」
「君たちはいいの!!(((´∀`*))
それでは、これまでは熱く吹き荒れる初期シカゴのブラスロックが続きましたが、ここでメローな響きが・・・・。
特に人気の高い曲をやります。
今日は土曜日だから、この曲をやるよ!・・・・アベさんのお気に入りさ。どうぞ~~!!」
と言った途端にアッキーが寸分の狂いもない間合いで場面転換力強い連打へ!!
マサがコンバースのスニーカーを履いているアキちゃんの方向へ向き直った瞬間、絶妙のシンコペーションを基調としたあまりにも超有名なるイントロをピアノで嬉々としながら響かせる(前曲からの音色チェンジも素早くこなす)。
あれ!?どこかで聞いたことのあるピアノだ・・・・・
MIKIMIKIちゃんいわく「アッキーが加入したからSTAは確実にパワーアップですね!」とのこと。
まさしく、その通りだ。
(オーディエンス達いわく、この曲がはじまるといつでも誰もが最高の喜びを滲ませてノリノリなんだそうですよ。こんな話を聞くとミュージシャン冥利に尽きるね。そうそう、実はこの日、4入囃子を見に来たFさんがSTAのライブ後にマサのもとに歩み寄って大好きなシカゴ愛を熱心に語ってくれました。
そしてシカゴⅤのLPをプレゼントしてくれたのですよ!もちろん膨大なる解説付きのアコーディンポスターも封入されていた。
その場で嬉しくって2人で広げてみたりなんかして!で、サタディ・イン・ザ・パークを一緒になってウキウキ歌ったそうですよ。最高の出会いに乾杯!!)
「SATURDAY IN THE PARK」
(1972年7月リリース初の1枚組オリジナルスタジオ・アルバムCHICAGOⅤからのファーストシングル。ビルボードHOT100にて最高チャートで第3位を記録)
シカゴ初の記念すべき反戦的意味合いを含んだミリオン・ナンバーがはじまった。
当然ここでの主役は、最初から最後までピア二ストのアッキーちゃん。
最大の見せ場であり、彼女の真骨頂。
(アッキーちゃんの根性の入り方は半端ない。アメリカ製のテンガロンハット、胸元にSTAの白いロゴ入り激レア黒Tシャツと、場数を踏むたびドンドンと立派なロッカー然として進化している)
このテンガロンハットを小樽で見たミキティはすかさず「まるでSTAみたい!」と歓喜の声を上げてその場で被ったんだそうですよ。
こんな素敵な曲をプレイするバンドって、ナンマラいかしているでしょう。
スタジオリハでは特別なる思い入れを込めて取り組みました。
なんたって長年にわたって正式なキーボードは不在だったんだからね。
当初マサはピアノなしではやる意味なし、と判断してストレス回避も含め、泣く泣くお蔵入りさせようとした。
ところが機転を効かせた久留氏、次いでニシヤンがギターコードでのパターンを演じて「どうかなあ!?」と主張。
半信半疑それが演じてみると思いのほか、心地よい仕上がりなので、以降はギターアレンジバージョンでずっと披露していたのだ。
もはや手慣れたもんだよ。
これはすこぶる斬新で快感。
まるで違和感もなく、結果的にはやって良かったねえ。
西やんもこれをギターメインで演奏することを密かに夢見ていたんだから、そりゃあ至福の瞬間で天にも昇る心持ちだったことでしょうねえ。
加入前にアキ嬢はSTAライブを目前で見て「なるほど。こういう風にやっているんですね!」と目から鱗状態。
感心しきりだった。
それも参考にアキちゃんはありとあらゆる音源を片っ端から発掘してきて指癖や強弱、微妙なるタッチ感を調べ上げた。
その結果がここに結実したんだよ。
文句の付けようなんて微塵もあるわけがないっしょやあ。
大役を果たしたね。
涙腺が崩壊しそうなほどだ・・・・。この感動が欲しかったのさ。本物だ。(近年は本家のロバートラムさんがショルダーキーボードやシンセで弾いてるんだけど、やっぱり生ピアノのニュアンスには程遠い。これが生命線なんだから。シビアな意見かなあ、これって・・・・だって愛するが故の正直な感想なんだから)
もちろん、それに呼応するように会場全体も熱烈なる声援へと反応が変わっていく。
それにしても、この曲、一聴する限りだとシンプルに聞こえるんだけど、リズムの違いが如実に現れるのですよ。
サビにも奥の深い部分が垣間見えます。
マサは絶え間無く左右に、トレードマークともいえる軽快なステップを踏む。
ヤスは特にこの曲でのドラミングが冴えわたっていた。
西やんもギター・ストロークの隠し味で、より皆さんが贅沢極まりないハッピーモードに浸れちゃうようにつま弾いているのだから不思議なものですよね。
ほとんどの人々がニコニコしながらも手拍子!
腕組みして目を閉じ、唸りながら、ジックリと聞き入っている人も発見。
会場のあちこちで嬉しそうに、両手をあげて大はしゃぎしている人たちも見えるではないか!?
数人のオーディエンス達も、ずっと横並びでタンバリンを打ち鳴らし続けているよん。
ステージ手前では、ある女性が簡単な振り付けを指導しながら曲と一体になってステップを踏んでいます。
西やんも時折横目でバンドを確認しつつも、リズムカッティングにのって延々と体を揺らす。
笑みを湛えたアキちゃんは目の前の観客達の笑顔にもすこぶる癒されたそうですよ。
世界平和を声高らかに提唱する、これこそスケールの大きいマンモス・チューン。
まさしくシカゴ版「イマジン」との呼び声高き、ターニング・ポイントともいえるアンセム。
愛と平和を謳歌しながらも反戦を訴える部分もさりげなく含まれているんだから、さすがしたたかで思慮深い我らのシカゴだ。
マサが歌いながら最前列に歩み寄ると、客同士が微笑み返し。
他のミュージシャンらも、すこぶる気を吐いていますよ。
コーラスワークからエンディングのハミングに至るまでマサからマッキーへと受け継ぐアイディアが見事に実を結んだ(これも2人でスタジオ入りしてみっちりと真面目にトレーニングしたもんね。過去にここまでこだわって突き詰めた人は皆無だ。今後ももっともっと煮詰めてハモリまくろう!!)。
歌メロには人一倍のこだわりをもって挑んだ「WOWOWOW~!!」
うっとりするほどポップで幻想的なラストに至るまで、気合十分パーフェクトに完奏。
普段はホノボノと佇んでいるマッキーちゃんではありますが、やる時は綿密にバッチリ決めてくるところなんかさすがですよね。
マサが動きすぎてマッキーのブームマイクスタンドにぶつかり倒しそうになるも、瞬時に抑えて事なきを得た。
「大丈夫ですよ!バッチリと掴んだから!!」とマッキー。
反射神経がいいねえ。
ようやくこの頃になると先ほどまでの緊張感は収まってきてリラックスしてきた。
肩の力も抜けてきて爽やかな疲労感がかえって心地よい。
いつも艶やかなる着こなしのミキティ。
今回も超ド派手な黒いロングブーツと赤いミニのレザースカートで気を吐いている。
マサが「それどこで見つけたの?」「もうこの店はなくなっちゃったのさ。またどこかで男性用のかっこいいブツなんかを見つけたらすぐに教えるね」
と約束してくれたさ。
きっとだよ~~(笑)
「次にお送りするのはシカゴの記念すべきデビューシングルで、ちょっと変わったタイトル、クエスチョンズ67&68!(シカゴの軌跡からのシングル。ヒットしませんでしたが、日本での人気は高い!。再カットされた際には大ヒット!なんと日本語バージョンのシングルも生まれました。ピーター・セテラもジェイソン・シェフもサービスとして来日公演で日本語を披露。一時ライブから遠ざかっていた曲ですが、近年では前半に必ず組み込まれている大切な1曲。意味不明なタイトルが物議を醸しましたがロバート・ラムが1967年から68年までに付き合っていた恋人との質疑応答ソングというのが正解)後半を日本語で歌ってみたいと思います。」
ここではヤスがジャジーなフィルインをイントロにすえて、そのままメチャクチャにクールなホーンセクションが問答無用の追随。
主役の座を貫禄タップリに吹き継いで存在感を強烈にアピール。
その合間をニシヤンによる歪んだギターが、猛烈なスピードで縫うように疾走。
マサとヤスは、ずっとこれが欲しかったのさ。
もうここまででも、言葉を失いそうなほどに感動をおぼえるのに、休むことなく発せられるリードボーカル・マサによるバランス感覚がロックしていてウルッとしてしまいます。
エディット・バージョンだけど、アキちゃんにも歌とホーンとのアメリカンなコントラストがスリリング!と好評を博しています(2019年11月10日の日曜日、夕張ファイブペニーぼたやま音楽祭以来のお披露目。納得のいくメンバーでなければ演奏したくなかったというのがその理由さ。アキちゃんの熱烈なるラブコールによってこの度めでたく復活した次第。良かったね!)
前曲とは色合いの全く異なるこの曲を、是非とも演じてみたかったのもこの度の狙い。
アキちゃんによる4つ打ちのピアノも素敵だ(ビートルズからの影響絶大)。
バッチリと応えてくれたよ。学ぶべき点、発見が多々見受けられたはず。
このあたりの空気感を察してなのか、前方に佇んでいた女性の観客も両手合わせて狂喜乱舞。
ヤスのグルーヴ軸となるのは、何と言っても素早きダイナマイト・ドラミング。
そして、一番の見せ場は中間部分のホーン隊による力強き攻防。
バッキングも熱を帯びて的確に支え続けます。
お約束通りに後半の歌詞は、STAも日本語バージョンで。
マサが、事前の打ち合わせで練り上げたという涙ぐましきパート。
MASAによるMC
「滅多にやらないんだけどメンバー紹介などをやっちゃおうか・・・・人数が多いからちょっと時間がかかるよ。
どこからいこうかな??・・・・
それじゃあ・・・・オンドラムス!」
ヤスがすっくと立ちあがる。
「心強きリズムセクションの相棒が帰ってきました、ヤス、よろしく!!」
拍手!!!
(秘技アキちゃんによる大歓声と拍手の嵐鍵盤SEが一人一人に贈られる!)
「オンギター!今、真剣にチューニング中だけど、彼、先ほどのバンドRIMIXではベーシストなんですよ。
STA加入時はパーカッショニストだった。マルチプレイヤーの西やん、よろしく!!」
拍手!!!
「トロンボーン・・・彼、普段は由緒あるビッグバンド・グルーヴィンオーケストラに所属しているのですよ‥‥カツ、よろしく!!!」
拍手!!!
「トランペット!彼の肩書はなんとコミュニティFMラジオDJとトランペット講師です!」
「ええええ!!!!????」
「ファニー、よろしく!」
拍手!!!
「もう一人のトランぺッター・・・彼は去年からSTAに何度も合流の話があったんだけどこのコロナ事情でずっと延び延びになっていた。
でも、とうとう今夏から合流できた。
それでも涼しい顔して吹きまくっているんだから大物だね・・・・マッキー、よろしく!!」
拍手!!!
「紅一点、STAのキャンディ・ダルファー、そして保科友里!!・・・・誰だかわかる?
深夜のテレビショッピング夢グループによく出演している美魔女の演歌歌手さ。俺、好きなんだよねえ、ああいう女性が。」
観客のほとんどが「???・・・」戸惑い状態の中を打ち破るように
テツが気付いた「ああ!わかった!!ねえ、もっと安くしての人だ!!」
「正解!ね、似てるでしょう(((´∀`*))・・・・・ミキティです、よろしく!」
拍手!!!
「さっきから何やら面白い音を出して、ずっと楽しんでいるSTAのキーボードの魔術師こと女性版ジョン・ロード、アッキーちゃんです。マ・シェリ共々よろしく!!」
拍手!!!
「STAを16年間にわたってずっと、頑固一徹牽引し続けています。
リーダーのマサです、よろしく!!」
拍手!!!(アキちゃん、ここだけ違うSEに切り替えた・・・・)
「それではここでスペシャルゲストをお迎えしたいと思います。皆さん、盛大なる拍手をよろしく!!・・・リエちゃん!!」
当然拍手喝采だ!!!妖艶なるルックス、ファッショナブルなドレスとインパクトは絶大。
彼女がSTAで歌うのは初めてなんだね。
彼女も今回は2回きりのスタジオリハだった。
でも昔取った杵柄とばかり持参してきたマイ・マイクにケーブルを差し替えて、中央フロントへとゆっくり歩み寄る。
「アキちゃんが率いる先ほどのマ・シェリで初ステージにも関わらず素晴らしい歌声を聞かせてくれたけど、STAでも目いっぱい期待していいよ。
ここで濃厚シーンから気分転換・・・・次の曲でちょっと熱冷ましをしたいと思います・・・・知っているかな?セクシー部門担当のリエちゃんがここで心を込めてしっとりと歌いあげます。
シカゴ初の全米1位に輝いた珠玉の金字塔。
STA唯一のバラード。邦題は・・・愛ある別れ・・・・・原題はイフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ(去年の12月13日、日曜日小樽お気楽ライブ運河プラザ以来だ。STAはE♭キーの故ジョン・オバニオン・バージョンでずっと演奏してきたのですが、リエちゃんはピーター・セテラのキーでスマートにさらっとこなしてくれました。
しかもとびっきりにエモーショナルな歌声でね!
やっぱり元キーでなきゃあね。
伝わるものが全然違う。)」
メンバー達も即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい成果を遂げていました。
ニシやんは以前、入魂のボンゴ・シーンで貢献していたけど、この日はナチュラルなギタープレイヤー。
スタジオリハ時では多角的に、いくつものコードを提示してくれて数段も曲のレベルがアップした。
「それいい!エロっぽい!」と、皆から微妙にみょうちくりんな賛辞を与えられていたし(笑)
本人は「世界一コードを知らないギタリスト」と自負していたけれども、いやはやなんともどうしてどうして。
ライブ当日にも「未練がましくこんなギターを考えてみました」とSTAラインに早朝から音源をポロロ~ンと流してもくれました。
ミキティとマサも感銘を受けた次第。
そして、もちろんヤスも大人の魅力で渋い佇まい。
ヤスのワイヤーブラシが、程好いアクセントを生み出している。
さらには今回ホーンセクション達の連携で、いつもとはまた違った神秘的な音作りに挑戦してみました。
全体を覆うように見事なまでのホーンアンサンブルが、叙情的なタッチで采配をふるう。
特にトランペットコンビが、共にここでフリューゲルホーンを構えて厳かに吹き込む姿には感銘を受けるほど(ベル部分に挟んだ専用マイクの差し替えが必要だけど)。
和音の構成音というファンタジックな特性が一番発揮された曲なんでしょうね。奥が深い…とひたすら勉強になった。
控えめに体をくねらせながらのホーンセクションが、思い切り咽び泣いて盛り立てる。
特にミキティのアルトサックスが、刺激的な色合いでムード倍増。
煌びやかなる壮大なオーケストレーション・パートがストーリー映像を描きあげるのですが、現在の編成上、歌詞から練り上げた構想を西やんは、それまでの彼とは一線を画するメリハリあるプレイに織り込んで没頭しています。
足元に設置してあるエフェクターのスイッチを踏み込んで深めなディレイ&リバーヴを加えたサウンドのソロも、マサのアドヴァイスで1オクターブ上げて、より曲のツボを引き出すことに大貢献。
グッと抑え気味の西やんは、アルペジオとさりげないハーモニックス効果でジックリと持ち味を発揮。
幻想的な異空間に浮かび上がるSTAの面々。
よりドラマティックなる効果を狙い、サスティーン音色を膨らませての装飾。
中間部でのバッキングによるコード進行もバッチリと体得したから、水を得た魚のようにノビノビと演出しています。
中々にやるもんだねえ。八面六臂の大活躍。
さすがシカゴ・ミュージックのノウハウを究極に熟知している猛者達だけのことはある。
繊細なる刻みも味わい深い。何も言う事なし。文句の付けようもない。
リエちゃんもサビのコーラス部分で「こうかなあ??・・・」とか、何度も探りを入れてみたりして繰り返しダメ出しを言い続けた。
一番時間かけて、てこずっただけあって完成度もすこぶる高い(シカゴの歌は難しい・・・との弁)。
これは堂々と自信を持って言えること。
それでもマイクを手に、とろけるような哀愁に満ち溢れた甘いボーカルで言葉に表せないほど切ないくらいの感情移入。
ハードからAOR、ソウル系からミディアム・ナンバーにいたるまで何でもこいの頼りになるスーパーレディ。
さすがアキちゃんやマサが絶賛、太鼓判を押して惚れこんだシンガーだけはあるね。
リエちゃん、どうだい?気持ちよく歌えたかな?
マサとマッキーによる絶妙なるハーモニーも後押しして、いい味を出している。
そして最大の功労者はアキちゃん。
何か月も前から多角的に検証を重ねてこの曲に関しては仕上げてきた。
より原曲の魅力を損なうことなくいかにして壮大なサウンドを響かせられるか。
そりゃあ、涙ぐましい時間と体力を浪費していた。
本来ならば夏に努力が実を結ぶはずだったのに諸事情によりお流れ・・・。
絶望的だったところにリエちゃんが現れてあれよあれよという間に実現の運びとなったのさ。
ご両人は運命の結びつきから、音楽の女神と意気投合したようだね。
「ウ~~、ママ・・・・♬」
エンディングでのメンバー一丸となっての連結プレイは、芸術の域に到達しちゃいそうなくらいに練りこんだもんね。
「こんな感じで僅かな残り時間は、ブラスロック街道を突っ走りながら頑張っていきたいと思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。」
(ペットボトルの水を一飲み)
****さあ、いよいよ終盤に差し掛かってきた。泣いても笑っても残すところは2曲だよ。もちろん怒涛のブラスロック攻撃でとどめを刺す!!****
「サンキュー!リエちゃんに盛大なる拍手を・・・・!!」
もちろんドッと湧き上がる拍手の波。
堂々たる物腰でブラス隊の前に佇むリエちゃんも、貫禄たっぷりニコヤカに手を振りその声援へこたえる。
美味しいところ独り占めの状態で、気持ちよさそうにスポットライトを浴びる。
全身から発せられるオーラが半端ない。
マサから・・・・・。
「どうです、皆さん、楽しんでいますか!!?・・・・ってあまり大きな声を出しちゃあダメなんだよね(笑)
でも手拍子ならばいくら叩いてもオーケー!
これからもう一曲、ダメ押しとばかりにモノ凄いのをぶっ放してみせますのでどうぞよろしく!!
毎回、STAは色々なタイプの曲を用意していますが、シカゴの強力なるライバルバンドで、ちょっとノリのいい過酷この上ない曲をお送りしたいと思います・・・・シカゴときたからには、このバンドをやらないわけにはいきません。
ブラスロック界における重要なるターニング・ポイントと言われているもの。
それでは、俺たちSTAなりのアレンジで勇猛果敢にプレイ。
このメンバー達でなければ実現不可能と言われた、メチャクチャに強烈な、ディスコでも人気だったというわずか3分足らずの過激な曲です。
ブラック・ビスケッツ風(爆笑)リフ一発で皆さん、わかってくれると思いますよ(これにどよめく会場内)。
リエちゃんが情熱的に思いの丈を込めて歌います・・・・燃え上がってください(と、ここでオーディエンスの方を指差すと皆が大きく手でリアクション・・・・)。
日本歌謡界にも多大なる影響を与えた、すこぶる燃費の悪い曲です。
皆、聞いてね!・・・・・邦題は黒い炎・・・・チェイスで・・・・・GET IT ON~~!!!」
焦らしに焦らされたオーディエンスが待ってました!とばかりに色めきだつ。
燃える闘魂がメラメラ!!
ヤスによるカウントで・・・「1・2・3~!」
すこぶるアグレッシブなる「黒い炎」。
会場内の熱気は沸点に達した感あり。
脳天がメラメラと炎上しているようだ。
歌詞の内容は卑猥そのものだけど、火傷しそうなくらいのヴォイス攻め。
このようなやさぐれたボーカル・スタイルのリエちゃんを聞けるのも貴重。
ハードロックも歌いこなせる器用なシンガーには脱帽だ。
さりげない仕草が板についてるね。
ほぼ1か月をこれらに費やしていた。
だから熟考に次ぐ熟考で逞しく鍛え上げている。
それもリエちゃんにかかったら全く問題なし。
マサは後方にて、とびっきりのアクションを絶え間なく繰り広げている。
ステージ狭しと前後左右を休みなく駆け巡る理想のエンターティナー。
時にはヤスとのがっぷり四つによる絡みまで演じちゃうもんね。
調子に乗りすぎて珍しくもピックを落としてしまった・・・・・仕方ないから滅多にやらない苦手なフィンガーピッキングに即行でチェンジ。
会場内では大きく手拍子を打っている人々の姿が方々に見えますよ。
それに感化されたのかSTAのメンバー勢も、積極的に観客へ向けてMORE,MOREと要求。
マサ折り紙つきの、ニシヤンによる隠し味的ジャジーなWOWOWペダルがこれまた秀逸。(名器VOXを使用)
ニシヤンはアドリブをこなしながらも、嬉しそう。
全編にわたって捲くし立てるように掻き鳴らされるストロークも絶妙なるスパイスだ。
ジャズのエッセンスをふんだんに含んだ超絶技巧なギター・バッキングがドライブしていて光っている。
これがあるとないとでは雲泥の差。
ここでもマサはアッキー嬢に、ファンキーなバッキングリフとアヴァンギャルド・ソロいう二重苦ともいえる過酷なる試練を求めたのですが、またもやサラッとこなしてくれました。
実は彼女ならば平然とやってくれると信じての、確信犯なんだけどね。
大喜びで軽く受け入れてくれる、輝かしきスーパーレディだ。
どや顔での素敵なソロや極めつけ頭上高く振り上げたお手てをダイナミックに鍵盤へと振り下ろしてのグリッサンド連発なんてゾクゾクしちゃって、横でプレイしているメンバーさえもが思わず鳥肌立っちゃった。
マサも常に半身のポーズにてアキちゃんと暴れまくりながらのプレイが鮮烈。
頭上高く片手を突き上げて悦に入っている。
休むこともなく煽りをかましていますよ。
普段はポーカーフェイスな佇まいのヤスも、適材適所、要所要所でしのぎを削るかのように攻め立ててくる。
ここでも絶え間ない位に、益々の活況を繰り広げています。
マサは調子にのりすぎて足元に設置されていたドリンクを、途中でステージ床に倒してしまった・・・・。
その一挙手一投足全てがものの見事、様になっている。
けたたましきホーンセクションは、バック陣も腰を抜かすほどの威力を確立している。
メイナードファーガソンか、はたまた本家ビルチェイスを彷彿とさせる超絶悶絶なるハイノートヒッターによる真骨頂サウンド。
ダブルトランペットともなると当然ながら厚みが段違い(オリジナルはトランペット4本なもので・・・)。
後半のダメ押しに至っては、レッドゾーン振り切れギリギリで命がけ。
ミキちゃんが必死に会得した転調箇所と、ランニングラインでガッチリと埋め尽くしたマサの捌き方も惚れ惚れするほど。
ファニーを筆頭にホーンが競い合ってピッチを上げるところなんか、ぶっ倒れるんじゃないか?と、これには心配になってしまったよ。
突き抜け感が尋常ではない。
4管編成の面目躍如。
やはり群を抜いてる。
ミキティお得意のヒステリックなるブローも効果覿面。
スタミナ消耗率が激しい・・・・わかってもらえたでしょう。体力の温存が課題だね、ここでは・・・・。
リエちゃん、入魂のシャウトが神がかっている。
感無量の極致。
想像していた以上、期待を遥かに超越したボーカルワークにはミキティも「かっこいい!」と絶賛していたくらいだ。
細かな節回しや絶妙のイントネーション、骨っぽく男顔負けな歌いっぷりには関心しながらも腰を抜かすほど。
マッキーも、一種独特なるSTAワールドに今更ながらずっしりと手ごたえを感じているはず。
それだけにやりがいがあり、一度味をしめたら脱出不可能なジャンルでもあります。
なるほど・・・と世界観がガラッと変化するのです。
マッキーちゃん曰く「スポーツジムに通っているようだ」とのこと。
なるほど、ユニークでうまい表現をするもんだねえ。
カツに至っては、ここへきてもスパイスがピリリと効いていて燻し銀の光沢を放っていたのでした。
決めのエンディング目印では更なる進化を遂げたヤスが、目一杯にタメをきかせてフロアタムにてのブレイク。
マサとのリズムコンビネーションも、ピッタリ絶好調。
ブラス隊含めて全員が合図の残響音を轟かせる中、息も絶え絶えな暴れん坊。
燃え盛る炎で焼き尽くされて、真っ白な灰になったかな・・・?
まあ、いずれにしても、一丸となっての勇壮なるハードロック直撃弾逆落としは鮮やかだなあ!
「もう一度盛大なる拍手を世界のリエちゃんに贈ってくれ!よろしく!
椎名林檎がこの曲を歌ったら多分こんな感じなんだろうね!(笑)」
リエちゃんも完全燃焼とばかりに手を振りながら満足げにステージの後方へ。
ひじょうにいい汗をかいたね。
爽やかな表情にそれらが集約されている。
添付された写真を見てもらえればそれも一目瞭然。
たった2回のスタジオ・リハでよくぞここまで成し遂げたものだ。
正直な話、歌い足りなかったそうだけど、今回はまあ肩慣らしということで。
これで終わりではなく、もっともっと面白いコラボレーションを策略中!
皆さん、彼女が現在所属しているカバーバンド「マ・シェリ」でも歌声を堪能して頂戴な。
これを見た観客たちは大げさではなくラッキーだ(実際、その後の反響にこちらサイドがマジ驚愕したくらい。この曲はいつの間にかゲスト用になっちゃったけど、それだけに数多くの男女問わずシンガーを招いてきました。その中でも1,2を競う完成度とハマリ具合だった。これに異論を唱える人はまずいないでしょうね)。
****さあ、残すところ、あとわずか1曲、かなあ(((´∀`*))?!・・・余力を振り絞ってフィナーレに突入します。
もう少しの間、お付き合いくださいな。極上のブラスロックワールドは果てしなく続くよ。***