シカゴ第5弾シングルは「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」というなにやら仰々しいタイトルの曲。
残念ながら日本ではシングルカットされてはいませんが全米最高ランク7位を記録、いま現在もライブにおける重要なレパートリーとして人気の高い曲です。
人間が定義付けた時間というモノに対する重要性、疑問を投げかけるという哲学的ブラス・ロックソング。
「一体、本当の時間を知っている者はいるだろうか?」
作者はご存知ロバート・ラム。
すでにこの時点ではセカンド・アルバムがリリースされていて、そこから2曲ヒットを出していたのに便乗して改めてデビュー・アルバムからカットされたのがこの曲です。
1970年10月発売。
もちろん編集作業が施されています。
ただ、この曲には同一音源に色々手を加えたものが存在します。
ステレオ、モノ、4チャンネルはもとより、3番の歌詞バックに入るニュース・トーク調のナレーションの在る無しとか、イントロがいきなりトランペットソロから入るものとか様々。
一時、ライブではイントロのリズムが変わってピアノがフューチャーされる部分をカットしたものが演奏されていましたが現在ではオリジナル・テイクに戻されています。
ボビーいわく「誰でも長いイントロは好まないだろう」とのこと。でも絶対にあそこはあの流れがベスト(私もそう思います)だと判断したのか原曲に修正されています。
写真3枚の説明。
アメリカ盤は3:17でB面はこちらもボビーの隠れた傑作「リッスン(3:22)」
ジャケット付きのモノはオランダ盤。レーベル穴はくりぬける様になっています。
ジャケット写真は「長い夜」フォトの別ポーズ白黒VER。
最後にはイギリス盤。
こちらもレーベル穴はくりぬき式。
針を落としてみてビックリしたのは、スタジオ・アルバムにはこの曲には前奏曲として「フリー・フォーム・ピアノ」というロバートのピアノ・ソロがあります。
(スタジオ・アルバムにはその部分にはタイトルはありませんでしたが初期ライブでは「フリー・フォーム・イントロ~一体、現実を把握している者はいるだろうか?」という正式名が付記されていてスタジオ以上に長尺なアドリブ、時にはダニーはじめメンバー達がバッキング参加なんていうテイクもありました。現在のライブでは時間の関係、時代性も考慮して割愛されていますが。)
そのオリジナル・スタジオ・テイクが丸々このイギリスEPには収録されているのです。感動的だなあ。
しかもこの曲はB面です。
A面はというとスペンサー・ディビス・グループの名曲「アイム・ア・マン」が収録されています。全米49位、イギリスでは最高ランク8位をマーク。
スティービー・ウィンウッドのペンによるこの曲もずっとシカゴがライブの後半で演奏している曲ですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます